物置小屋

１人向け・other

決死の覚悟(裏稼業side-Bです)

ごめんね、こんな遅い時間まで手伝わせちゃって...。
ありがとう。お客さんたち、すごく喜んでたよ。
...そうだ、新しい服を作ったんだ。よかったら着てみて。
きっと似合うはずだから。ね？

...ごめんね。すぐ終わらせるから、ここの鍵を閉めさせてもらう。...これでよし。
きっと着替えに夢中で気づいてないはず。
ねえ、そこにいるんでしょ？...出てこいよ。
俺はあんたに用はない。今さら何しに来た？
家に帰ってこい、か...死んでもお断りだ。
あんたはその手で何人をもてあそんできた？
その結果何人が死んでいったか、考えたことがあるか？ないだろうな。
情報っていうのは、流した程度じゃすまなくなるんだよ。
流す側が考えなしに行動したら、失われずにすんだ命がいくつあると思ってる？
あんたはそれを怠った。...あんたと同じ血が流れてると思うと吐き気がする。
ただ、土下座されたってあんたたちのところに戻るつもりはない。
ここには俺しかいない。どうやって居場所を突き止めたのかも知りたくない。
...ただ、こういうのはもう終わりにしよう。


...ごめん。まさかそんなに泣かれるとは、思わなかったな...。
他の人に連絡してくれたの、君でしょ？怖い思いをさせて、本当にごめん。
ああ、この怪我？見た目ほど酷くないから大丈夫だよ。
流石に、ちょっと痛いけど...。
相手の武器は、刀に似た包丁なんだ。
だからやっぱり、腕を刺されると...痛い。
背中のは、あんまり深くないって。
...ねえ、さっきの話、聞こえてた？
ごめん、君には知られたくない。...お願い、少しだけ休ませて。

あれ、俺、いつの間に寝て...手、繋いでくれてたんだな。
冷たいタオルに、新しい包帯。...看病してて寝ちゃったのか。
ごめんね。ありがとう。
君には、どうしても言えない。俺はただの洋服屋でいたい。
でも、あいつらに居場所が見つかったってことは、店を開けられないかもしれない。
どう説明すればいいんだろう。巻きこみたくないのに...ごめん、起こしちゃった？
さっきよりはずっと元気だよ。ちゃんと治療も受けたし、しばらく休めば大丈夫。
傷痕が残るかもしれないとは言われてるけど、危ないことには慣れているんだ。
この程度の怪我ならいつものことだし...だから、そんなに泣かないで。
あんまり詳しいことは言えないけど、これだけは約束する。
もう二度と後悔したくない。だから、また不審者がきたとしても君だけは絶対に護り抜いてみせる。
...何に代えても、ね。ううん、なんでもない。
申し訳ないんだけど、何か夕飯を作ってもらってもいいかな？
ありがとう。楽しみにしているね。
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今回はside-Bで綴ってみました。
彼は裏稼業について、絶対に明かしたくないと考えているのでしょう。
...彼女を表社会にかえす為に。
自作小説だともう既に明らかになっていたり、ラスボスじみたものが見えていたりするのですが...それはまた別の話です。