817 / 1,797
1人向け・看病系
苦味ほろほろ(元・執事シリーズです)
しおりを挟む
ただいま...。まだ電気ついてるから起きてると思ったんだけど、気のせいだったのかな。
あ、いた。
...お嬢様、こんなところにいらっしゃっては...って、飲み過ぎ。
水だと思ったんでしょ?ごめん、それは夕飯を作るときにどこに置いたか分からなくなってたやつだ。
俺だってミスはする。...お屋敷ではいつも気をはってたからこういうことはなかったけど、君の前では素でいられるから。
それより大丈夫?水持ってくるからちょっと待ってて。
どうしたの、いきなり抱きついてきて...。
...お酒がはいると随分素直なんだね。いや、こっちの話。
そんなに寂しかったの?いつもならプランターの水やりしてたってよく分からないことを言って誤魔化すのに、本当はそんなふうに思ってたんだ。
待って、先に手当てした方がよさそうだね。
この傷なら、多分絆創膏をはっておけば治るはずだし...はい、できた。
酔って転んだでしょ?気をつけないと本当に危ないよ...。
分かった、離れないから取り敢えずソファーで休んで。
突然だけど、質問です。...ふたりであの屋敷から逃げるように出てきたこと、後悔してる?
俺は弁護士として、結局出掛けることが多い。
いくらリモートが多いとはいえ、色々な場所に出向くこともあるし...本当は、沢山寂しい思いをさせてるんじゃないかって思ったんだ。
君の気持ちが知りたい。
そっか、そうだよね。...ちょっと安心した。
もしここで全然寂しくないなんて言われたら、それもそれだなって思ってたから。
だけど、本当にごめん。もっと早く帰ってこられるように善処する。
今夜会ってきた依頼人、ちょっとだけ君に似てたんだ。
詳しいことは言えないけど、事情を抱えて辛そうにしてた。
そうだ、傷痕に薬を塗らないと...お願い、ちょっとだけ待ってて。
ついでに水も持ってくるから...ね?
...これでよし。やっぱりこの左肩の傷は残るかもしれないね。
急だね。どれだけ傷だらけだろうが、君が君であることに変わりないでしょ?
だから俺は、絶対に見捨てるようなことはしない。
君に嫌われるその日まで、ふたりでの生活を護りぬいてみせる。
...なんて、酔っていない君相手には言えないことだけどね。
素直になれないのはお互い様か...ほら、水飲んで。
明日は二日酔い状態になりそうだね。後でしじみの味噌汁を作っておく。
だから君は、ちゃんと寝て休んで。
...心配なんだ。離れている間もずっと頭の片隅では君のことを考えてる。
俺、今の生活がすごく幸せなんだ。だから...あれ、もう寝てる。
流石に運んだ方がいい、よね。さっきの続きは明日伝えるよ。
...愛してるって。ふたりでいることが幸せなんだって。
俺は君に酔ったみたいだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
元・執事シリーズ、久しぶりに綴ったような気がします。
あ、いた。
...お嬢様、こんなところにいらっしゃっては...って、飲み過ぎ。
水だと思ったんでしょ?ごめん、それは夕飯を作るときにどこに置いたか分からなくなってたやつだ。
俺だってミスはする。...お屋敷ではいつも気をはってたからこういうことはなかったけど、君の前では素でいられるから。
それより大丈夫?水持ってくるからちょっと待ってて。
どうしたの、いきなり抱きついてきて...。
...お酒がはいると随分素直なんだね。いや、こっちの話。
そんなに寂しかったの?いつもならプランターの水やりしてたってよく分からないことを言って誤魔化すのに、本当はそんなふうに思ってたんだ。
待って、先に手当てした方がよさそうだね。
この傷なら、多分絆創膏をはっておけば治るはずだし...はい、できた。
酔って転んだでしょ?気をつけないと本当に危ないよ...。
分かった、離れないから取り敢えずソファーで休んで。
突然だけど、質問です。...ふたりであの屋敷から逃げるように出てきたこと、後悔してる?
俺は弁護士として、結局出掛けることが多い。
いくらリモートが多いとはいえ、色々な場所に出向くこともあるし...本当は、沢山寂しい思いをさせてるんじゃないかって思ったんだ。
君の気持ちが知りたい。
そっか、そうだよね。...ちょっと安心した。
もしここで全然寂しくないなんて言われたら、それもそれだなって思ってたから。
だけど、本当にごめん。もっと早く帰ってこられるように善処する。
今夜会ってきた依頼人、ちょっとだけ君に似てたんだ。
詳しいことは言えないけど、事情を抱えて辛そうにしてた。
そうだ、傷痕に薬を塗らないと...お願い、ちょっとだけ待ってて。
ついでに水も持ってくるから...ね?
...これでよし。やっぱりこの左肩の傷は残るかもしれないね。
急だね。どれだけ傷だらけだろうが、君が君であることに変わりないでしょ?
だから俺は、絶対に見捨てるようなことはしない。
君に嫌われるその日まで、ふたりでの生活を護りぬいてみせる。
...なんて、酔っていない君相手には言えないことだけどね。
素直になれないのはお互い様か...ほら、水飲んで。
明日は二日酔い状態になりそうだね。後でしじみの味噌汁を作っておく。
だから君は、ちゃんと寝て休んで。
...心配なんだ。離れている間もずっと頭の片隅では君のことを考えてる。
俺、今の生活がすごく幸せなんだ。だから...あれ、もう寝てる。
流石に運んだ方がいい、よね。さっきの続きは明日伝えるよ。
...愛してるって。ふたりでいることが幸せなんだって。
俺は君に酔ったみたいだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
元・執事シリーズ、久しぶりに綴ったような気がします。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
一人用声劇台本
ふゎ
恋愛
一人用声劇台本です。
男性向け女性用シチュエーションです。
私自身声の仕事をしており、
自分の好きな台本を書いてみようという気持ちで書いたものなので自己満のものになります。
ご使用したい方がいましたらお気軽にどうぞ
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
【R18】もう一度セックスに溺れて
ちゅー
恋愛
--------------------------------------
「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」
過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。
--------------------------------------
結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。
大好きだ!イケメンなのに彼女がいない弟が母親を抱く姿を目撃する私に起こる身の危険
白崎アイド
大衆娯楽
1差年下の弟はイケメンなのに、彼女ができたためしがない。
まさか、男にしか興味がないのかと思ったら、実の母親を抱く姿を見てしまった。
ショックと恐ろしさで私は逃げるようにして部屋に駆け込む。
すると、部屋に弟が入ってきて・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる