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1人向け・慰め系
虹色の旅路(視える人シリーズです)
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今夜は月が綺麗だし、星も沢山見られそうだな...あれ、あの人今日もいるんだ。
こんばんは。えっと...どうしてあなたは最近ここにいるんですか?
俺は星を見たくていつも天体観測がてら来るんですけど、何もない場所に女性がひとりでいるのは珍しい気がして...。
それにこの場所、最近変質者が出たとかであんまり人が近寄らなくなってるんです。
俺は男だし、どうなってもいいかなって気持ちでいるんですけど...どうしてあなたはここにいるのかなって思ったんです。
突然話しかけたりしてすみませんでした。
それじゃあ、おやすみなさい。
...あれ?今夜もまたいる...こんばんは。
俺たち、いつも似たような時間帯に来ているんですね。
今夜も空が綺麗で、星が沢山見えそう...。
そうだ、これ食べませんか?最近発売されたお菓子らしくて、俺も初めて食べるんですけど...チョコレート、嫌いじゃなければどうぞ。
うん、美味しい。最近まだまだ暑いので、体を壊さないように気をつけてくださいね。
それじゃあ、おやすみなさい。
最近雨が降って、ここにも全然来てなかったな...。
ん...?今日もまた、同じ格好...いや、そういうわけじゃないのかもしれない。
最初は分からなかったけど、やっぱりあの人は...。
こんばんは。今日は雨が降らなくてよかったですね。
いくら酷暑とはいえ、雨が降ったら寒いだろうから。
...これ、もしよければ使ってください。全身濡れちゃってますから。
ごめんなさい。最初は全然気づいてなくて...。というより、区別がつかないんです。
それに、生きていようが死んでいようが、相手が困っていたらなんとかしたいって考えます。
どうしてあなたは自分が毎日この場所に縛られているのか、理解できていないんじゃないですか?
気づいたらここにいる...そんな状態なんじゃないですか?
最近、新聞で見たんです。このあたりで女性がひとり行方不明になっていて...死体で見つかったって。
そして顔写真がこれです。...あなたですよね?
あなたと話をするのは楽しかったけど、ずっとこの場所にいるのはあんまりよくないと思います。
それに...ほら。あそこにいる人、見覚えがありませんか?
あの人が祈っているのは、あなたのことです。
毎日欠かさず来ているみたいですよ。普段は昼間に祈っているそうです。
今日はたまたまお昼にこられなかったから、今祈っているのかもしれませんね。
あの人は図書館の司書さんで、新聞のことも教えてくれたんです。そのときに少しだけ話を聞きました。
生きているときは寂しかったのかもしれないけど、あなたにはまだあなたのことを考えてくれる人がいます。
...それでもやっぱり、寂しいですか?
道?それは、あなたにしか見えないんです。
俺も話せて楽しかったです。また機会があれば会いましょう。
いってらっしゃい。気をつけてくださいね。
...いっちゃったな。いつかまた会えたら、話ができるかな。
それにしても、やっぱり心が温かい人たちばかりだ。
生きている人間の方が何倍も恐ろしいなんて考えてしまう俺は、やっぱり不適合者なんだろう。
...俺だけの道、早く見つけたい。
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このシリーズも個人的には好きです。
彼にも事情があって、生者の方が苦手になっています。
いつかその秘密まで紡げるといいのですが...。
こんばんは。えっと...どうしてあなたは最近ここにいるんですか?
俺は星を見たくていつも天体観測がてら来るんですけど、何もない場所に女性がひとりでいるのは珍しい気がして...。
それにこの場所、最近変質者が出たとかであんまり人が近寄らなくなってるんです。
俺は男だし、どうなってもいいかなって気持ちでいるんですけど...どうしてあなたはここにいるのかなって思ったんです。
突然話しかけたりしてすみませんでした。
それじゃあ、おやすみなさい。
...あれ?今夜もまたいる...こんばんは。
俺たち、いつも似たような時間帯に来ているんですね。
今夜も空が綺麗で、星が沢山見えそう...。
そうだ、これ食べませんか?最近発売されたお菓子らしくて、俺も初めて食べるんですけど...チョコレート、嫌いじゃなければどうぞ。
うん、美味しい。最近まだまだ暑いので、体を壊さないように気をつけてくださいね。
それじゃあ、おやすみなさい。
最近雨が降って、ここにも全然来てなかったな...。
ん...?今日もまた、同じ格好...いや、そういうわけじゃないのかもしれない。
最初は分からなかったけど、やっぱりあの人は...。
こんばんは。今日は雨が降らなくてよかったですね。
いくら酷暑とはいえ、雨が降ったら寒いだろうから。
...これ、もしよければ使ってください。全身濡れちゃってますから。
ごめんなさい。最初は全然気づいてなくて...。というより、区別がつかないんです。
それに、生きていようが死んでいようが、相手が困っていたらなんとかしたいって考えます。
どうしてあなたは自分が毎日この場所に縛られているのか、理解できていないんじゃないですか?
気づいたらここにいる...そんな状態なんじゃないですか?
最近、新聞で見たんです。このあたりで女性がひとり行方不明になっていて...死体で見つかったって。
そして顔写真がこれです。...あなたですよね?
あなたと話をするのは楽しかったけど、ずっとこの場所にいるのはあんまりよくないと思います。
それに...ほら。あそこにいる人、見覚えがありませんか?
あの人が祈っているのは、あなたのことです。
毎日欠かさず来ているみたいですよ。普段は昼間に祈っているそうです。
今日はたまたまお昼にこられなかったから、今祈っているのかもしれませんね。
あの人は図書館の司書さんで、新聞のことも教えてくれたんです。そのときに少しだけ話を聞きました。
生きているときは寂しかったのかもしれないけど、あなたにはまだあなたのことを考えてくれる人がいます。
...それでもやっぱり、寂しいですか?
道?それは、あなたにしか見えないんです。
俺も話せて楽しかったです。また機会があれば会いましょう。
いってらっしゃい。気をつけてくださいね。
...いっちゃったな。いつかまた会えたら、話ができるかな。
それにしても、やっぱり心が温かい人たちばかりだ。
生きている人間の方が何倍も恐ろしいなんて考えてしまう俺は、やっぱり不適合者なんだろう。
...俺だけの道、早く見つけたい。
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このシリーズも個人的には好きです。
彼にも事情があって、生者の方が苦手になっています。
いつかその秘密まで紡げるといいのですが...。
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