物置小屋

黒蝶

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1人向け・慰め系

硝子の花(元・執事シリーズです)

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ただいま。...珍しい、もう寝てるのかな。
丁度いい茶葉が手に入ったのに...あれ?いつものグラス、どこに仕舞ったのかな?
一先ずこれでいいか。
寝てるかもしれないけど、入るよ...。
ねえ、紅茶を淹れたから一緒に飲まない?
アイスティー淹れたから、よかったら君も...。
...お休み前にハーブティーをお淹れしましょうか、お嬢様?
ごめん、全然返事がなかったから聞こえてないのかと思ったんだ。
どうしてそんなにびっくりした顔をしてるの?
もしかして、帰ってきたことにも気づいてなかった?
...ごめん、全然気づいてなかった。
救急箱を持ってくるから、君は硝子を触らずにそこで待ってて。
心配しなくても大丈夫だから。

先に手当てをすませるね。そんなに謝らないで。
最近俺の帰りが遅かったのも一因だろうし、精神的なダメージって時間が経てば自然と解決してくれるなんてことは滅多にないから。
...今日も家でできることを頑張ってくれてたの?ありがとう。
君がこうしてこの場所を守ってくれるから俺は仕事に行けるんだ。
ちょっと滲みるよ...よかった、思ったより深く切れてなかったみたい。
嫌なことを思い出して、ちょっと混乱した?
飲み物でも飲んで落ち着こうとしたら、焦ってグラスを割って余計に混乱した...違う?
やっぱりそうだったんだ。
分かってた訳じゃなくて、周りを見てなんとなくそう思っただけ。
はい、手当て終わり。
どうしたの、突然抱きついてきたりして...。
怖い思いをしているときに独りにしちゃってごめん。
そうじゃない?迷惑だなんて思ってないよ。
俺はこれからも君のことを夢中にさせたいだけ。
病気だから嫌だとか、そんなこと考えたこともないよ。
あの人たちが何を言ってたのか、全部を知ってる訳じゃないけど...俺たちはもうただの恋人同士なんだから。
こっそり勉強してたのも、掃除や料理の本を読み込んでたのも知ってる。
一緒に生活するからってあの場所にいたとき以上に頑張ってくれているのに、そんな君のことをないがしろにするようなことはしないよ。
隣にいてくれるだけで幸せなんだから。
...俺の執事時代の本、多分これなら日常生活に役立つからこっそり持ってるやつは返してくれないかな?
はじめはなくしたかと思ってたんだけど、もしかしたら君が読んでるんじゃないかって思ったんだ。
もうちょっと肩の力を抜いてほしいな...って、お願いしてもいい?
なんだかずっと無理をしているように見えるから、もっと休む時間を作ってほしいんだ。
...体にある傷痕は消えてきても、心にはずっと残っていくでしょ?
疲れが原因で色々な症状が出てくることもあるから、休息はしっかりとってほしい。...約束だよ。
アイスティー、今から淹れ直すから待ってて。
これからささやかなティータイムにしよう。
眠れないなら朝までだってつきあうから。
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1度心が折れてしまうと、元通りにはならないのではないか...色々思うところがあり、綴ってみることにしました。
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