物置小屋

１人向け・慰め系

蜜愛(ふたりだけの恋)

おかえり。そろそろ電車に乗る時間だったからきたんだ。行き違いにならなくてよかった。
どうかしたの？なんだか今日は元気がないみたいだけど、何かあった？
...人のことをストーカーみたいに言わないで。
僕はずっとついていってる訳じゃないから、知らないことだってあるよ。
こうして君が苦手な電車で話をすることはできるけど、それ以外のときは大人しく別の場所にいるから。
電話？...それって、あの意地悪な人から？
そっか、またそんな話をされたんだ...。
どうして電話してまで言ってくることがそれなんだろうね。
僕の家も所謂普通の家とはかけ離れていたけど、君の家族は君に対して全然愛情を向けてないのが悲しい。
毎日苦手な人混みに紛れながら必死に生活してるのに、言ってくるのが嫌味だなんて...あまりにも酷い。
小さい頃からなの？てっきり、妹さんがいるからだと思ってた。
優秀で可愛くて要領がいい、だっけ？...でも君は、そう言いつつ悪く言ったことは1度もなかったよね。
人のいいところを探し出すのが得意なところって、すごくいいところだと思うんだ。
ただ、自分自身のいいところを見つけられてないのはちょっと勿体無い気がする。
君はこんなにも優しくて、誰かの為に頑張れて...見えたものを絶対に無視しない。
それに、今だってちゃんと努力してるでしょ？
...僕には先がないけど、それでも君は僕をただの人として扱ってくれる。
駅ついたし、歩きながら話そうか。


できること、少なくてごめん。
本当は頭を撫でたい。抱きしめたり、手を繋いだり...僕が生きていれば、それができたのかな。
死んでからじゃないと気持ちも伝えられない僕だけど、君のいいところは沢山知ってるよ。
誰にも負けないくらい必死に動いているのを見てたから。
...君の家の場所、なんとなくしか覚えてない。
というより、僕は方向音痴だから...あ、やっと笑った。
もしも僕が負担だと思ったらすぐ言ってね。
君が幸せになれることなら、どんなに遠くに離れてしまうことになったとしても応援するから。
僕がいいって、僕が好きだって言ってくれたのはすごく嬉しいけど...君には未来があるから。
だけど、疲れたときは今日みたいに沢山愚痴を言ってほしいな。
君に頼ってもらえたような気がして、すごく嬉しいんだ。
...話してる間に着いちゃった。
話の続き、これから聞かせてね。
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周りからは分からない、蜂蜜のように甘い時間...という意味でタイトルをつけたのですが、大丈夫でしょうか？