物置小屋

１人向け・慰め系

たとえ、脆く散ったとしても。(記憶障害持ちの恋人)

ただいま...あれ、どうかしたの？
ごめん、急に声をかけたから驚かせちゃったね。
分からなかったことがあったの？このページは昨日のこと？ちょっとだけ見せて。
《今夜した明日の約束》...あ、それはこれのことだと思う。
昨日のは一緒に花火しようって話になったから、帰りに手持ち花火を買ってきたんだ。
そんなふうに振る舞わなくても...ううん、なんでもない。
ご飯を食べたら、早速やってみようか。

...ごちそうさまでした。ありがとう、すごく美味しかったよ。
花火の準備はしておくから、先にお風呂入っておいで。
俺は後からでいいから...ゆっくりくつろいでね。
...なんとか誤魔化せたかな。
やっぱり記憶が消えてしまうのが少し早くなっているような気がする。
彼女もきっとそれを自覚してるから、作り笑いで過ごすことしかできなかったんだろうな...。
うっかり泣いてしまわないように気をつけないと。

お風呂、もういいの？ちゃんと温まった？
子ども扱いなんかしてないよ、恋人扱いはしてるけど。...可愛い。
そこ座って。髪乾かしてあげる。
ドライヤーの風、熱くない？それじゃあこのまま...ごめん、くすぐったかった？
君は耳が弱点だよね。...軽く指が当たっただけで肩がはねてるからすぐ分かる。
そういうところも可愛いと思うけどね。
...はい、できた。それじゃあベランダに出て。
俺は後でシャワーを浴びるから大丈夫だよ。
それじゃあ始めようか。

ふたりでやると、あっという間になくなっちゃったね。...どうだった？楽しかった？
それならよかった。
俺がこんなことを言うのは君を傷つけることになるのかもしれないけど...忘れちゃうかもしれないとか覚えていられないかもしれないとか不安に思わないで。
いつも言ってるけど、君が忘れてしまってもその出来事がなかったことにはならない。
それに、忘れてしまうくらい楽しいと思ってもらえているならちょっと嬉しいなって思うんだ。
笑えないときは、無理に笑顔を作らなくていいんだよ。
泣きたいときは泣いていいし、辛いことがあったときは辛いって言ってほしいんだ。
...やっぱり不安なの、ひとりで我慢してたんだね。
わっ、今俺汗くさいのに...分かった、君が落ち着くならしばらく抱きしめてる。
やっと君の笑顔が見られたのに、また泣かせちゃったね...ごめん。
もう少しこうしていようか。

これを片づけたらシャワー浴びてくるね。
それから...どうしたの？眠れそうにない？
それじゃあ、一緒にお菓子を食べよう。飲み物も沢山あるし、新しい約束を考えるのもいいかもしれないね。
眠くなったらふたりで一緒に寝よう。プラネタリウムもあるし、きっと楽しいよ。
...よかった、やっと笑ってくれた。
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なんとか綴ることができました。
久しぶりなような気がしますが大丈夫でしょうか？