物置小屋

黒蝶

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1人向け・慰め系

あなたを見つめる(自分自身を見てくれる彼)

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あれ、今夜も来てたんだね。どうしたの、こんな真っ暗な場所でで丸くなって...。
何か嫌なことでもあった?
そっか、まだそういうこと言う人もいるんだね。
それで辛くなって、私なんかって色々独りで考えこんじゃってた?
...やっぱり。真面目な君ならそうするんじゃないかって思ったんだ。
たしかに君の親はそういう職業だけど、それは君自身と全く関係ないのにね。
君は君で、あの人たちはあの人たちでしょ?
そう割りきってくれる人が少ないのは、すごく悲しいことだね。
それに、必死に勉強していい成績をとってもあの親の子だからなんて言われたら、誰だってやる気をなくすと思う。
成績が悪いとあの親の子なのにって言われるのは、すごく辛いね。
君はあの家で粗雑な扱いを受けてるのに、どうしてそんな心ないことが言えるのか分からない。
優しい家族や居場所があれば、真夜中に家を飛び出す必要なんてないでしょ?
...あの人たちにも何か言われた?
よく言われること...ああ、満点以外は認めないってやつ?
365日ずっと100点をとれる人なんて存在しない。
俺だってそうだし、多分君もそう。...あまり人のことを悪く言いたくないけど、あの人たちは君のことを大切にしてない時点で満点なんかじゃない。
俺の親もそうだけど、子どもの心に寄り添えないならどうして生んだんだろうって考えたことない?
そうだよね、俺もいつも考えてる。
俺の価値は俺が決めることで、本当は親たちだって否定できないはずなんだ。
ただ、俺は君自身をちゃんと見てるってことは忘れないで。
...ポケットに入れてる折り畳みナイフ。
それを使って自分を消そうとしてるでしょ。
ねえ、その前にちょっとだけ俺と逃げてみない?
周りに困っている人がいたら、なんとかできないかいつも考えてる。
ぼろぼろになるまで使いこまれた参考書に、大切にしているペンケース。その中にはいつも1番お気に入りのシャーペンが入ってる。
...真面目で優しくて努力家。それが俺が知ってる君だよ。
そんなことないよ、俺なんかより君の方がずっと優しい。
この前も一緒に歩いてる子の相談にのってるのを見たよ。
最後まで話を聞いて、アドバイスより優しい言葉をかけてた。
人の気持ちを理解しようとする人って、俺はすごいなって思う。
たとえ誰も君のことを認めなかったとしても、俺だけは絶対側にいるよ。
ただ、こんな時間に外にいたら流石に風邪をひくよ?
そうだ、寝袋ふたつ持ってるから...それに入って温まりながら寝よう。
君が帰らないなら俺も一緒にいる。
その前に、しばらくこのまま抱きしめててもいい?ありがとう。
大丈夫、辛いときは沢山泣いていいんだよ。
...今はきっと、夜空が隠してくれるから。
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一先ず綴ってみました。
人のぬくもりというものは、こんな感じでしょうか?
彼も彼女も、聞き上手だと思います。
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