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1人向け・慰め系
星空のおとしもの(『雨のおとしもの』シリーズです)
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...さて、もう帰るだけだし急がないと。
あれ、またいる...。こんばんは。今夜は星が綺麗ですね。
何かお困りですか?
どうしてそんな顔をしているのか、とても気になったんです。
俺は名乗るほどのものではありません。
不審者とかではなくて、この近くに仕事先があるのでその帰りで...って、言い訳がましいでしょうか。
いつも独りでいるから、何をしているんだろうと思いまして...。
もし俺に何か力になれることがあるなら、お手伝いします。
人探し...どんな人を探しているんですか?
妹さんというのは、もしかして肩くらいまでの髪で、パールのイヤリングをつけていた女性ですか?
先日この辺りで見掛けました。
雨で、傘もささずに時計を探していて..恋人との、大切な想い出の品なのだと。
時計はもう見つかって、それ以来彼女とは会えていません。
ただ、ここを通り掛かっては思い出します。
...俺は愛されて育ったわけではありませんから。
いえ、なんでもありません。
妹さんが心配だったから、毎晩ここまで探しに来ていたんですか?
あなたは優しいお姉さんだったんですね。
だから彼女も、恋人を待ちながらあなたのことも探していたのでしょう。
今ならまだ彼女に追いつけるはずです。...未練が全て断ち切れていればの話ですが。
教えてください。あなたの未練は何ですか?
...今回は見ていてすぐ気づきました。
左腕から滴り落ちる血に、真っ赤に染まったワンピース...誰にやられたんですか?
そう、だったんですね。俺には愛する人から粗末に扱われたことなんてなかったから分からないけど...相当辛かったんだろうなってことは分かります。
無償の愛がもらえなかったからか、人と感覚がずれている部分が多いんです。
昔から人より視えるものが多くて、でもそれを理解してもらえたことはなくて...。
だから、自分の愛が相手に上手く伝わらなかったうえに暴力をふるわれる辛さは分かります。
俺じゃ何も力になれないかもしれないけど、妹さんの後を追ってください。
星をおいかけていけばきっと会えますから。
...偉そうなことばかり言ってすみませんでした。
それじゃあ、失礼します。
姉妹愛か、彼女たちがちょっと羨ましいな...。
...俺にはもう、大切な人なんてできないから。
やっぱり生きてる人間より、死んでしまっている人たちの方が優しい気がする。
俺が普通じゃないからなのかな...。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『雨の日のおとしもの』の彼で綴ってみました。
待ち人がもういないと気づけなければ、きっとついていくことも難しいのでしょう。
あれ、またいる...。こんばんは。今夜は星が綺麗ですね。
何かお困りですか?
どうしてそんな顔をしているのか、とても気になったんです。
俺は名乗るほどのものではありません。
不審者とかではなくて、この近くに仕事先があるのでその帰りで...って、言い訳がましいでしょうか。
いつも独りでいるから、何をしているんだろうと思いまして...。
もし俺に何か力になれることがあるなら、お手伝いします。
人探し...どんな人を探しているんですか?
妹さんというのは、もしかして肩くらいまでの髪で、パールのイヤリングをつけていた女性ですか?
先日この辺りで見掛けました。
雨で、傘もささずに時計を探していて..恋人との、大切な想い出の品なのだと。
時計はもう見つかって、それ以来彼女とは会えていません。
ただ、ここを通り掛かっては思い出します。
...俺は愛されて育ったわけではありませんから。
いえ、なんでもありません。
妹さんが心配だったから、毎晩ここまで探しに来ていたんですか?
あなたは優しいお姉さんだったんですね。
だから彼女も、恋人を待ちながらあなたのことも探していたのでしょう。
今ならまだ彼女に追いつけるはずです。...未練が全て断ち切れていればの話ですが。
教えてください。あなたの未練は何ですか?
...今回は見ていてすぐ気づきました。
左腕から滴り落ちる血に、真っ赤に染まったワンピース...誰にやられたんですか?
そう、だったんですね。俺には愛する人から粗末に扱われたことなんてなかったから分からないけど...相当辛かったんだろうなってことは分かります。
無償の愛がもらえなかったからか、人と感覚がずれている部分が多いんです。
昔から人より視えるものが多くて、でもそれを理解してもらえたことはなくて...。
だから、自分の愛が相手に上手く伝わらなかったうえに暴力をふるわれる辛さは分かります。
俺じゃ何も力になれないかもしれないけど、妹さんの後を追ってください。
星をおいかけていけばきっと会えますから。
...偉そうなことばかり言ってすみませんでした。
それじゃあ、失礼します。
姉妹愛か、彼女たちがちょっと羨ましいな...。
...俺にはもう、大切な人なんてできないから。
やっぱり生きてる人間より、死んでしまっている人たちの方が優しい気がする。
俺が普通じゃないからなのかな...。
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『雨の日のおとしもの』の彼で綴ってみました。
待ち人がもういないと気づけなければ、きっとついていくことも難しいのでしょう。
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