物置小屋

１人向け・イベント系

雨の日の過ごし方(梅雨の日デート・元・執事)

...噂どおりのようですね。
聞いていたとおり、この場所の紫陽花は本当に咲いています。
ん？敬語...ごめん、無意識だった。
なんとなく懐かしいなって思ったんだ。
覚えてる？あの場所をこっそり抜け出して見に行った、広い花畑。
結局1日じゃまわりきれずに帰ったんだったよね。
よかった、俺しか覚えてないんじゃないかと思った...。
そんなに笑わなくてもいいのに...。あの頃から君はすごく可愛いから、誰かに狙われないか心配になってた。
...ほら、そうやってすぐ照れるところが可愛い。
そんなに周りを警戒しなくても大丈夫だよ。
だからこうして、雨の日の夜にデートすることにしたんだから。
たとえあの人たちが現れても、俺が絶対にやっつける。
それで、ふたりでまた一緒に逃げよう。...約束だよ。
まあ、現れることなんてないだろうけどね。
そろそろ帰ろ...っと、危ない危ない。
傘、折れちゃったね。君のお気に入りのでしょ？
次の休みは一緒に傘を買いに行こう。
これが直らないか頑張っては見るけど、あんまり期待はしないで。
...君がこの傘とどれだけのことに耐えてきたのか、俺はよく知ってるから。
駄目、もっとくっつかないと濡れちゃうよ？
照れてるだけには見えないんだけど...そういうことか。
花びらを拾って帰りたかったんでしょ？
前に約束したもんね。...次に花が咲いたとき、それで季節ものの栞を作ろうって。
覚えてるよ。君と過ごした時間のことなら、どんな些細なことだって覚えてる。
来た場所は違えど、あのときの約束はこれから果たしていける。
今月は紫陽花、来月は...こうやって未来の約束ができるのってすごくいいね。
話しているだけで、なんだか楽しくなってきた。
ねえ、君は他にどんなことがしたい？
...もう少し今の生活に慣れてきたら、遠出をしてみるのもいいかもしれないね。
このあたりのことなら大体分かるから、一緒に行こう。
...栞にするならこれがいいかな。
体を冷やすと風邪を引くし、そろそろ帰ろうか。
ほら、誰も見てないからもっとこっちにくっついて。
こうしていれば、少しは温かいでしょ？


君は先にお風呂入って。
包帯を換えるのはその後にしよう。
今日は楽しかった？それならよかった。また今度、雨の日デートしようね。
...さて、お嬢様の傘を直さないと。
思ったより破損してる部分が少ない、これならきっと元通りとまではいかなくてもなんとかなる。
うん、日傘にすればなんとかなりそうだな。
今日は沢山笑ってくれてよかった。
これから先も、俺が君の笑顔を護るよ。
...ただの恋人としてね。
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あまりデートをさせたことがなかったような気がするので、思いきってさせてみました。