物置小屋

１人向け・慰め系

小さな匣の中、考える庭園。(箱庭シリーズです)

こんばんは。今日も来てくれたんだね。
それにまたお弁当を作ってきてくれるなんて、本当に嬉しい。ありがとう。
ところで、何かあった？...寂しい？
不安になっちゃったんだね。外に出るのが怖いの？
その傷は、不安で自分でつけたもの？
包帯巻き直すからこっちおいで。
ちょっとだけ我慢してね...はい、終わり。
これくらいしかできなくてごめん。
それにしても、人間関係って複雑なんだね...。
心って難しいし、理解するのも理解しようとするのも大変なんだと思う。
いきなり相手にあわせるのかとか、どこまで自分の気持ちを隠すのかとか、とにかく考えるのが難しいと思う。
想像することしかできないけど、君は本当に頑張っているんだね。
具体的なことは何もできないし、俺にはここに存在していることしかできないけど...側にいるよ。
君が望むなら、こうやって話をしよう。
俺も君と過ごせる時間は楽しいから。
泣いてもいいんだよ。ここには俺と君しかいないんだから。
...他の誰にも入ることなんかできない場所だから。

少し落ち着いた？それならいいけど、まだ不安なことがあるんじゃない？
大丈夫。目を閉じて、耳を塞いで。
そうだ、最近聞いてる好きな曲があるって言ってたよね？
その話、聞かせてくれる？
眠くなったら寝ちゃっていいから、手を繋いでいようか。
朝までは一緒にいられないかもしれないけど、できるだけ長く側にいるから。
よかった、やっと笑ってくれた...。
ご飯、ありがたくいただきます。

...とうとう自分の腕を切りつけちゃったんだね。
今夜もまた話せなかったな...。
散らばる錠剤のごみに、花ひとつ咲かない廃墟の中。
でもやっぱり、彼女が泣くのを見たくない。
こんな暮らしがいつまでも続けられるはずはないけど...お願い、気づいて。
君がいるその場所には、本当は誰もいないんだよ。
毎日のように大量の睡眠薬を飲んでいたら体に悪いし、もし腕を深く切りすぎたら血が止まらなくなってしまう。
...でも、話すことが正しいのかな。
俺は外を知らないから、どれだけ怖いことがあるのかなんて分からない。
ただ、この想像の箱庭もいつまで持つか...。
ちゃんと話をしないといけないのに、どうしてこんなに矛盾したことを考えているんだろう。
どうするのが1番彼女の為になるのか、全然分からないよ...。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
彼はまだ迷い続けます。
正解とは何か、果たしてそれは正しいことなのか。
考えれば考えるほど分からなくなりそうです...。