物置小屋

１人向け・慰め系

ものの良し悪しは十人十色(善か、悪か)

こんばんは。久しぶりだね。
早速で申し訳ないんだけど、あなたのことを頂戴します。
なんでって...さあ？どうしてだろうね。
冗談だよ。
君が大切だから、一緒に来てもらえないと困るんだ。
俺が怪盗、か...もしそうだったら一緒に来てくれる？
もう時間がないんだ。...お願い。
今は何も聞かずに俺と一緒に来て。

はい、到着。これ？俺の愛車だよ。
君を拐ってきた理由は、ただ単に君が好きだから。
それ以外に理由が必要？...今夜のお出掛け、したくなかったんでしょ？
昔からご家族のことがあんまり好きじゃないもんね...。
大丈夫だから、俺と一緒に来てくれる？
...まずいな。ううん、こっちの話。
ちょっとだけ飛ばすから、しっかり掴まっててね。


やっと着いた...お疲れ様。一先ずここで休んでて。
あ、でもその前に...えい。
ごめんごめん、ただの粘土だよ。
久しぶりに童心にかえれたら、もしかしたら嫌なことも全部忘れちゃえるんじゃないかって思ったんだ。
嫌な思いをさせたならごめん。
でも、君を護りたいのは本当だから。
申し訳ないんだけど、ちょっとだけ待っててくれる？
これから君をあの家から解き放つ。
その代わり、俺と一緒に住んでもらいます。
まさか泣くほど喜んでもらえるとは思ってなかった。
俺と一緒にいられるのが嬉しいなんて、そんなこと言われたらますます頑張ろうって思うよ。
奥の部屋以外なら好きに使ってくれていいから、そのままくつろいでてね。
...暴力からも、俺が護るから。


依頼は達成された。...と、思う。
残念なことにあの女は崖から落ちていってしまって、全身見つからなかった。
だから報酬は要らない。...なんで彼女の腕の型が欲しいなんて言ってきたのかは知らないが、俺はもうこの件には関わらない。
...人が死ぬなんて後味悪いことは二度とやらないから覚えておけ。それじゃあ。


ただいま...よかった、やっと眠ってくれた。
だけど、これからどうしようか。
ひとつ、依頼人に見つかってはいけない。
ふたつ、彼女に正体を知られてはいけない。
みっつ、彼女が生きていることを悟られてはいけない。
そしてよっつ...これからも殺しの依頼は受けない。
殺し屋なんて物騒な異名がついたせいで誤解されるのは嫌なんだけど仕方ない。
...俺はあくまで情報の売り買いとアフターフォローしかしないのに。
今回は依頼料ももらってないし、腕の型さえあればなんとか誤魔化せるはず。
...君だけは必ず、光の下に帰してみせるから。
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大切な彼女の為にかげで戦うヴィラン...それとも、この場合はヒーローなのか。
善悪ものもどきを綴ってみました。
私は善悪でいうなら善だと思いますが、どちらに見えるかは人によると思います。