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1人向け・慰め系
真実の愛を知る君は(元・執事な彼)
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ただいま...え、起きて待っていてくれたの?
先に寝ててって言ったのに...。待っていてくれたのは嬉しいけど、それで君が疲れてしまうのなら意味がない。
俺が疲れているように見える?...いや、特に何もないよ。
強いて言うなら、あなたの方が元気がないように見えます。
大丈夫...なわけがないし、何があったのか教えてほしい。
嫌な夢を見た?それは、あのお屋敷でのこと?
そういえば、1度だけ君の側を離れて留守にしたことがあったね。
...傷がいつもより多かったことは覚えているよ。
それから、何故か成績表が捨てられていたことも。
暴力の悪夢って、何度見ても辛いよね。
あれは旦那様に見せなくてよかったの?
...それもそうか。あの人は家のことには無関心で、冷たい人間だったから。
俺の親の話?...長くなりそうだから、紅茶でも淹れようか。
はい、どうぞ。
ミルクセーキ、小さい頃から好きだったでしょ?
奥様みたいには淹れられないけど、一応執事でしたから。
お嬢様、お召しあがりください。...ごめん、やっぱり執事癖が抜けきっていないみたいだ。
取り敢えず一緒に飲もう。
そうだ、今日依頼人が差し入れてくれたケーキがあるんだけど...よかったら食べる?
あんまり難しいことは考えなくても、俺は大丈夫だよ。
弁護依頼はまだ受ける予定はないし、ただ相談に乗っているだけだから。
君との時間が減るのは嫌だけど、少しでも貯蓄は多い方がいいと思って。
そういえば、俺の家の話だったね。
...俺は裕福な家庭に生まれた訳じゃない。母子家庭だったし、下にも兄弟がいたから...。
でも、家族愛を感じられただけ君よりはましだったのかもしれない。
俺はお金がない人を助けたくて、弁護士になったんだ。
自分だけではどうしようもないことってあるでしょ?
そういうときに、手をさしのべられる仕事がしたかった。
...母親が事故で死ぬまでは、それでいいと思っていたんだ。
執事をしながら奥様の弁護人もやっていたのは、家族への仕送りの為。
でも、もう弟たちも働きはじめたから仕送りは少しの額でおさえるようにしているんだ。
俺がいなくても生きていけるように、ふたりとも必死で働いている。
兄としては、それが1番嬉しかった。
どうして泣いているの?...そっか、奥さまを思い出したんだね。
...君が1番悲しかったことは、勝手に再婚したうえに君自身を愛してくれる人がいなくなってしまったからだったんじゃない?
やっぱり。唯一の愛をくれる相手が突然いなくなってしまう哀しみはとてもよく分かる。
...俺も、病院から電話がかかってきたときそうだったから。
でも、もう独りになんかさせない。俺がずっと側にいる。
たとえあの人たちが何を言ってこようと、必ず護るよ。
君を傷つける奴等に、絶対に屈したりなんかしない。
だから...俺からの愛だけは本物だって、信じてくれる?
...まさか最初から信じてるなんて言ってもらえるとは思っていなかった。
ありがとう。...嬉しくて泣いてしまいそうだ。
もう眠れそう?...無理ならそう言ってくれればいい。
ついでに、指の傷の手当てをさせて。
...これ、火傷?あの人にやられたもの?
俺が知らないところで色々あったのは知っているけれど...辛かったね。
ここならふたりで恋人として過ごせるし、誰も君のことを理不尽に傷つけたりしないから。
今日は少しだけ悪いことをしようか。...ケーキにお茶に、あとは楽しい話をしよう。
それで気分を変えると、次に眠るときはきっといい夢が見られる。
それとも...今夜はずっと抱きしめていようか。
実は仕事がひと段落したんだ。だから、もう少しふたりでいられる時間を増やせるよ。
そんなに喜んでもらえるとは思わなかった。
...どこか出掛けたい場所はある?
もしよかったらだけど、一緒にどこかへ行ってみよう。
確かに君はもうお嬢様じゃないけど、そのままの君が1番輝いて見えるんだ。
お嬢様じゃなくなったからこそできることも沢山あるだろうしね。
ミルクセーキのおかわり作るから、その間に考えておいて。
...愛しているよ、これからもずっと。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
元・執事とのシリーズ、久しぶりに綴ったような気がします。
...親絡みで辛い思いをしている人たちを見たことがあります。
かくいう私も色々ある身ではありますが、愛とは何なのか考えてみた結果こうなりました。
おかしいでしょうか...?
先に寝ててって言ったのに...。待っていてくれたのは嬉しいけど、それで君が疲れてしまうのなら意味がない。
俺が疲れているように見える?...いや、特に何もないよ。
強いて言うなら、あなたの方が元気がないように見えます。
大丈夫...なわけがないし、何があったのか教えてほしい。
嫌な夢を見た?それは、あのお屋敷でのこと?
そういえば、1度だけ君の側を離れて留守にしたことがあったね。
...傷がいつもより多かったことは覚えているよ。
それから、何故か成績表が捨てられていたことも。
暴力の悪夢って、何度見ても辛いよね。
あれは旦那様に見せなくてよかったの?
...それもそうか。あの人は家のことには無関心で、冷たい人間だったから。
俺の親の話?...長くなりそうだから、紅茶でも淹れようか。
はい、どうぞ。
ミルクセーキ、小さい頃から好きだったでしょ?
奥様みたいには淹れられないけど、一応執事でしたから。
お嬢様、お召しあがりください。...ごめん、やっぱり執事癖が抜けきっていないみたいだ。
取り敢えず一緒に飲もう。
そうだ、今日依頼人が差し入れてくれたケーキがあるんだけど...よかったら食べる?
あんまり難しいことは考えなくても、俺は大丈夫だよ。
弁護依頼はまだ受ける予定はないし、ただ相談に乗っているだけだから。
君との時間が減るのは嫌だけど、少しでも貯蓄は多い方がいいと思って。
そういえば、俺の家の話だったね。
...俺は裕福な家庭に生まれた訳じゃない。母子家庭だったし、下にも兄弟がいたから...。
でも、家族愛を感じられただけ君よりはましだったのかもしれない。
俺はお金がない人を助けたくて、弁護士になったんだ。
自分だけではどうしようもないことってあるでしょ?
そういうときに、手をさしのべられる仕事がしたかった。
...母親が事故で死ぬまでは、それでいいと思っていたんだ。
執事をしながら奥様の弁護人もやっていたのは、家族への仕送りの為。
でも、もう弟たちも働きはじめたから仕送りは少しの額でおさえるようにしているんだ。
俺がいなくても生きていけるように、ふたりとも必死で働いている。
兄としては、それが1番嬉しかった。
どうして泣いているの?...そっか、奥さまを思い出したんだね。
...君が1番悲しかったことは、勝手に再婚したうえに君自身を愛してくれる人がいなくなってしまったからだったんじゃない?
やっぱり。唯一の愛をくれる相手が突然いなくなってしまう哀しみはとてもよく分かる。
...俺も、病院から電話がかかってきたときそうだったから。
でも、もう独りになんかさせない。俺がずっと側にいる。
たとえあの人たちが何を言ってこようと、必ず護るよ。
君を傷つける奴等に、絶対に屈したりなんかしない。
だから...俺からの愛だけは本物だって、信じてくれる?
...まさか最初から信じてるなんて言ってもらえるとは思っていなかった。
ありがとう。...嬉しくて泣いてしまいそうだ。
もう眠れそう?...無理ならそう言ってくれればいい。
ついでに、指の傷の手当てをさせて。
...これ、火傷?あの人にやられたもの?
俺が知らないところで色々あったのは知っているけれど...辛かったね。
ここならふたりで恋人として過ごせるし、誰も君のことを理不尽に傷つけたりしないから。
今日は少しだけ悪いことをしようか。...ケーキにお茶に、あとは楽しい話をしよう。
それで気分を変えると、次に眠るときはきっといい夢が見られる。
それとも...今夜はずっと抱きしめていようか。
実は仕事がひと段落したんだ。だから、もう少しふたりでいられる時間を増やせるよ。
そんなに喜んでもらえるとは思わなかった。
...どこか出掛けたい場所はある?
もしよかったらだけど、一緒にどこかへ行ってみよう。
確かに君はもうお嬢様じゃないけど、そのままの君が1番輝いて見えるんだ。
お嬢様じゃなくなったからこそできることも沢山あるだろうしね。
ミルクセーキのおかわり作るから、その間に考えておいて。
...愛しているよ、これからもずっと。
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元・執事とのシリーズ、久しぶりに綴ったような気がします。
...親絡みで辛い思いをしている人たちを見たことがあります。
かくいう私も色々ある身ではありますが、愛とは何なのか考えてみた結果こうなりました。
おかしいでしょうか...?
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