物置小屋

１人向け・慰め系

明日が怖くなったなら-泣かないver.-(シリーズものです)

もしもし？どうかした？
不安？...それは、明日から学校だから？
そんなに心配しなくても...なんて簡単には言えないな。
兄貴も俺も、そういう時期があったから。
それに、君の場合は色々あって通信制に来たわけだから余計に言えない。
...そう、兄貴も君と同じだった。
ますます頑張れとか何とかなるとか言えなくて、どんな話をするべきかちょっと悩んでる。
...ごめん、こういうときに上手く言葉をかけられなくて。
けど、そうだな...明日、早朝とか夕方にやりたいことってある？
日の出を見るのは厳しいかもな...俺が起きられるか分からない。
でも、きっと綺麗なんだろうな。
そうだ、少しだけ早起きできそうなら公園に寄り道してみるのはどう？
どんなものがあるのかは分からないけど、冒険みたいで案外楽しいかもしれない。
それから、夕方は駅前にできたカフェに行ってみよう。
俺が行くと敵情視察みたいになるんだろうけど...ただ純粋に激甘クレープが食べてみたい。
トッピングも色々選べて、近くには本屋と雑貨屋があるし...楽しくなってきた？
個人差はあれど、明日が怖くなることってあると思うんだ。
でも俺は、そんな明日を楽しいことで満たしたいと思ってる。
勿論、君と過ごす楽しい時間で。
...嫌ならいいんだけど、そういうことができればきっといい1日になるんだろうなって想像はできる。
なんて、ちょっと楽観的すぎるか？...そっか、楽しみになったか。
それならよかった。一緒に朝陽を見るのは無理だろうけど、明日も絶対に迎えに行くから。
体調が悪くなったら無理せずに休んでいいんだからな。
電話、繋いだままにしとく？分かった、そうしよう。
遅くまで起きてた方が電話を切る。これなら大丈夫だろ？
話したいこと、話してくれればいいから。
それで、眠くなったらそのまま目を閉じて休んで。
...いい夢、視られるといいな。


昨日は結局夜更かししたな...駄目だ、ちょっと眠い。
おはよう。今日は元気そうだな。
それじゃあ、駅の近くにある公園を散歩でもするか。


...いつものことだけど、やっぱり吃驚するくらい静かだな。
そこのベンチに座ろう。...ほら、タオルで悪いけど、これの上に座れば服が汚れることはないだろ？
ああ、人がいないことを知ってた理由？
実は早く駅に来すぎたときにここを散歩してたことがあって...悪い、ちょっと肩貸して。
昨日ちょっと眠れなくて、今だったら眠れそう。
アラームかけておくから、これが鳴ったら駅に行こう。
...ちょっとだけ、寝かせて。
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実は彼には、『カフェでバイトをしている』という設定があります。
小説版での話ですが...。
そして彼にとっての明日が怖いときの対処法は、『ひたすら楽しい未来を想像すること』でした。
正解がない問題ですが、これもひとつの答えだろうと私は思うのです。