物置小屋

黒蝶

文字の大きさ
上 下
1,281 / 1,797
1人向け・イベント系

赤い恋・赤い銃弾ルート(分岐2)

しおりを挟む
『...大丈夫だったか?それならよかった。
おい、次は掠る程度じゃすまないと思え。』
「待って、それ、」
『何も言うな。それより、こいつを家に送ってくるからここを任せてもいいか?』
「勿論だよ。...ああ、丁度月が夜空に輝いてる。
そろそろ時間みたいだから、赤ずきんを連れて逃げて。
ついでに気持ちをちゃんと伝えてね。」
『なっ...気にしなくていいから、ひとまず逃げるぞ。』

「...もうあの子たちは行ったみたいだね。
どうしたの、そんなに怯えた顔をして?
僕、人を殺したことさえないんだ。
でも、もしあのふたりに何かするつもりなら...手がすべって爪で切り裂いちゃうかもしれない。
だから、朝まで僕と一緒に大人しくしててね?...って、もう寝ちゃったから聞こえてないか。
今のうちに証拠をしっかり集めておかないと。」


『ほら、着いたぞ。本当に怪我はしてないんだな?それならよかった。
おまえ、あんなことされそうになったのにばあさんの心配か?
...俺が撃ったのはただの睡眠薬の成分が入った弾だ。
今ごろぐっすり寝てるだろうけど、当たったところで死にはしない。
ほら、今日はこのまま帰れ。
ゆっくり寝て疲れをとるように。...いいな?

...よし。ちゃんと入ったみたいだし、俺は一旦...泣いてるのか?すみません、入ります。
おい、あんた何してるんだよ。
こいつの母親ならこいつ相手に何をしてもいいって、本気で言ってるのか?
虐待の罪であんたを警察に引き渡す。
俺が住居侵入?あくまで捜査の為に立ち入っただけだ。
そろそろこの町の警察が来る。...覚悟しておくんだな。
あと、こいつは俺がもらっていくから。』


『ここまで来れば大丈夫だろ。
こんな森の奥深くにある俺の家に用事がある奴なんて、この時間帯は1人しかいないはずだからな。
そう、あいつだけだ。
...なあ。怪我、手当てするからみせてみろ。
色んな怖い思いをしてきたんだな...気づいてやれなくて悪かった。
銃弾、ちゃんと持っててくれたんだな。
その赤は、あいつが育ててた花からとれたものだ。
染料を染みこませたんだよ。
昼間は説明不足だっただろ?だからこそ、ちゃんと伝えておきたかったんだ。
タイミングがおかしいのは分かってるつもりだけど...俺がちょっかいを出すのは、おまえにだけだ。
おまえ以外のやつをからかったりしない。
真面目で、何事にも一生懸命で、毎日笑ってて...そんな姿を見ていて、今夜伝えようと思ってたことがある。
本当はずっと前から言いたくて、でもそれができなくて...俺みたいな危ないやつが伝えていいのかかなり迷った。
ただ、こうなったからにはもう我慢しない。
...おまえが好きだ。
おまえだけは、絶対に失いたくない。
この家空き部屋多いし、お前がいつも持ってるものはついでに運んできたし、ここに住めばいい。
だから、その...俺のものになれよ。
悪い、まさか泣くほど嫌われてるなんて...お前も好きだったのか?俺のことが?
一生分の運を使い果たしたような気がする。
意外と純粋とか言うな。これでも、結構照れてるの隠してるんだから。
俺はまだ人を殺したことはない。
だが、いつかこの手を血で染める日がきてしまうのかもしれない。
...それでも、一緒にいてくれるか?
おまえは俺が護る。
今夜そう誓うから、前言撤回は聞かない。
これからも末長くよろしく、赤ずきん。』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ポインセチアには、魔除けの効果があると言われています。
銃弾を染められるのかという部分はさておき、これからもふたりは様々なことを乗り越えていくでしょう。
...勿論、友人の彼も一緒に。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

一人用声劇台本

ふゎ
恋愛
一人用声劇台本です。 男性向け女性用シチュエーションです。 私自身声の仕事をしており、 自分の好きな台本を書いてみようという気持ちで書いたものなので自己満のものになります。 ご使用したい方がいましたらお気軽にどうぞ

ロリっ子がおじさんに種付けされる話

オニオン太郎
大衆娯楽
なろうにも投稿した奴です

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

大好きだ!イケメンなのに彼女がいない弟が母親を抱く姿を目撃する私に起こる身の危険

白崎アイド
大衆娯楽
1差年下の弟はイケメンなのに、彼女ができたためしがない。 まさか、男にしか興味がないのかと思ったら、実の母親を抱く姿を見てしまった。 ショックと恐ろしさで私は逃げるようにして部屋に駆け込む。 すると、部屋に弟が入ってきて・・・

処理中です...