物置小屋

黒蝶

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1人向け・看病系

ありがとうを伝えたい(迷子です、ごめんなさい)

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どうしたの、こんな時間に起きて...まだ2時だよ?
そんなに首をぶんぶんふられても分からないから、ゆっくり話してくれる?
『嫌な夢を見て、眠れなかった。起こしてしまってごめんなさい』...謝らないで。
最近あんまり眠れてないのは知ってたけど、もしかしてその夢が関係してるの?
そっか...ねえ、折角だから一緒に紅茶でも飲まない?
なんだか俺も目が冴えてきたし、君さえよければつきあって。

あ、紅茶が少ししかない...。
ほうじ茶とココアならどっちがいい?
じゃあ俺もほうじ茶にしようかな。...はい、どうぞ。
ん?どうしたの?『あり』...わっ、ごめん!
まさか零しちゃうなんて...大丈夫?火傷してない?
指赤くなってる...こっちおいで。
取り敢えず冷やした方がよさそうだから、キッチンに行こう?
ごめん、痛いよね...大丈夫?
絆創膏を貼っておこうか。...これでよし。
そんなに慌てなくても大丈夫だよ。
それよりノートは使えそう?...よかった、なんとか書けそうだね。
でも、さっきの文字は滲んで読めなくなっちゃってる...。
もう1回教えてくれる?
え、どうしてそんなに顔を赤くしてるの?
『恥ずかしい』...何が?
言ったでしょ、多少の読唇ならできるようになってきたって。
でも、やっぱり長い会話になると途中までしか分からなくて...。
君が一生懸命伝えてくれるのはすごく嬉しいけど、負担になってないか心配で...。
ん?『話せるのが楽しいから、私は大丈夫』...君は強いんだね。
手、まだ痛むんじゃない?
『それでもちゃんと話がしたい』...分かった。
伝えたかったこと、もう1回教えて?
『いつもありがとう』...その一言を伝える為に、ずっと頑張って書いてくれてたの?
...可愛い。
君はやっぱり優しいね。
それじゃあ、お茶を淹れ直してくるよ。
...よし、今度こそ温まろうか。
それじゃあ、いただきます。
あ...その前に、1つ言いたかったことがある。
俺も、いつも君の優しさに救われてる。本当にありがとう。
もしかして、照れてる?ごめんごめん、もうからかったりしないから...。
それじゃあ飲もうか。...乾杯、なんて言葉を使うのはおかしいかな?
そんなことない?...ねえ、美味しい?
よかった、もしまずくなってたらどうしようって思ってたから...。
どうしたの?ゆっくりでいいから話して?
『あなたが淹れてくれたお茶はいつも美味しい。ありがとう』
...またありがとうって言ってくれた。
やっぱり君のことが好きだよ。
君は?...その手話は、『好き』、だよね。
ありがとう。なんだか寝るのが勿体なくなってきちゃった。
よし、お菓子も出して...プチお茶会でもしよう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
迷子です、ごめんなさい。
これでいいのか不安です...。
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