物置小屋

１人向け・看病系

マスクの下にあるものを(外でのハプニング)

おはよう。...ごめん、じっと見ちゃって。
君の顔をしっかり目に焼きつけておきたかったんだ。
だって、外に出たらマスクでちゃんとは見えなくなっちゃうから。
そうだよ、数時間でもはっきりと分からなくなっちゃうのはちょっと寂しいんだ。
だから、もう少しだけ君の可愛い顔を見ててもいい？
...そんなに照れなくても、俺は本当のことしか言ってないよ。
出掛けられそう？よし、それならご飯を食べてから行こうか。


...やっぱり今日は混んでるね。
人が沢山いるけど、大丈夫？無理そうだと思ったらすぐ言ってね。
どうしたの、そんなに雑貨屋さんの方を見て？
何か欲しいものがあった？なんでもないならいいけど...。
ちょっとそこに座って待っててね。

...あれ、なんだかぐったりしてる？
もしかして、人に酔って...違う。
うずくまってるってことは、マスクがないのかな。
ねえ、大丈夫？見ないでって、どうしたの？なんだか苦しそうだし...。
周りの人の目より、君がふらふらしてるのが心配だよ。
マスクはどうしたの？ぶつかって外れた？
...それなら、顔を見られないように工夫するから俺に体を預けてて。


ここまでくれば人通りはあんまりないかな。
...あ、予備のマスク発見。
今更かもしれないけど、もしよかったら使う？
君が落ち着くなら、それでいいと思う。
電車には乗れそう？分かった、もう少し休んでから家に帰ろうか。
泣かないで。謝らなくても大丈夫だから...。
1人にしてごめん。
水を飲んだら落ち着くかもしれないって思ったから、買いに行ってたんだ。
あとは...これを買ったんだ。
そう、さっき君が雑貨屋さんで見てたぬいぐるみ。
これがあったら、少しは不安がなくなるんじゃないかって...俺が仕事に行ってる間も寂しくないんじゃないかって思ったんだ。
だけど、1人で震えてる君にできることなんてほとんどなくて...本当にごめん。
こうやって抱きしめたり、側にいることしかできないけど、ちゃんと君のことを護りたいんだ。
他に俺にできることがあったら言ってね。
それだけで充分なんて、君は本当に優しいね。
...動けそう？そろそろ行こうか。
くまさん、抱きしめて帰るの？...可愛い。
だけど、俺ともこうして手を繋いでくれる？
俺がこうしていたいからっていうのと...もう君が寂しくならないように。
マスク、今度新しいのを買いにいこう。
もっと外れづらいものを探した方がいいと思うんだ。
そうすればきっと、もう少し出掛けるのが楽しくなる。
今日は帰ってゆっくりして、また次の機会に一緒にこようね。
本当に気にしないでね。
今日はずっとふたりでいられる...俺はそれが1番嬉しいから。
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マスクが外れたとき、恐怖に襲われます。
だから今回は、そういった内容を綴ってみたかったのです。