物置小屋

黒蝶

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1人向け・イベント系

お菓子よりも欲しいもの-泣けない、泣かない。ver.-(かけあいがあります)

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「はーい...ああ、いらっしゃい。
こっちの家にくるのは初めてだったね。
...そう、ここが僕の実家。地図、分かりづらくなかった?
それならよかった。
今日の服、すごく可愛いね。
嘘なんて言ってないよ、全部本当。
かっこいいなんて、言われなれないからちょっと恥ずかしいな...。
そうだ、もう1人女の子がくるはずなんだけどまだきてないんだ。
ん?...勿論、今日はふたりきりでデートだよ。
そうじゃなくて、」
『俺の恋人がまだきてないんだ。...兄貴の彼女さん、こんにちは。
途中まで一緒に行かせてくださいね』
「こら、いつも入るときはノックしろって言ってるのに...まったく。
ごめん、何か飲み物持ってくるね。
おまえは彼女を困らせないように。」
『分かってるよ。本当に心配性だな...。
あ、敬語なんて俺には使わなくていいよ。
噂のって、兄貴は俺のことどんなふうに言ってたの?
...そっか、褒められてるなんて思ってなかったから嬉しいな。
兄貴は感情的で、時々言葉が足りなくて誤解させるようなこともあると思うけど、すごく優しい人なんだ。
君の話をするときは、どんなときよりもきらきらしてる。
上手く言えないけど、どうかこれからも兄貴を頼みます。
...そうだ、彼女さんは兄貴のどんなところが好きになったの?』
「...困らせないようにって言わなかったっけ?」
『兄貴、いつの間に...痛っ、そんなに小突かなくてもいいだろ?』
「そういう話は、せめて僕がいないところでしてくれないか...」
『なんだ、照れてるだけか。
...ごめん、ちょっと迷ってるみたいだから行ってくる!』
「慌ただしくてごめんね。...え、一緒に捜しに行く?
僕は顔が分かるからいいけど、君は休んでてもいいんだよ?
...分かった、それじゃあ弟を追おうか。」


「1人で闇雲に捜しまわっても見つからないよ。」
『兄貴...。けど、彼女さんにまで負担をかける訳にはいかないだろ?』
「彼女が一緒に探したいって言ったんだ。
それを止められるとでも?」
『二人とも...ありがとう。それじゃあこの人を見かけたら連絡してほしい。』
「写真を送ってくれる?」
『分かった。...それじゃあ、お願いします。』
「任せて。はい、これが弟の恋人の写真。もし君が見つけたら、僕に連絡して。いいね?
行き違いにならないようにしないといけないから。」

「まさか彼女が手分けした方が早いから、なんて言い出すとは思わなかったな。
前向きに行動できるって、多分いい兆候だよね。
...いた。もしもし?今見つけたから、先に家に戻っててくれる?弟にも連絡しておく。
それじゃあ、また後でね。
...こんにちは、お嬢さん。ごめん、そんなに驚かせるとは思ってなくて...。
あいつが君がこないって言ってたから、捜すのを手伝ってたんだ。
連絡してあげてもらえるかな?君の声を直接聞いた方が安心すると思うから。」

「ちゃんと話せたみたいだね。
ああ、そっちじゃなくてこっちだよ。地図、分かりづらいな...。
ごめんね、弟はちょっと雑なところがあるから...。
だけど、あいつが君のことを話すとき...いつも楽しそうなんだ。
周りからの扱いが酷くて、僕より大変な思いをすることが多かったはずだけど...笑顔が戻ったのは君のおかげだと思う。
これからも、どうかあいつと仲良くしてやってね。
...え、あいつがそんなことを?
僕は尊敬なんてされるような人間ではないんだけど...なかなか興味深い話だ。
着いた、ここだよ。分かりづらくてごめんね。」
『あ、よかった!もし迷子のままだったらどうしようかと思った...。』
「もうちょっと丁寧に書かないと...あれじゃあ地図になってないよ?」
『ごめん。俺がもっと分かりやすくできていればよかったのに...。』
「反省より、ひとまず中に入ろう。
そうだ、彼女は戻ってきた?」
『兄貴の部屋にいる。』
「ありがとう。全員揃ったし、もう少ししたら出ようか。」
『そうだな。...ちょっと俺の部屋で休もう?』

「...ただいま。待たせてごめんね。
うん、無事見つけられたよ。
今は弟と一緒にいるから、もう少ししたら行ってみようか。
...友だち、増えるといいね。」

『ごめん。次は駅まで迎えにいく...。
君の家まで行くのもいいけど、行き違いになるのが怖い。
...その服、ハロウィンだから?
違うよ、その逆。...綺麗すぎて困ってる。
ん?兄貴からだ。
ちょっとだけ待っててくれる?』

『どうしたんだよ、兄貴?
というか、彼女さんは?』
「ふたりを会わせたかったんでしょ?邪魔にならないように、僕たちはここにいよう。」
『目的忘れかけてた...。仲良くなれるかな?』
「境遇が似ている分、話しやすいんじゃないかな?
どうしてものときは僕たちで間に入ろう。」
『そうだな。...兄貴、さっき送った写真消して。
捜してもらう為に送ったけど、あれは俺だけの特権だから。』
「分かってるよ。言われなくてももう消した。
...おまえは意外とやきもち妬くんだね。」
『そういう兄貴はやっぱり余裕そう。
俺もその大人の余裕?みたいなの持てるようになりたい。』
「そのうちいつの間にか身についてるよ。
それに、お兄ちゃんはそのままでもいいんだけどな...。」
『女の子って、何を話すのか想像できない...。
30分たったし、そろそろ出ないと街が人で溢れかえるかも。』
「それじゃあ、行ってみようか。」

『ふたりとも、申し訳ないんだけどもう出ないと間に合わないんだ。
...準備はできてる?』
「年に1度なんだし、一緒に楽しもうね。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今回の共通話はここまでです。
「」は【泣けないver.】の彼、『』は【泣かないver.】の彼です。
実は、ここがなくても分岐後の部分のみでストーリーが成立するように創るつもりではあります。
ただ、【自分たちの恋人を引き逢わせてみたら友人になれるのではないか】という弟の方...【泣かないver.】の彼の提案を受けた形で綴ってみたかったのです。
掛け合いは難しい...特に、今回のようにそれぞれに恋人がいる場合は表現しづらいです。
しかも場面変えが多くて...すみません。
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