物置小屋

１人向け・看病系

祈りと夕焼け林檎(祈りシリーズです)

こんばんは。いつもお世話になっています。
あの、彼女の調子はどんな感じでしたか？...そうなんですね。
分かりました、無理しないように見張っておきます。
今回の検査で引っ掛からなかったらしばらくは大丈夫、なんですよね...？
それならよかった...いつもありがとうございます。


俺だけど、入ってもいい？...返事がないな。
あれ、鍵が開いてる...入るよ？
え、なんだかぐったりしてる...！
すぐ病院に行けるように手配するからちょっと待って...ん？そうだよ、俺だよ。
仕事が終わったからきたんだ。
行かないでって...そんなに辛そうにしてるのに、見ているだけなんてできないよ。
薬は飲んだ？もう少ししたら落ち着くって、本当に大丈夫なの？
...分かった。だけどもし、無理そうだと判断したらすぐに病院に連れていく。
どのくらいこの状態なの？...って、話せる感じじゃないよね。
さっきから一言話すだけで辛そうだし...手？繋いでほしいってこと？...はい、どうぞ。
苦しい？そうだよね...。やっぱり病院に行った方がいいんじゃない？
駄目だよ、迷惑になるとか言える状況じゃないでしょ？
入院するのが嫌なら、せんせいになんとか帰れないかって直接頼んでみるから...お願いだから、ちゃんと君の病状に詳しくて対処できる人を呼ばせて。
我慢して命を落としたら意味ないんだよ...？
この前の一緒に行けなかった検査、心臓が弱ってるって結果だったんでしょ？さっき病院に寄って聞いてきた。
君に無理をさせないって話をしてきたよ。
...勝手に行ってごめん。だけど、どうしても君のことが心配だったんだ。
だから...え、もう落ち着いた？確かに、さっきよりずっとすらすら話してるね...。
よかった、本当によかった...。
だけど今日はもう座ってて。無理して悪化しちゃったらいけないから...。
君が好きな林檎、買ってきたんだ。
ご飯の後で一緒に食べよう。
あ、空が晴れてきたみたい。...夕陽がすごく綺麗だね。
まさかまだこんな時間だったとは思ってなかったな...。
天気がよくなってきたからっていうのも、少しは体調に作用しているのかもしれないね。
謝らないで？体調が悪い人にご飯を作れだなんて言わないから。
少しだけ待っててね、すぐ作るから。
お皿を並べるのを手伝ってもいいって...君は本当に優しいね。
分かった、それなら少しだけ手伝ってもらおうかな。
辛くなったらすぐ休んでね。
君が元気でいてくれることが、俺の1番の望みだから。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
在宅シーンが少なめのこのふたりですが、今回はそういうパターンにしてみました。
体調が芳しくないせいか、こういった物語を綴りたくなりました...。