物置小屋

１人向け・看病系

ぶっきらぼうな彼(停電)

おはよう。...な、はずなのに真っ暗だな。
雨戸閉めてると、本当に時間感覚が狂いそうになる。
仕事？今日は流石に休み。おまえも少しは休んだ方がいいと思うぞ？
さて、スイッチは...ああ、あった。
明るくないとちょっと不安になるよな...何か出そうで。
冗談だよ、おまえを脅かそうとか思ってないからそんな顔するな...。
取り敢えず朝飯作るから待ってろ。
いいから座ってろ、昨日も遅くまでパソコンして疲れてるだろ？
もし遊びでやってたなら手伝えって言うけど、そうじゃないのは分かってるから。
目玉焼き、半熟がいい？分かった、ならそうする。

...よし、これでなんとかできた。
悪い、ちょっと遅くなって...恐れていた事態になったな。
ブレーカーが落ちたって訳でもなさそうだし...待て、迂闊に動くと怪我するぞ。
...これ使え。何って...ただのライトだよ。
蝋燭だと危ないし、だからといって暗いのは苦手だろう？
もうちょっとだけ上を向けてくれるか？
...それでいい。やっぱりブレーカーは落ちてないみたいだ。
一応コンセント抜いておくか。...ちょっとこっちこい。
これ、どこで怪我した？
さっき硝子で切ったって...危ないからうろちょろするなって言ったよな？
言われる前だったって、おまえな...それならそれで、怪我したならすぐ言え。
たしかこのあたりに救急箱があるはずで...やっぱりだ。
ゆっくりでいいから腰をおろせ。...家具の位置なら大体は分かる。
電池式ラジオなら電波がくるかもしれないが...その前におまえの手当てが先だな。
...痛むか？痛い、よな...よし、これでひとまずは大丈夫そうだ。
その足の傷、ざっくり切れてるからあんまり動かない方がいい。
...食べられそうか？
それじゃあライトで照らしながら、いただきます。
ラジオの電波がきてるみたいだし、案外なんとかなりそうだな。
ああ...やっぱり停電らしい。もうすぐ復旧するらしいけど、それまではこうして話してるしかないな。
そんなに不安がらなくても大丈夫だ。
食べてたらそのうちおさまるから...ほら、まずは一口。
そうだろ？意外と美味いから他のも食べてみろ。
俺はおまえほど料理上手じゃないけど、おまえが元気になるならまた作ってもいい。
...やっと笑った。俺はおまえの笑顔が好きなんだよ。
だから、その、大丈夫だ。
何があっても俺が護ってやる。...あ、電気点いたな。
言っておくけど、さっきのは嘘じゃないから。
ライト消して、早く食べよう。
外に出られなくても、一緒にいればきっと楽しい時間を過ごせるだろ。
...っ、いつまでにやにやしてる？ほら、早く食べないと片づけるぞ。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
何かが足りない、ごめんなさい...。
なんとなく綴っていたらこうなりました