物置小屋

黒蝶

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1人向け・慰め系

絶望の淵からすくいあげる(暗めです、ごめんなさい)

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お、おはよう...。まだ4時半なのに、もう起きるの?早いね。
俺は仕事を片づける為に早起きしたんだけど...何かあった?
いや、なんだかいつもより元気がないなって思って...。
昨日俺の帰りが遅かったから、全然話せなかったし...なんでもない?本当に?
分かった、聞かれたくないなら聞かないから。
話したくなったらでいいから話してね。

...彼女、涙の痕があった。絶対に何かあったはずなのに、どうすれば話してもらえるんだろう。
ん...?ごみ箱、こんなにいっぱい入ってたっけ?
これってすごく大切なものなんじゃ...!これは...。
...早く話さないと。

ねえ、ちょっと開けていい?
鍵がかかってる...ねえ、いるんでしょ?入るよ。
待って、何も言わなくていい。ただ...そこにかけてある足をおろして、死ぬのを諦めてくれないかな?
嫌?...何があったのか、大体想像はついたよ。
どうして教えてくれなかったの?心配をかけたくなかったからって...それで君が独りで追い詰められたら意味がないでしょ!
死ぬほど辛いことを、独りで我慢する必要なんかないんだよ。
どうして分かったのって...あんなに大切にしていたものを、自分で傷つけるはずがないから。
君は物を大切に使うタイプだから、直そうとしたんじゃない?
だけど、あれだけばらばらになっていれば流石に直せない。
...居場所なんかないって、自分なんか要らないって思っちゃった?
俺がずっと君の居場所でいるよ。
君がいなくなったら、俺は悲しい。
君がいない明日なんて考えられないんだ。
だから、もう少しだけでいいから...っ、危ない!間に合ってよかった...。
もし反対側に崩れ落ちていたら、俺は...。
ごめん、君の方が沢山辛い思いをしてきたのに、俺が泣いてちゃ駄目だよね。
だけど、これだけは覚えておいて。
...たとえ世界中を敵にまわしても、俺だけは絶対に君の味方でいるから。
だから、独りで抱えこまないでほしいんだ。
泣きたいときは、こうやって抱きしめてあげる。
辛いときは、話を聞いて一緒に考える。
何もかもが嫌になったときは、どこまでだって君を連れて逃げるよ。
俺にもできること、何かあるはずだから。
謝らなくていい。だけど、困ってることがあるときはちゃんと話して?
...うん、約束。
あ、あれ見て。綺麗な朝陽だね。...ふたりで見るから、いつもよりも綺麗に見えるのかな。
これから、そういう楽しいことを増やしていこう。
大丈夫、ふたり一緒ならきっとできるよ。
少しお腹空かない?俺も空いたから、何か作るよ。
ふたりで作りたいって...いいよ、それじゃあそうしよう。
そうと決めたらキッチンだ。さあ、一緒に行こう?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どうしようかなと迷いましたが、彼女は独りではなかった、という結末にしました。
理想です。羨ましいです。
私には居場所がないので...時々こういうふうになってしまいます、ごめんなさい。

因みにタイトルは、『掬いあげる』と『救いあげる』のふたつの意味を持たせました。
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