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1人向け・イベント系
たとえ、花火のように消えてしまっても。(理想の欠片です)
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ただいま。今日は花火大会みたいだね。
そういう格好してるってことは、やっぱり?ごめん、すっかり忘れてた...。
浴衣、似合ってると思う。その...可愛いと思うよ。
そんなに恥ずかしがられると、こっちまで照れちゃうよ...。
ちょっとだけ待っててね。
...おまたせ。流石に浴衣は恥ずかしいけど、スーツで行くのはどうかなって思って...。
それから、これ。あった方がいいんじゃないかなって思ったんだ。
...そう、カメラ。俺、撮るのあんまり上手くないかもしれないけど頑張って撮ってみるよ。
それじゃあ、行こうか。
...流石に人がいっぱいいるね。
はぐれないように手を繋ごうか。
暑そうだけど大丈夫?それならいいんだけど...そうだ、何か食べたいものはある?たこ焼きか...去年と同じだね。
ん?ああ、それいいねって言ったんだ。
今なら人も並んでないみたいだし...花火までには買えそうだよ。
あとは大判焼きでも買おうか。
ほら、もっとこっちおいで。さっき、人とぶつかりそうになってたよ。
これだけくっついているのを誰かに見られたら、恥ずかしい?...もう、本当に可愛いな。
大丈夫だよ、他の人たちも色んなものを見るのに夢中みたいだから。
なんとか買えたね...。ん?どうかした?え、風鈴?あ、あのお店か。いいね、どれか家に飾ろうか。
すみません、少し見ていってもいいですか?ありがとうございます。
どれがいい?君が直感でいいと思ったものにしよう。
この小さい花が描かれてるのが気に入った?
...すみません、これください。ありがとうございます。
汚しちゃうといけないから、俺の鞄の中に入れておくね。
もうすぐ花火がはじまるし、穴場を調べておいたからそこに行こう。
足、痛くない?それならよかった。ほら、こっちだよ。
はい、到着。
見晴らしはいいし、人はそんなにこないし...ここでならゆっくり花火を見られるんじゃないかな?
それに...こうやって写真も撮れるよ。
ちょっと待って、そのまま座ったら汚れちゃうから...はい、どうぞ。
ちょっと狭いけど、レジャーシートを持ってきておいて正解だった。
...あ、はじまったよ!
たこ焼き食べながら見ようか。
綺麗だね...花火。
ねえ、ちょっとだけ写真撮ってもいい?ありがとう。自然にしててくれればいいからね。
...よし、撮れたよ。
花火を見ている君を撮りたかったんだ。
え、俺も一緒に写るの?このカメラでは難しいとは思うけど、やってみようか。
...なんとか撮れたけど、やっぱり見切れちゃったね。
これはこれでいいと思うから、このまま保存しておくね。
さて、俺も食べようかな。
メモするの?...大丈夫、荷物は持ってるから。
ゆっくり書いていいからね。絶対に急かしたりしないから。
...花火、終わったね。
そろそろ帰ろうか。...どうしたの、いきなり袖を掴んで?
忘れたくない、か...大丈夫だよ。
何度だって、俺がちゃんとどんなことをしたかちゃんと伝えるから。
...不安なら、こうやって抱きしめてあげる。
上手く言えないけど、君が嫌になるまでこうしてるから...。
帰ってくるにも時間がかかっちゃったね。
そんなに謝らなくても大丈夫だよ、俺は楽しかったし...それに、人が多かったのが原因だから。
君も楽しかった?それならよかった。
着替えておいでよ、俺もそうするから。
それからまた夜ふかししよう?
...今年も日記に書いてるのかな。
あの様子、やっぱり去年のことは...。
三日が限界だって言ってたもんな。
俺が覚えていればいい。
君がいつもたこ焼きから食べたがることも、毎年違う浴衣を着てあの場所に花火を見に行くことも...全部。
そうすれば、何度君が忘れてもちゃんと伝えられるから。
...風鈴、飾っておいたら少しは長く覚えていられるのかな。
どうしようもないことだけど、やっぱり少し寂しいな。
着替え終わった?早かったね、もっと時間がかかるんだと思ってた...。
日記?ここで今から書くの?...駄目だなんて言わないよ。
今の気持ち、しっかり残しておいてね。
写真は現像したらすぐ渡すから。
それから...後でいいから、風鈴をどこに飾るか考えよう。
綺麗な音だよね。
...この音色みたいに、君の記憶が長く続いてくれるといいな。
ううん、なんでもない。取り敢えず、乾杯しようか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私は、覚えていられないから。
浴衣を着たわけではないとは思うのですが、数年前に誰かと出掛けたことがあるらしいのです。
...どんな話をしたのかも全く分かりません。
いつか私にも、こんな居場所ができるのでしょうか。
...できるといいな。
そういう格好してるってことは、やっぱり?ごめん、すっかり忘れてた...。
浴衣、似合ってると思う。その...可愛いと思うよ。
そんなに恥ずかしがられると、こっちまで照れちゃうよ...。
ちょっとだけ待っててね。
...おまたせ。流石に浴衣は恥ずかしいけど、スーツで行くのはどうかなって思って...。
それから、これ。あった方がいいんじゃないかなって思ったんだ。
...そう、カメラ。俺、撮るのあんまり上手くないかもしれないけど頑張って撮ってみるよ。
それじゃあ、行こうか。
...流石に人がいっぱいいるね。
はぐれないように手を繋ごうか。
暑そうだけど大丈夫?それならいいんだけど...そうだ、何か食べたいものはある?たこ焼きか...去年と同じだね。
ん?ああ、それいいねって言ったんだ。
今なら人も並んでないみたいだし...花火までには買えそうだよ。
あとは大判焼きでも買おうか。
ほら、もっとこっちおいで。さっき、人とぶつかりそうになってたよ。
これだけくっついているのを誰かに見られたら、恥ずかしい?...もう、本当に可愛いな。
大丈夫だよ、他の人たちも色んなものを見るのに夢中みたいだから。
なんとか買えたね...。ん?どうかした?え、風鈴?あ、あのお店か。いいね、どれか家に飾ろうか。
すみません、少し見ていってもいいですか?ありがとうございます。
どれがいい?君が直感でいいと思ったものにしよう。
この小さい花が描かれてるのが気に入った?
...すみません、これください。ありがとうございます。
汚しちゃうといけないから、俺の鞄の中に入れておくね。
もうすぐ花火がはじまるし、穴場を調べておいたからそこに行こう。
足、痛くない?それならよかった。ほら、こっちだよ。
はい、到着。
見晴らしはいいし、人はそんなにこないし...ここでならゆっくり花火を見られるんじゃないかな?
それに...こうやって写真も撮れるよ。
ちょっと待って、そのまま座ったら汚れちゃうから...はい、どうぞ。
ちょっと狭いけど、レジャーシートを持ってきておいて正解だった。
...あ、はじまったよ!
たこ焼き食べながら見ようか。
綺麗だね...花火。
ねえ、ちょっとだけ写真撮ってもいい?ありがとう。自然にしててくれればいいからね。
...よし、撮れたよ。
花火を見ている君を撮りたかったんだ。
え、俺も一緒に写るの?このカメラでは難しいとは思うけど、やってみようか。
...なんとか撮れたけど、やっぱり見切れちゃったね。
これはこれでいいと思うから、このまま保存しておくね。
さて、俺も食べようかな。
メモするの?...大丈夫、荷物は持ってるから。
ゆっくり書いていいからね。絶対に急かしたりしないから。
...花火、終わったね。
そろそろ帰ろうか。...どうしたの、いきなり袖を掴んで?
忘れたくない、か...大丈夫だよ。
何度だって、俺がちゃんとどんなことをしたかちゃんと伝えるから。
...不安なら、こうやって抱きしめてあげる。
上手く言えないけど、君が嫌になるまでこうしてるから...。
帰ってくるにも時間がかかっちゃったね。
そんなに謝らなくても大丈夫だよ、俺は楽しかったし...それに、人が多かったのが原因だから。
君も楽しかった?それならよかった。
着替えておいでよ、俺もそうするから。
それからまた夜ふかししよう?
...今年も日記に書いてるのかな。
あの様子、やっぱり去年のことは...。
三日が限界だって言ってたもんな。
俺が覚えていればいい。
君がいつもたこ焼きから食べたがることも、毎年違う浴衣を着てあの場所に花火を見に行くことも...全部。
そうすれば、何度君が忘れてもちゃんと伝えられるから。
...風鈴、飾っておいたら少しは長く覚えていられるのかな。
どうしようもないことだけど、やっぱり少し寂しいな。
着替え終わった?早かったね、もっと時間がかかるんだと思ってた...。
日記?ここで今から書くの?...駄目だなんて言わないよ。
今の気持ち、しっかり残しておいてね。
写真は現像したらすぐ渡すから。
それから...後でいいから、風鈴をどこに飾るか考えよう。
綺麗な音だよね。
...この音色みたいに、君の記憶が長く続いてくれるといいな。
ううん、なんでもない。取り敢えず、乾杯しようか。
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私は、覚えていられないから。
浴衣を着たわけではないとは思うのですが、数年前に誰かと出掛けたことがあるらしいのです。
...どんな話をしたのかも全く分かりません。
いつか私にも、こんな居場所ができるのでしょうか。
...できるといいな。
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