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1人向け・慰め系
これから先は、側にいる。(あるひとときの話)
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おはよう。今日もご飯作ってくれたの?僕は食べなくても平気なのに、どうしてか君が作ってくれたものなら食べたくなってしまう。
何かやりたいことはある?...え、そんなことでいいの?
それなら、これから一緒にきて。ここにいれば、今日の相手から姿は見えないはずだから。
僕がいいって言うまで、じっとしててね。
君は今、生死をさ迷っている。
できる選択はふたつ。
ひとつは生き返る。もうひとつは、僕と一緒にくる。
君はどうしたい?
僕がどうこう言える問題じゃないから、しっかり考えて答えを出してほしい。
...そうか。大半の人が君と同じ選択をする。
もういなくなろうとか、そんなふうには思わないこと。
ここまで一生懸命生きてきたことは知ってる。
だけど、自分から未来を捨てないでほしいんだ。...約束。
それじゃあ、いってらっしゃい。
...終わったから、もう出てきていいよ。
まさか僕の仕事を見たいって言うとは思わなかったよ。
ねえ、もしかして驚いてる?言ったでしょ、君が不思議な子なんだって。
大抵はああやってやっぱり生きたいって答えるものなんだよ。
...どうして笑ってるの?僕が優しいから?...本当におかしなことを言う。
結構残酷な選択をさせてると思うんだけど...忘れられると分かっているのに、生きてほしいって伝えたから?
...無意識だった。今まで、あんなこと言ったことなかったのに...。
それより、退屈じゃなかった?人がやっているのを遠くから見ているだけなんて、嫌じゃないのかなって...君が生きてるときから不思議だったんだ。
それに、僕の仕事なんてほとんど作業に近いものだし...余計につまらないんじゃないかなって。
人を見るのが好きだから...やっぱりよく分からない。
さっきの子もそうだったけど、人間って...怒って、哀しんで、憎んで...どうしようもなくなったときにあんなふうに自ら死を選択するんじゃないかと思うんだけど、君は人間が憎くないの?
羨ましいとは思うけど、やっぱり憎くはないのか...複雑、なんだね。
そういえばあのとき聞けなかったけど、どうして君はあの日あの場所から飛び降りたの?
生きている意味がなくなったから、か...。
僕は、もし君みたいな存在が側にいたら、毎日がきらきら輝きそうな気がするんだけど...ごめん、何か傷つけるようなこと言っちゃったかな?
だって、泣いてるから。ああ、だけどあのとき泣いていたのは嬉しかったからだったよね...今の涙は、どっち?
嬉しいからなんだ...分からないことだらけでごめん。
やっぱり退屈じゃない?楽しい?そっか、それならいいんだけど...今笑ってるのは、どうして?
僕が心配してるのが嬉しい?...こういうのを心配っていうの?
君といると、なんだか調子が狂う。
いつもは淡々と選択を見届けて終わりだったのに...向こうは忘れちゃうのに、あんな言葉をかけるなんてらしくない。
君の感情、やっぱり僕にうつってきてるみたいだ。
次は二日後、そのときは留守番しててくれれば...どうしたの?
寂しいから連れていってって...今日みたいなことが続くんだよ?それでもいいの...?
分かった、君の意思を尊重する。
寂しいって思ってたこと、気づけなくてごめん。もう独りにしないから。
それと、やりたいことは決まった?
買い食い...そんなことでいいの?それならすぐにでもできちゃいそうなんだけど...したことがないからしてみたい、ね。
分かった、つきあうって約束したのは僕だし、約束は守らないといけないものだから。
時間は沢山あるし、もっと欲張って色んなやりたいことを教えてくれるとありがたい。
それじゃあ、一緒に帰ろう。君を置いていったりしない。
...部屋、狭くない?生活に不自由があるなら言ってくれればなんでも揃えるけど...僕がいればいいって...本当に欲がないね。
大丈夫って、何が?僕の顔が赤い?
僕は体調を崩すことはないから大丈夫。
だけど、顔が赤くなってるのはどうしてなんだろう?なんだかざわざわするし...この感覚は、何?
本当に色々な意味で乱される。
なんでもない。それじゃあ今度、一緒に街に出てみよう。
僕は人間に化けられるし、買い物だってちゃんとできるから心配しなくて大丈夫だよ。
君は...そうだな、何か服は用意できると思うから、それを着てみてくれる?
どうしてって...人に見えないようにっていうのと、死んだ君でも物が触れるようにする為。
君が食べられないと、買い食いしたことにならないでしょ?
余程の緊急事態にならなければ休みだってあるし...そのときにでも、一緒に行こう。
それじゃあ、はい。こういうときにするものを、ゆびきりっていうんでしょ?
ほら、小指出して。...約束、絶対に守るから。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『これから先は、寂しくない。』の続きです。
天使が白で悪魔が黒なら、死神って無色だと思うんです。
これからふたりで色をつけていけばいい、そう思います。
実は机によく分からないメモ書きがありまして...それは自分の文字で書かれたつい最近のものらしく、続きを書きたいと舞いあがっていたようです。
元々前日譚を作るつもりではいましたが、先に続篇を綴ってみることにしました。
やたら入れる要素について細かく書かれていたけれど、何を参考にしたんだろうか...。
何かやりたいことはある?...え、そんなことでいいの?
それなら、これから一緒にきて。ここにいれば、今日の相手から姿は見えないはずだから。
僕がいいって言うまで、じっとしててね。
君は今、生死をさ迷っている。
できる選択はふたつ。
ひとつは生き返る。もうひとつは、僕と一緒にくる。
君はどうしたい?
僕がどうこう言える問題じゃないから、しっかり考えて答えを出してほしい。
...そうか。大半の人が君と同じ選択をする。
もういなくなろうとか、そんなふうには思わないこと。
ここまで一生懸命生きてきたことは知ってる。
だけど、自分から未来を捨てないでほしいんだ。...約束。
それじゃあ、いってらっしゃい。
...終わったから、もう出てきていいよ。
まさか僕の仕事を見たいって言うとは思わなかったよ。
ねえ、もしかして驚いてる?言ったでしょ、君が不思議な子なんだって。
大抵はああやってやっぱり生きたいって答えるものなんだよ。
...どうして笑ってるの?僕が優しいから?...本当におかしなことを言う。
結構残酷な選択をさせてると思うんだけど...忘れられると分かっているのに、生きてほしいって伝えたから?
...無意識だった。今まで、あんなこと言ったことなかったのに...。
それより、退屈じゃなかった?人がやっているのを遠くから見ているだけなんて、嫌じゃないのかなって...君が生きてるときから不思議だったんだ。
それに、僕の仕事なんてほとんど作業に近いものだし...余計につまらないんじゃないかなって。
人を見るのが好きだから...やっぱりよく分からない。
さっきの子もそうだったけど、人間って...怒って、哀しんで、憎んで...どうしようもなくなったときにあんなふうに自ら死を選択するんじゃないかと思うんだけど、君は人間が憎くないの?
羨ましいとは思うけど、やっぱり憎くはないのか...複雑、なんだね。
そういえばあのとき聞けなかったけど、どうして君はあの日あの場所から飛び降りたの?
生きている意味がなくなったから、か...。
僕は、もし君みたいな存在が側にいたら、毎日がきらきら輝きそうな気がするんだけど...ごめん、何か傷つけるようなこと言っちゃったかな?
だって、泣いてるから。ああ、だけどあのとき泣いていたのは嬉しかったからだったよね...今の涙は、どっち?
嬉しいからなんだ...分からないことだらけでごめん。
やっぱり退屈じゃない?楽しい?そっか、それならいいんだけど...今笑ってるのは、どうして?
僕が心配してるのが嬉しい?...こういうのを心配っていうの?
君といると、なんだか調子が狂う。
いつもは淡々と選択を見届けて終わりだったのに...向こうは忘れちゃうのに、あんな言葉をかけるなんてらしくない。
君の感情、やっぱり僕にうつってきてるみたいだ。
次は二日後、そのときは留守番しててくれれば...どうしたの?
寂しいから連れていってって...今日みたいなことが続くんだよ?それでもいいの...?
分かった、君の意思を尊重する。
寂しいって思ってたこと、気づけなくてごめん。もう独りにしないから。
それと、やりたいことは決まった?
買い食い...そんなことでいいの?それならすぐにでもできちゃいそうなんだけど...したことがないからしてみたい、ね。
分かった、つきあうって約束したのは僕だし、約束は守らないといけないものだから。
時間は沢山あるし、もっと欲張って色んなやりたいことを教えてくれるとありがたい。
それじゃあ、一緒に帰ろう。君を置いていったりしない。
...部屋、狭くない?生活に不自由があるなら言ってくれればなんでも揃えるけど...僕がいればいいって...本当に欲がないね。
大丈夫って、何が?僕の顔が赤い?
僕は体調を崩すことはないから大丈夫。
だけど、顔が赤くなってるのはどうしてなんだろう?なんだかざわざわするし...この感覚は、何?
本当に色々な意味で乱される。
なんでもない。それじゃあ今度、一緒に街に出てみよう。
僕は人間に化けられるし、買い物だってちゃんとできるから心配しなくて大丈夫だよ。
君は...そうだな、何か服は用意できると思うから、それを着てみてくれる?
どうしてって...人に見えないようにっていうのと、死んだ君でも物が触れるようにする為。
君が食べられないと、買い食いしたことにならないでしょ?
余程の緊急事態にならなければ休みだってあるし...そのときにでも、一緒に行こう。
それじゃあ、はい。こういうときにするものを、ゆびきりっていうんでしょ?
ほら、小指出して。...約束、絶対に守るから。
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『これから先は、寂しくない。』の続きです。
天使が白で悪魔が黒なら、死神って無色だと思うんです。
これからふたりで色をつけていけばいい、そう思います。
実は机によく分からないメモ書きがありまして...それは自分の文字で書かれたつい最近のものらしく、続きを書きたいと舞いあがっていたようです。
元々前日譚を作るつもりではいましたが、先に続篇を綴ってみることにしました。
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