物置小屋

黒蝶

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1人向け・other

たったひとつ、欲しかったもの。(童話モチーフ)

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いつもお願いを聞いてくれてありがとう。
ところで、どうしてそんなに泣いているの?
何か悲しいことがあったの...?僕が持っている宝石をあげるから、元気を出して。
それで君を笑顔にできるなら、僕はそれでいいんだ。
その代わり、他にも困っている人がいたら...これからもその人たちに僕のものを分けてあげてほしいんだ。
みんなが幸せなら、僕はそれでいい。
もらえない、要らないって...もしかして、こういうものじゃ嫌だった?
それなら、金の塊なら喜んでくれる?
何も要らない...そっか、役にたてなくてごめんね。
そうじゃないって、どういうこと?
僕が側にいればそれでいいって、君は本当に優しいんだね。
君だけは、いつも本当の僕のことを見てくれているような気がする。
君といるとき、心がすごく温かくなるんだ。それはきっと、君の綺麗な心が近くで感じられるからだね。
どうしたの、急に黙っちゃって...好きって、僕のことが...?
その好きって、どの好き?友だちとしてなのか、それとも...待って。
やっぱり僕から言わせて。
僕はこのとおり、できることなんて持っているものを人に配ることだけで...働いてはいるけれど、僕が大切にしているものを狙う人は多くて...お金や高価なものがほしくて近づいてくる人ばかりの毎日に嫌気がさしてた。
だけど、そんななか僕のことを真っ直ぐ見てくれる君に恋をしていたんだ。
本当はずっと前から好きだったんだ。
だからあの日、匿名で色んな人に宝石や金銀を渡してきてほしいってお願いしたんだ。
そうすればきっと、君と一緒にいられる時間が増えるんじゃないかって思ってたから。
不器用で、困らせることも多いと思うけど...これからも一緒にいてくれると嬉しいです。
感情が欠けている僕が幸せにできるわけないって、望んじゃいけないって思ってた。だけど、やっぱり君とは離れたくないって思ったんだ。
だから、その...僕と付き合ってください。
本当に?ありがとう。それじゃあ、これからもよろしくお願いします。
僕の全てを賭けて、君を愛し続けるから...これからも側にいさせてね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
告白系にしました。
『幸福の王子様』をモチーフに創ってみました。
本当は王子様に頼まれて色んなものを配っていた燕という存在がいて、けれどその燕は自分の目の宝石でさえも差し出した優しい立派な像の王子様の元で最期に口づけて死に、そのときに心臓の石が割れた王子様は見た目がみずぼらしくなったからと自分が救ったはずの街の人間たちによって燃やされてしまう...という、なんとも救いようがない物語なのです。
...だからせめて、王子と燕が幸せになれる話を書いてみたかったのです。
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