物置小屋

１人向け・看病系

優しい本音(無理していた恋人)

ちょっと待ってて...はい、もう入っていいよ。
おかえり。お疲れ様。ごめん、さっきは着替えてて...。
大丈夫...じゃなさそうだね。結構熱あるんじゃない？
ああ、天気のせいもあるのか。いつもの頭痛？今日一日、ずっと我慢してたでしょ？
...駄目だよ、そういうときは我慢しちゃ。頑張り屋さんなところを発揮するのと無理をするのは違うことだと俺は思うよ。
ちょっと額触るね。...やっぱり熱がある。
取り敢えず横になってて。色々持ってくるから。

お待たせ...ってもう寝ちゃってる。息苦しそうだけど、こういうときにできることって限られるんだよな...。
ごめん、起こした？夕飯は食べた？何も食べてない...それだと胃が荒れちゃいそうだね。
何か食べられそう？それなら林檎とか持ってこようか。
すりつぶしたやつなら食べやすいよね？俺に迷惑かけてるとか、そんなこと考えてるんだろうけど...全然迷惑じゃないから。
心配ではあるけど、こうやって君の看病ができるのは嬉しいから。
テレビ、音小さくするね。
はい、口開けて？...そんなに恥ずかしがらなくても大丈夫だよ。誰かに見られてるわけでもないし。
...俺だって照れてるけど、恥ずかしさよりも看病優先。
蜂蜜も入れてみたんだけど、どう？食べられそう？...それならよかった。
体を少し動かすだけでも辛いんでしょ...？食べられるだけ食べてくれればいいから。
...もういい？じゃあ次は薬飲もう。口を開けるのでさえしんどそうだけど、もう少しだけ開けられる？...はい、お水。
なんとか飲めたね。...ん？どうかした？そんなに泣きそうな顔して...。
いなくならないでって、俺はどこにも行かないよ。
君が眠るまでちゃんと看てるから。よしよし、泣かなくてもここにいるから何も心配しなくていいんだよ。
眠れそう？もしいつもみたいに怖い夢を見たら、殴ってでも起こして。
どうしてそこまでするのって...内緒。
ほら、目閉じて。...おやすみ。

ちゃんと眠れてるみたいだ。魘されてもないみたいだし、本当によかった。
さっきの話だけど、そこまでとかじゃなくて...俺は君の為ならきっと何だってするよ。
君だから、なんだってしたくなる。
早く元気になれるように、俺に手伝えることは全部やるから。
...なんて、君が起きてたら絶対に言えないんだけどね。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
林檎をすりつぶしたやつ、よく食べてたな...なんて思いながら紡ぎました。