物置小屋

１人向け・慰め系

君が俺を忘れても...(記憶障害の恋人へ)

今日は楽しかったね。
沢山楽しいことができたし...。
どうしたの？もしかして、泣いてる...？
明日のことを考えると辛くなっちゃった？
よしよし、大丈夫だよ。
たとえ君がどれだけ忘れても、俺が忘れないから心配しなくていいんだよ。
俺だって、昨日の俺と今日の俺は違う。
...昨日より今日の方が成長した俺になってるって信じたい。
君のとは全然違うけど、きっと他の人たちだって昨日の自分と今日の自分は違うって思ってるんじゃないかな...？
それに...今日が楽しかったから忘れちゃいそうで不安になってるんだよね？
不謹慎だと思うけど、それならそれで俺は嬉しいな。
今日のデートを忘れちゃうくらい楽しんでくれたってことだから。
それなら、俺はこんなに嬉しいことはないなって思うよ。
思い出を共有できないのは寂しいなって思うことはあるけど...それでも、君と一緒にいたいんだ。
辛いことも悲しいことも、君と二人で乗り越えていきたい。
たとえ君が今日のことを全て忘れてしまったとしても、何があったか俺が教えてあげる。
今日眠るのが不安なら、君が安心して眠れるまでずっと起きてるよ。
夜ふかしして、未来の話をしようか。
たとえば、明日は何を食べようかとか、どんなことをしようかとか...近い未来の話でいいんだ。
ん？お願いって？夜、抱きしめてほしい？いいよ。ずっと抱きしめてあげる。
...夜が楽しみになった？それならよかった。
今夜は何を作ろうか？...夕飯、一緒に過ごせるときくらいは二人で作ろうよ。嫌？本当？ありがとう。
君のご飯、大好きなんだ。帰りに材料買って帰ろうか。
日記、書くの？いいよ、待ってるからゆっくりで。
こうやって思い出が沢山残っていくのって、いいよね。
...え、終わった？早かったね。それじゃあ行こうか。


よし、ひとまず休憩しよう。
やっぱりスーパーは混むね。あと、一つ考えたんだけど...交換日記をするのはどうかな？
子どもらしいって笑われるかもしれないけど、君との時間を大切にしたいんだ。
ただ単に、俺が君のことをもっと知りたいっていうのもあるけど...。
そう言ってくれると思って、ノート買ってたんだ。
俺から書いた方がいい？今から君が書く？...分かった、食材の準備だけしておくから、書き終わったらおいで。

...ふう。ノートありがとう。君が見てないところで読むね。
目の前で読まれるの、恥ずかしいんでしょ？
読むのは明日にして、そろそろ布団に入ろうか。
大丈夫。君が眠るまでぎゅって抱きしめてるから。
ありがとうって...俺は恋人としてできることをしているだけだよ？
君らしいな、とは思うけど。
さて。少しだけ明日の話をしよう。
どんなことがあるのか、楽しみだね。

...眠った、かな？君の不安を全て拭いされたらいいのに。
大丈夫。俺が覚えてるから...だから、俺のことを忘れないで。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
どんどん記憶が消えていくのは、やはり怖いとしか言えません。
今日の私が持っている嬉しいことや楽しいことは、明日の私にとって日記に残された記録としてしか残らない...。
いつかきっと、日記だけでは追いつけなくなる日がくると思います。
もし、それでも受け入れてくれる人が側にいたら。
そんな理想の欠片です。