物置小屋

黒蝶

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未知なる世界へ彼岸花とともに。(分類不能・絶闇)

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ごめんください。
まだこんな時間だし、寝てるってことはないはずなんだけど...これ使って入っちゃおうかな。
お邪魔します...って、真っ暗?家にいるからって言ってたのに、本当にいないのかな。
...!ちょっと待って。お願い、待って!
どうしてそんなところに立ってるの?危ないよ?
少し風がふいたら転落しちゃう...掴まえた。
ダメだよ、離さない。
君がここから飛び降りるのを諦めないなら、僕も一緒にいくよ。
どうしてって...君がいなくなったら、僕がいる意味なんてないから。
僕、今日も失敗しちゃったんだ。
でも、どこをどう間違えたのか、どうして怒られたのか分からない。
...ほんとダメだよね、僕。
君がいてくれるから、明日も頑張りたいって思える。
どれだけ罵倒されても耐えられる。...君が僕を肯定してくれるから、僕でいいって言ってくれたから今がある。
だけど、君の苦しみに気づけなかったのなら...君が生きたいと思えないなら、これ以上僕がいる意味なんてない。
僕は君の側にいたい。だから...君が飛ぶときは僕も一緒だよ。
一人じゃなければ寂しくないでしょ?
自分の身を護る為の行為だと思えば、僕は全然辛くないんだ。
君はどうしてこんなことしようとしてるの?
...全部嫌になっちゃったんだね。
やめる気は...ない、か。
よし、それならやっぱり一緒にいこうか。
僕までくることはないって?言ったでしょ、君がいない世界にいたって無意味だから。
君がいくところならどこまでだってついていくよ。
...生きづらかったね。君は一生懸命やったのに、どうして世界が見ているのはいつも天才と権力者とお金持ちばかりなんだろうね。
最期に一つだけお願いしてもいい?
...キスさせて。本当?それじゃあ...。
こんな僕と生きてくれてありがとう。
君がいたから生きられた。
孤独じゃなかった。
僕といて、幸せだった?それならよかった。僕も勿論幸せだったよ。
...これからも幸せにするつもりだけど。
ねえ、これから二人一緒にいくならどこがいい?
海?いいね、どこへいってももう怒られないんだから、考えておけてよかった。
それじゃあこれから、二人だけの世界にいこう。
止めないのって...覚悟を決めてるの、分かったから。
だったらせめて、二人で一緒にいこう?
ちょっとだけ待っててね、君の隣に立つから。
手、繋いだままがいい?...分かった。
それじゃあまた後で。
...二人だけの世界で、できなかったこと沢山しようね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
彼岸花の花言葉の中に、『全てへの諦め』というものがあります。
今回はそこを切り取りました。
ラストまで暗めですみません。疲れてるのかな...。

仕事に疲れたブラック企業にいると気づいていない、全ての物事に疲れて生きる気力がなくなった...このあと二人がどうなったのかは、二人のみぞ知るということにしておいてください...今は。
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