物置小屋

黒蝶

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物語の欠片

『童話売りの魔女』本篇第1話候補

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「え...」
藍田彩葉あいだいろはは謎めいた世界にきていた。
「ここは...」
目の前では、男の子が遊んでいる。
 (あの子、知ってる気がする...)
すると、途端に頭痛がして...
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「...田、藍田!」
「っ!」
数列が恐ろしいほど並んだ黒板を見て、一気に現実に引き戻される。
「寝てる余裕があるなら、この問題できるよなあ?」
嫌味な数学教師に言われ、ふらふらと黒板まで進む。
「...できました」
「せ、正解だ」
私は数学が好きだ。
今の先生は苦手だけど、数学は昔からずっと好きだった。
「バイトのせいで眠い?」
隣の席の子に言われて、小さく首を横にふった。
最近よく眠れない。
小さな違和感が、ずっと胸の中にある。
(またさっきの夢...何だったんだろう?)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
授業を終えて向かったのは、バイト先の小さな花屋だ。
私の家はとても裕福とは言えない。
だからこうして、毎日こつこつ働いている。
いつもならのだが、今日は授業が午前中だったのだ。
「彩葉ちゃん、こんにちは」
「店長...」
「顔色が悪いけど大丈夫?学校で何かあった?」
「...いえ」
私は先程も言ったように裕福ではなく、今は一人暮らし...そのうえ生まれつき体が弱かった為、通信制高校に通っている。
単位はほとんど取っているので最近は午後からの授業が多かったのだが、今回は偶然午前に授業があったのだった。
「今日は早めにあがってくれていいからね」
「ありがとうございます...」
働くのは大変だけれど、学校生活もそれなりに満喫し、バイトも店長がとても気のいい人なので本当に毎日が楽しい。
少しの時間だけ働いて、その日は月が昇る頃にはもう帰路についていた。
「...っ!」
(また頭痛が...!)
ふらふらする、前がよく見えない...。
「ーー丈夫?あの...」
誰かの声がしたところで、私の意識はぷっつりと途切れた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
かなり前に書いたものをリメイクしている最中です。
色々な童話をモチーフにしていますが、一話目は最初だけでは全く分からないと思います。
最後まで読んでもきっと、『それアリ!?』というような内容です。
二話目以降は大丈夫かな、とは思いますが相変わらず連載するかは考え中です。
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