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秋久ルート
第40話
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いつもよりずっと静かな部屋の中で、私は秋久さんをじっと見つめる。
「…定食屋での事件、覚えてるか?」
「はい」
「あのとき襲ったあの男の背後に、ちょっとどころじゃないくらい強い組織がついてたらしい。ホーソーンを騙して俺たちの家を襲わせたのもそいつだ。
カリナにも手を借りてしばらく動向を探ってはいるが、いまひとつ情報が出てこない。…先日捕まえた下っ端の端末に月見の顔写真が残っていた」
そこまで話を聞いたら分かる。
つまり、その人たちはずっと私を…そう思うと少し震えた。
やっぱり怖いというのもあるけれど、それよりも私のせいで危ないことに秋久さんたちを巻きこんでしまっていたことの方が怖い。
「ごめんなさい、私…」
「月見が謝ることじゃない。ただ、俺はおまえを護りたいと思った。その気持ちに嘘はない」
秋久さんが丁寧に話してくれて、なんとなく事情は分かった。
ただ、それでもいくつかの疑問は残る。
「私を狙っているなら、どうして住んでいる場所が分かったんでしょうか?
たしかにあの人たちは秋久さんがいたことを知らなかったみたいでしたけど、少し不思議です」
「そうだな。今の段階ではっきり絶対こうだと言い切れるものがあるわけじゃない。
だが、俺と一緒にいるところを確認した奴がいればそいつが伝えた可能性がある」
「それなら、秋久さんも一緒に狙われたことになります」
秋久さんがいない間を狙うなら、夜じゃなくて朝やお昼に来ればいい。
情報が上手く伝わっていなかったせいかもしれないけれど、ちゃんと私を狙いたいならそれを伝えないと弱点になってしまう気がする。
「そうかもしれないな。仕事柄、俺はよく悪い奴らに命を狙われる。カルテットの中でも1番狙われ慣れてるかもしれないな」
「そんな…」
必死に自分の正義を貫いて、悪い人たちを見極めて捕まえる。
それが憎まれることになるなんて、私は考えたこともなかった。
「平気か?だいぶ怖い話をしたと思うが…」
「大丈夫です。まだ整理しきれていない部分もありますが、多分…」
「変に心配させないうちに解決できればよかったんだがな…本当にすまない」
秋久さんが悪いわけじゃない。
ただ、狙ってくる人たちの目的が分からないところは怖いと感じている。
それでも、知らない方がよかったとは思えなかった。
「いえ。私も心配したいので…話してくれてありがとうございます」
「心配したい、か。やっぱり月見はすごいな」
頭を撫でながら向けられる秋久さんの笑みは疲れているような気がする。
命を狙われると自覚していたら、やっぱり気を張ってしまうのかもしれない。
「…定食屋での事件、覚えてるか?」
「はい」
「あのとき襲ったあの男の背後に、ちょっとどころじゃないくらい強い組織がついてたらしい。ホーソーンを騙して俺たちの家を襲わせたのもそいつだ。
カリナにも手を借りてしばらく動向を探ってはいるが、いまひとつ情報が出てこない。…先日捕まえた下っ端の端末に月見の顔写真が残っていた」
そこまで話を聞いたら分かる。
つまり、その人たちはずっと私を…そう思うと少し震えた。
やっぱり怖いというのもあるけれど、それよりも私のせいで危ないことに秋久さんたちを巻きこんでしまっていたことの方が怖い。
「ごめんなさい、私…」
「月見が謝ることじゃない。ただ、俺はおまえを護りたいと思った。その気持ちに嘘はない」
秋久さんが丁寧に話してくれて、なんとなく事情は分かった。
ただ、それでもいくつかの疑問は残る。
「私を狙っているなら、どうして住んでいる場所が分かったんでしょうか?
たしかにあの人たちは秋久さんがいたことを知らなかったみたいでしたけど、少し不思議です」
「そうだな。今の段階ではっきり絶対こうだと言い切れるものがあるわけじゃない。
だが、俺と一緒にいるところを確認した奴がいればそいつが伝えた可能性がある」
「それなら、秋久さんも一緒に狙われたことになります」
秋久さんがいない間を狙うなら、夜じゃなくて朝やお昼に来ればいい。
情報が上手く伝わっていなかったせいかもしれないけれど、ちゃんと私を狙いたいならそれを伝えないと弱点になってしまう気がする。
「そうかもしれないな。仕事柄、俺はよく悪い奴らに命を狙われる。カルテットの中でも1番狙われ慣れてるかもしれないな」
「そんな…」
必死に自分の正義を貫いて、悪い人たちを見極めて捕まえる。
それが憎まれることになるなんて、私は考えたこともなかった。
「平気か?だいぶ怖い話をしたと思うが…」
「大丈夫です。まだ整理しきれていない部分もありますが、多分…」
「変に心配させないうちに解決できればよかったんだがな…本当にすまない」
秋久さんが悪いわけじゃない。
ただ、狙ってくる人たちの目的が分からないところは怖いと感じている。
それでも、知らない方がよかったとは思えなかった。
「いえ。私も心配したいので…話してくれてありがとうございます」
「心配したい、か。やっぱり月見はすごいな」
頭を撫でながら向けられる秋久さんの笑みは疲れているような気がする。
命を狙われると自覚していたら、やっぱり気を張ってしまうのかもしれない。
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