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冬真ルート
第26話
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翌朝、一緒に朝ご飯を食べていると玄関から音がした。
「お邪魔します」
「雪乃?こんな時間からどうしたの?」
「少し、情報提供しておきたいって思ったから来た」
雪乃の言葉に緊張しながら顔をあげると、真剣な表情で冬真がこちらを見ている。
一旦部屋に戻った方がいいか考えていたけれど、そのまま雪乃の話がはじまった。
「この前から通称ラムネ屋を追っていると聞いた」
「一応そういうことになると思う」
「…ブーケという組織は知ってる?」
「それが情報?」
「最近カルテットについて調べてるみたい。警戒しておくに越したことはないと思う」
「…そう」
冬真の目はいつも以上に深刻な色をしている気がして、じっと見ているだけでやられてしまいそうだった。
なんとなく大変なことになっているのは聞かなくても分かる。
「朝から邪魔してごめんなさい。それだけ伝えておきたかったから」
雪乃はそう話すと、そのまま外へ行ってしまった。
「あ、あの…私にできることはありますか?」
「この家で大人しくしてること。ひとりで外に出たら、今度こそ無事じゃすまないかもしれない」
「お手伝いは、できませんか?」
「それは、蕀の力を使ってってこと?」
私がゆっくり頷いたのを見て、冬真は小さく息を吸う。
そのまま答えを待っていると、複雑そうな表情を向けられた。
「その力について、僕は他の人に話すつもりはない。それは、もしばれてしまったら君がどうなるか分からないからだよ。
できればあまりこっち側に関わらない方がいいだろうし、巻きこまれたくないならそのままでいて」
どうしてそんな言い方をされたのか分からない。
ただひとつ理解できたのは、冬真は何か心に抱えているものがあるということだけだ。
それはきっと簡単に話せることではなくて、もしかすると秋久さんたちも知らないかもしれないことだと思う。
「それじゃあ、困ったときは一緒に手伝わせてください」
「…考えておく」
その言葉を最後に、ふたりの食事の時間は続いていく。
スノウがふらふら飛んできたけれど、いつもより大人しく少し離れた場所にとまっていた。
「…今日も料理でも作る?」
「よ、よろしくお願いします」
「今から食べるならお菓子がいいかな。何か食べてみたいものは…」
そこまで話したところで、玄関から知らない人が現れる。
驚いて固まっていると、冬真は大きなため息を吐いた。
「…柳教授」
「雪城、今日こそはおまえに、」
「お断りします。悪いけど、よく知らない人と話すより大事にしたいことがあるので。どうやってここを突き止めたか知らないけど帰ってください」
「そう言わずに…。助教になってほしいという話、悪くはないだろう?」
全く意味が分からないけれど、ひとつだけ理解できたことがある。
…冬真がとても嫌がっているということだ。
「お邪魔します」
「雪乃?こんな時間からどうしたの?」
「少し、情報提供しておきたいって思ったから来た」
雪乃の言葉に緊張しながら顔をあげると、真剣な表情で冬真がこちらを見ている。
一旦部屋に戻った方がいいか考えていたけれど、そのまま雪乃の話がはじまった。
「この前から通称ラムネ屋を追っていると聞いた」
「一応そういうことになると思う」
「…ブーケという組織は知ってる?」
「それが情報?」
「最近カルテットについて調べてるみたい。警戒しておくに越したことはないと思う」
「…そう」
冬真の目はいつも以上に深刻な色をしている気がして、じっと見ているだけでやられてしまいそうだった。
なんとなく大変なことになっているのは聞かなくても分かる。
「朝から邪魔してごめんなさい。それだけ伝えておきたかったから」
雪乃はそう話すと、そのまま外へ行ってしまった。
「あ、あの…私にできることはありますか?」
「この家で大人しくしてること。ひとりで外に出たら、今度こそ無事じゃすまないかもしれない」
「お手伝いは、できませんか?」
「それは、蕀の力を使ってってこと?」
私がゆっくり頷いたのを見て、冬真は小さく息を吸う。
そのまま答えを待っていると、複雑そうな表情を向けられた。
「その力について、僕は他の人に話すつもりはない。それは、もしばれてしまったら君がどうなるか分からないからだよ。
できればあまりこっち側に関わらない方がいいだろうし、巻きこまれたくないならそのままでいて」
どうしてそんな言い方をされたのか分からない。
ただひとつ理解できたのは、冬真は何か心に抱えているものがあるということだけだ。
それはきっと簡単に話せることではなくて、もしかすると秋久さんたちも知らないかもしれないことだと思う。
「それじゃあ、困ったときは一緒に手伝わせてください」
「…考えておく」
その言葉を最後に、ふたりの食事の時間は続いていく。
スノウがふらふら飛んできたけれど、いつもより大人しく少し離れた場所にとまっていた。
「…今日も料理でも作る?」
「よ、よろしくお願いします」
「今から食べるならお菓子がいいかな。何か食べてみたいものは…」
そこまで話したところで、玄関から知らない人が現れる。
驚いて固まっていると、冬真は大きなため息を吐いた。
「…柳教授」
「雪城、今日こそはおまえに、」
「お断りします。悪いけど、よく知らない人と話すより大事にしたいことがあるので。どうやってここを突き止めたか知らないけど帰ってください」
「そう言わずに…。助教になってほしいという話、悪くはないだろう?」
全く意味が分からないけれど、ひとつだけ理解できたことがある。
…冬真がとても嫌がっているということだ。
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