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Until the day when I get married.-Light of a new request-
番外編『The story spun with you』ーSelect2,Alpine flower zone-(前篇)
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物語は花畑からはじまります。
その花畑では、赤ずきんと呼ばれる女の子がおばあさんの為にと花を摘んでいました。
そこに、狼がやってきました。
「寄り道してはいけない。ここには危ない大人がやってくるんだ」
狼はそう言って立ち去ってしまいました。
ー*ー
さっきの狼さんはもしかすると...そんなことを考えていると、猟銃を持った人が現れた。
「こんにちは、赤ずきん」
(『赤ずきん』...?私のことでしょうか?)
「こ、こんにちは」
「このあたりは悪い狼が出る。気をつけなさい」
「はい...」
「ところで...君は何をしているんだい?」
「『おばあさんの所にお見舞いに行くの。だから、お花を摘んでいるの!』」
...口が止まらない。
何がどうなっているのか、全く分からない。
「そうか、狼には気をつけるんだよ」
「はい」
猟師は狼に気をつけろと言う。
狼さんは寄り道してはいけない、危ない目に遭うと言う。
(親切な狼さんだと思うのですが...)
今はどちらの言うことを信じればいいのか分からない。
恐らく赤ずきんだ。
だが、普通はここで会うのは狼のはずだ。
猟師がくるはずはない。
しかし、この場所自体何処か分からないのに、迂闊にどちらかを信じるのは危険な気もする。
(取り敢えずカムイを探さないとです...)
恐らくカムイは...
ー**ー
俺は訳も分からずメルに猟師に気をつけろという意味の忠告をしたあと、あるものを追いかけていた。
「待って!」
数歩先の場所で、その陰はぴたりと止まる。
俺の目の前には、小さな子供がいた。
「ここがどこか教えてくれないかな?」
「...」
その子は黙ったままだ。
「ねえ、」
「...おまえは狼」
言われてみれば、なんだか体がふさふさのもので覆われている。
...といっても、もこもこのマフラーがついているだけだが。
「狼?どういうこと?」
「おまえはみんなの害悪なんだ」
「害悪...?」
その子どもは俺の方を振り向く。
その子は、幼い頃の俺そっくりの容姿をしていた。
「おまえが側にいると、みんなが不幸になるんだ。だから、猟師に撃たれてしまう。『狼は悪』なんて身勝手に思いこんだ人間に、狼のおまえは殺されるんだ。誰も守れず、誰からも愛されることなく、その思いも伝わらずにね。...俺が助けられなかったように、おまえもそうなる」
そう言って少年は闇に溶けるように消えていった。
(『みんなが不幸になる』...か)
確かに間違ってはいない。
俺は誰も守れない。
何もできない。
様々なことが頭を駆け巡り、俺の足は森の奥へと進んでいた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そこには、小さな家がありました。
そう、赤ずきんのおばあさんの家です。
しかし、そこに先回りをしたものがおばあさんを襲いました。
そんなこととは露知らず、赤ずきんはおばあさんの家へ小走りで向かいます。
大切な人を見つける為に。
愛する人の所へ還る為に。
その花畑では、赤ずきんと呼ばれる女の子がおばあさんの為にと花を摘んでいました。
そこに、狼がやってきました。
「寄り道してはいけない。ここには危ない大人がやってくるんだ」
狼はそう言って立ち去ってしまいました。
ー*ー
さっきの狼さんはもしかすると...そんなことを考えていると、猟銃を持った人が現れた。
「こんにちは、赤ずきん」
(『赤ずきん』...?私のことでしょうか?)
「こ、こんにちは」
「このあたりは悪い狼が出る。気をつけなさい」
「はい...」
「ところで...君は何をしているんだい?」
「『おばあさんの所にお見舞いに行くの。だから、お花を摘んでいるの!』」
...口が止まらない。
何がどうなっているのか、全く分からない。
「そうか、狼には気をつけるんだよ」
「はい」
猟師は狼に気をつけろと言う。
狼さんは寄り道してはいけない、危ない目に遭うと言う。
(親切な狼さんだと思うのですが...)
今はどちらの言うことを信じればいいのか分からない。
恐らく赤ずきんだ。
だが、普通はここで会うのは狼のはずだ。
猟師がくるはずはない。
しかし、この場所自体何処か分からないのに、迂闊にどちらかを信じるのは危険な気もする。
(取り敢えずカムイを探さないとです...)
恐らくカムイは...
ー**ー
俺は訳も分からずメルに猟師に気をつけろという意味の忠告をしたあと、あるものを追いかけていた。
「待って!」
数歩先の場所で、その陰はぴたりと止まる。
俺の目の前には、小さな子供がいた。
「ここがどこか教えてくれないかな?」
「...」
その子は黙ったままだ。
「ねえ、」
「...おまえは狼」
言われてみれば、なんだか体がふさふさのもので覆われている。
...といっても、もこもこのマフラーがついているだけだが。
「狼?どういうこと?」
「おまえはみんなの害悪なんだ」
「害悪...?」
その子どもは俺の方を振り向く。
その子は、幼い頃の俺そっくりの容姿をしていた。
「おまえが側にいると、みんなが不幸になるんだ。だから、猟師に撃たれてしまう。『狼は悪』なんて身勝手に思いこんだ人間に、狼のおまえは殺されるんだ。誰も守れず、誰からも愛されることなく、その思いも伝わらずにね。...俺が助けられなかったように、おまえもそうなる」
そう言って少年は闇に溶けるように消えていった。
(『みんなが不幸になる』...か)
確かに間違ってはいない。
俺は誰も守れない。
何もできない。
様々なことが頭を駆け巡り、俺の足は森の奥へと進んでいた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そこには、小さな家がありました。
そう、赤ずきんのおばあさんの家です。
しかし、そこに先回りをしたものがおばあさんを襲いました。
そんなこととは露知らず、赤ずきんはおばあさんの家へ小走りで向かいます。
大切な人を見つける為に。
愛する人の所へ還る為に。
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