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Collaboration plan-One Room-
part5『壊れた部屋』ーHoney Coupleー(Black×White)
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「勝負」
「俺も降りない」
俺は可能性に賭けた。
エリックは10、俺は...Kだった。
ー**ー
「...よし」
「やはりおまえ相手に芝居は通じなかったか」
エリックの癖は見極めることができる。
俺に強い手札がきていることは予測できた。
(これでメルを...)
「すみません、少し時間をいただきます」
「わっ...」
俺はメルを連れ、空いている部屋へと入った。
「カムイ...?」
「やっと2人きりになれた」
俺はメルを思い切り抱きしめた。
「っ、急にどうしたんですか?」
「ずっと不安そうにしていたから、どうしても気になっていたんだ」
俺がそう言うと、メルは少し申し訳なさそうにしていた。
俺はそんな顔をさせる為に話しかけたわけじゃないのにと思うと、どうしても不安を取り除いてあげたかった。
「メル、何か心配事?」
「どうして分かったんですか...?」
「うーん...勘かな」
『メルを見ていれば分かる』なんて言ったら嫌われるのではないかと思い、そこは黙っておくことにした。
「最近、『Room』の故障が多いなと思って、心配になってしまって...。1度考えだすとどんどん不安が大きくなってしまったんです」
『大丈夫だよ』なんて言えず、俺はしばらく考えた。
(くだらないけど試してみるか)
「取り敢えず、これ食べる?」
ー*ー
カムイがくれたのは、林檎のドロップだった。
「わあ、美味しそうです!」
「食べていたら、幸せになれるかもしれないよ?」
(カムイが言ってくれるなら、本当に幸せになれそうな気がします。でも...)
「私は今も充分幸せですよ?」
「本当に?」
「はい!カムイの側にいることが私の1番の幸せですから」
なにやらカムイがほっとしたような表情で私をじっと見つめている。
「やっと笑ってくれた」
「...?」
「今日は笑顔がひきつっていたから、何かあったのかなって思ったんだ」
私はちゃんと笑えていなかったようだ。
自分では全く気づいていなかった。
笑えていると、思っていた。
「左眼を隠さずに過ごせるのはとても幸せだなと思って...。でも、皆さんが親切にしてくださることにどうも慣れなくて」
メルは更に申し訳なさそうに項垂れていた。
「ごめ、」
「『ごめんなさい』は言わせない」
カムイとの距離が一気に近くなったと思った時には、もう既に唇と唇が触れていた。
「...んっ!」
私は声を押し殺そうとしたが、上手くできなかったようだ。
(外に人がいるのに...してはいけないことをしているみたいです)
ー**ー
俺はメルの舌に舌を絡ませた。
「...っ」
一生懸命声を出さないようにしているその姿が愛しくて、俺はついやり過ぎてしまった。
「ごめんね。平気?」
「恥ずかしいです...っ」
メルは頬を真っ赤にして、うるうるとした瞳で俺を見上げている。
(...油断したらこっちがやられそうだ)
「メル、甘かったよ」
「むう...」
メルは更に顔を赤らめていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
部屋から出ると、他のメンバーが顔を真っ赤にしていた。
...もしかしなくても、聞かれてしまったのだろう。
「カムイ、もう少し気をつけろ」
「何が?」
俺は知らないふりをすることにした。
▼「...頼むからもう少し声を抑えろ」
○「聞いてしまいました」
黒羽さんに至っては真っ赤になって俯いてしまっていた。
「はわわわ...」
「メル、ごめん」
ー*ー
聞こえていた?全部?
私の頭は混乱していた。
(恥ずかしいです...!)
『いちゃいちゃ らぶらぶ』
▼「白玉、やめろ」
渚さんが白玉さんを必死で止めている。
だが、私はそれどころではなかった。
なんて話せばいいのか分からなくて、しどろもどろしてしまった。
「と、取り敢えず...またトランプでもしよう?」
○「そうですね」
「今回もブラックジャックか?」
黒羽さんがなんとか話題を変えてくれたお陰で気まずさはなくなった。
▼「奥の部屋の奴は大丈夫か?」
「さっき見たときはまだ寝ていました。...カムイ、あとどれくらいで起きる?」
「そうだな...1ゲーム何かしたら、俺が様子を見てくるよ」
...まだ起きないというのは、少し心配だ。
ー**ー
メルがまた不安そうな顔をしているのが目にはいる。
無理もないと思いつつ、どうしたものかと考える。
▼「それならゲームはメランコリーでいいか?」
○「カムイくん?」
「すみません、ぼうっとしてしまって...。何か景品を作りますね」
俺は目の前のスポンジに集中した。
3段ほど積み重ね、周りにチョコレートをコーティングしていく。
「勝った人には商品があります」
「おまえのケーキか、ピカイチの美味さだな」
○「それほど美味しいのなら、是非ほしいです」
▼「...成程」
だが、俺はこのあとすぐ気づいた。
...この遊戯の勝者ははじめから決まっているのだということに。
【次回予告】
「ほら、口開けて?」
▼「そこ、いちゃつくのはいいがここではやめろ」
「...」
わいわいと騒ぐなか、エリックだけは落ち着かない様子。
「俺はあの部屋でついていることにする」
彼は1人、『奥の部屋』に向かう。
ベッドを見つめる。
「起きろ...」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読者様方、こんばんは。
遅くなってしまい、大変申し訳ありませんでした。
下書き保存をしたつもりが1度間違えて更新状態になってしまい、重ね重ね申し訳ありません。
できるだけ早く仕上げたいなとは思っていますが、ローペースでいくと思います。
最後までお付き合いください。
次の次くらいで料理を作らせようと思っています。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。
「俺も降りない」
俺は可能性に賭けた。
エリックは10、俺は...Kだった。
ー**ー
「...よし」
「やはりおまえ相手に芝居は通じなかったか」
エリックの癖は見極めることができる。
俺に強い手札がきていることは予測できた。
(これでメルを...)
「すみません、少し時間をいただきます」
「わっ...」
俺はメルを連れ、空いている部屋へと入った。
「カムイ...?」
「やっと2人きりになれた」
俺はメルを思い切り抱きしめた。
「っ、急にどうしたんですか?」
「ずっと不安そうにしていたから、どうしても気になっていたんだ」
俺がそう言うと、メルは少し申し訳なさそうにしていた。
俺はそんな顔をさせる為に話しかけたわけじゃないのにと思うと、どうしても不安を取り除いてあげたかった。
「メル、何か心配事?」
「どうして分かったんですか...?」
「うーん...勘かな」
『メルを見ていれば分かる』なんて言ったら嫌われるのではないかと思い、そこは黙っておくことにした。
「最近、『Room』の故障が多いなと思って、心配になってしまって...。1度考えだすとどんどん不安が大きくなってしまったんです」
『大丈夫だよ』なんて言えず、俺はしばらく考えた。
(くだらないけど試してみるか)
「取り敢えず、これ食べる?」
ー*ー
カムイがくれたのは、林檎のドロップだった。
「わあ、美味しそうです!」
「食べていたら、幸せになれるかもしれないよ?」
(カムイが言ってくれるなら、本当に幸せになれそうな気がします。でも...)
「私は今も充分幸せですよ?」
「本当に?」
「はい!カムイの側にいることが私の1番の幸せですから」
なにやらカムイがほっとしたような表情で私をじっと見つめている。
「やっと笑ってくれた」
「...?」
「今日は笑顔がひきつっていたから、何かあったのかなって思ったんだ」
私はちゃんと笑えていなかったようだ。
自分では全く気づいていなかった。
笑えていると、思っていた。
「左眼を隠さずに過ごせるのはとても幸せだなと思って...。でも、皆さんが親切にしてくださることにどうも慣れなくて」
メルは更に申し訳なさそうに項垂れていた。
「ごめ、」
「『ごめんなさい』は言わせない」
カムイとの距離が一気に近くなったと思った時には、もう既に唇と唇が触れていた。
「...んっ!」
私は声を押し殺そうとしたが、上手くできなかったようだ。
(外に人がいるのに...してはいけないことをしているみたいです)
ー**ー
俺はメルの舌に舌を絡ませた。
「...っ」
一生懸命声を出さないようにしているその姿が愛しくて、俺はついやり過ぎてしまった。
「ごめんね。平気?」
「恥ずかしいです...っ」
メルは頬を真っ赤にして、うるうるとした瞳で俺を見上げている。
(...油断したらこっちがやられそうだ)
「メル、甘かったよ」
「むう...」
メルは更に顔を赤らめていた。
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部屋から出ると、他のメンバーが顔を真っ赤にしていた。
...もしかしなくても、聞かれてしまったのだろう。
「カムイ、もう少し気をつけろ」
「何が?」
俺は知らないふりをすることにした。
▼「...頼むからもう少し声を抑えろ」
○「聞いてしまいました」
黒羽さんに至っては真っ赤になって俯いてしまっていた。
「はわわわ...」
「メル、ごめん」
ー*ー
聞こえていた?全部?
私の頭は混乱していた。
(恥ずかしいです...!)
『いちゃいちゃ らぶらぶ』
▼「白玉、やめろ」
渚さんが白玉さんを必死で止めている。
だが、私はそれどころではなかった。
なんて話せばいいのか分からなくて、しどろもどろしてしまった。
「と、取り敢えず...またトランプでもしよう?」
○「そうですね」
「今回もブラックジャックか?」
黒羽さんがなんとか話題を変えてくれたお陰で気まずさはなくなった。
▼「奥の部屋の奴は大丈夫か?」
「さっき見たときはまだ寝ていました。...カムイ、あとどれくらいで起きる?」
「そうだな...1ゲーム何かしたら、俺が様子を見てくるよ」
...まだ起きないというのは、少し心配だ。
ー**ー
メルがまた不安そうな顔をしているのが目にはいる。
無理もないと思いつつ、どうしたものかと考える。
▼「それならゲームはメランコリーでいいか?」
○「カムイくん?」
「すみません、ぼうっとしてしまって...。何か景品を作りますね」
俺は目の前のスポンジに集中した。
3段ほど積み重ね、周りにチョコレートをコーティングしていく。
「勝った人には商品があります」
「おまえのケーキか、ピカイチの美味さだな」
○「それほど美味しいのなら、是非ほしいです」
▼「...成程」
だが、俺はこのあとすぐ気づいた。
...この遊戯の勝者ははじめから決まっているのだということに。
【次回予告】
「ほら、口開けて?」
▼「そこ、いちゃつくのはいいがここではやめろ」
「...」
わいわいと騒ぐなか、エリックだけは落ち着かない様子。
「俺はあの部屋でついていることにする」
彼は1人、『奥の部屋』に向かう。
ベッドを見つめる。
「起きろ...」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読者様方、こんばんは。
遅くなってしまい、大変申し訳ありませんでした。
下書き保存をしたつもりが1度間違えて更新状態になってしまい、重ね重ね申し訳ありません。
できるだけ早く仕上げたいなとは思っていますが、ローペースでいくと思います。
最後までお付き合いください。
次の次くらいで料理を作らせようと思っています。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。
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