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Until the day when I get married.-Light of a new request-
第144話
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私は、人を殺したりなんてしていない。
...逃げる為に抵抗したり、銃を使ったことはあるけれど、人に当てたことはない。
お母さんが絶対にしてはいけないって言ってたから。
「エリック...」
また一緒にお料理を作りたい。
頭をぽふぽふしてほしい。
いつもみたいに、笑ってほしい。
...もう出ないと思っていたものが、私の頬を伝った。
《必ず助けに行く、信じてくれ!》
エリック...。
暗くて怖いの。
お願い、ここから出たい。
エリックに会いたい...。
ー*ー
次の日から、本格的な調査をはじめた。
「カムイ、この報告書なのですが...」
「どうしたの?」
「『糸が...』って、本当にお洋服のものなのでしょうか?」
「どういうこと?」
「材質が書かれていないので、不思議だなって...」
『糸』が柔らかいものなのかも分からない。
それに、堅いものであればもしかすると...ということも考えられる。
「『糸』、『硝子瓶の破片』...これらを手に入れれば真犯人が分かるかもしれない」
「私もそう思います」
「今夜はバーに行こう。もしかすると、何か知っている人がいるかもしれない」
「はい!」
他の資料を読みかえしながら、私はアイリスさんがどうしているのか気になった。
(辛い思いをしているはずです...)
「そんな暗い顔をしないで...。絶対アイリスを助けよう」
「...っ、はい!」
カムイが側にいてくれるだけで、無敵になれるような気がした。
ー**ー
メルが不安になるのも分かる。
だが、きっと一番不安に思っているのはアイリスなはずだ。
だから、なんとかして早く釈放したい。
「そろそろ行こうか」
「はい」
メルは眼帯の紐をいつもより強く縛っていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あら、今日は女の子連れ?」
「俺の奥さんだから、あんまりちょっかい出さないでね」
「あんたがいつものろける子か。可愛いねえ...」
メルは戸惑った様子で『彼』を見ていた。
「メルが前に女性だと思っていた人だよ」
「えっと、こんばんは...」
「あら、やっぱり可愛い♪」
(あー...やっぱりやりづらい)
だが、一番知っていそうなのは彼なのだ。
俺は深呼吸をしてから、彼に疑問をぶつけた。
「一つ聞きたいんだけど...」
「なんでもどうぞ」
「最近『夢監獄』に入った人のリストって持ってる?」
「ああ、今丁度手元にあるわよ!」
「あの、私もお願いがあるんですけど...」
「あら!何かしら?」
「放火事件の詳しい資料、持っていますか...?」
その瞬間、彼の目つきが変わった。
今までおっとりとしていた雰囲気はなく、真剣な表情をしている。
「これを知るということは、機密を知るも同義...覚悟はあるの?」
「お願いします!大切なお友だちが無実の罪で捕まっているんです!助ける為には、どうしても詳しい資料が必要なんです!本当は私が自分の力でやらないといけないけど...私は弱くて、できることが少ないから、だからっ...」
メルは泣きそうになりながら頭をさげて頼んでいる。
俺も彼に頭をさげた。
「...もういいわ」
ー*ー
私は間違ったのだろうか。
資料が手に入らなければ、アイリスさんの無実を証明するのは難しい。
だから、たとえ断られても引き下がるわけにはいかない。
「顔をあげて」
(...っ、断られてしまうのでしょうか)
「こーんなに可愛い子にお願いされたら断れないわよ。それに...それだけ覚悟を決めているなら大丈夫そうね」
認めて、もらえた...?
「ありがとうございます!」
「全く、カムイがのろけてくるのも分かるわ」
そういうとその人は資料の束を渡してくれた。
「あたしの名前を出さないでね?」
「勿論だよ」
「ありがとうございました」
私はカムイと二人で急いで帰った。
「お腹空いたでしょ?何か作るよ」
「ありがとうございます」
私はカムイが夜食を作ってくれている間に、資料に目をとおした。
(...!やっぱりです)
「メル、その顔はもしかして...何かに気づいた?」
「カムイ、これなんですけど...」
私はある場所を指さした。
カムイも頷いてくれた。
「これは...結構な切り札だね」
「本当ですか?」
ー**ー
メルはほっとした表情でこちらを見ている。
「うん。教えてくれてありがとう」
「カムイ、一つ聞いてもいいですか?」
「...?うん、俺に答えられるものなら」
「『のろける』って、何ですか?」
...彼が言っていたことだ。
俺はどう説明するべきか迷ったが、俺が思うことをそのまま話すことにした。
「『メルが可愛くて仕方ないです』っていうことを、周りに言ってまわることだよ」
「...っ」
メルの顔は太陽のように真っ赤に染まっていた。
(ああああ、すごく恥ずかしい!)
「き、今日はここまでにしよう!明日にはエリックが証拠の破片を持ってきてくれるはずだから、三人で資料を読んで、ポイントを確認しよう」
「はい!」
俺は話を逸らした。
アイリスの無実を証明する為のものが、少しずつ集まっている。
パズルのピースが一つ一つ揃っていく。
もうすぐ、全てを集められるはずだ。
ーーアイリスの裁判まで、あと四日。
...逃げる為に抵抗したり、銃を使ったことはあるけれど、人に当てたことはない。
お母さんが絶対にしてはいけないって言ってたから。
「エリック...」
また一緒にお料理を作りたい。
頭をぽふぽふしてほしい。
いつもみたいに、笑ってほしい。
...もう出ないと思っていたものが、私の頬を伝った。
《必ず助けに行く、信じてくれ!》
エリック...。
暗くて怖いの。
お願い、ここから出たい。
エリックに会いたい...。
ー*ー
次の日から、本格的な調査をはじめた。
「カムイ、この報告書なのですが...」
「どうしたの?」
「『糸が...』って、本当にお洋服のものなのでしょうか?」
「どういうこと?」
「材質が書かれていないので、不思議だなって...」
『糸』が柔らかいものなのかも分からない。
それに、堅いものであればもしかすると...ということも考えられる。
「『糸』、『硝子瓶の破片』...これらを手に入れれば真犯人が分かるかもしれない」
「私もそう思います」
「今夜はバーに行こう。もしかすると、何か知っている人がいるかもしれない」
「はい!」
他の資料を読みかえしながら、私はアイリスさんがどうしているのか気になった。
(辛い思いをしているはずです...)
「そんな暗い顔をしないで...。絶対アイリスを助けよう」
「...っ、はい!」
カムイが側にいてくれるだけで、無敵になれるような気がした。
ー**ー
メルが不安になるのも分かる。
だが、きっと一番不安に思っているのはアイリスなはずだ。
だから、なんとかして早く釈放したい。
「そろそろ行こうか」
「はい」
メルは眼帯の紐をいつもより強く縛っていた。
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「あら、今日は女の子連れ?」
「俺の奥さんだから、あんまりちょっかい出さないでね」
「あんたがいつものろける子か。可愛いねえ...」
メルは戸惑った様子で『彼』を見ていた。
「メルが前に女性だと思っていた人だよ」
「えっと、こんばんは...」
「あら、やっぱり可愛い♪」
(あー...やっぱりやりづらい)
だが、一番知っていそうなのは彼なのだ。
俺は深呼吸をしてから、彼に疑問をぶつけた。
「一つ聞きたいんだけど...」
「なんでもどうぞ」
「最近『夢監獄』に入った人のリストって持ってる?」
「ああ、今丁度手元にあるわよ!」
「あの、私もお願いがあるんですけど...」
「あら!何かしら?」
「放火事件の詳しい資料、持っていますか...?」
その瞬間、彼の目つきが変わった。
今までおっとりとしていた雰囲気はなく、真剣な表情をしている。
「これを知るということは、機密を知るも同義...覚悟はあるの?」
「お願いします!大切なお友だちが無実の罪で捕まっているんです!助ける為には、どうしても詳しい資料が必要なんです!本当は私が自分の力でやらないといけないけど...私は弱くて、できることが少ないから、だからっ...」
メルは泣きそうになりながら頭をさげて頼んでいる。
俺も彼に頭をさげた。
「...もういいわ」
ー*ー
私は間違ったのだろうか。
資料が手に入らなければ、アイリスさんの無実を証明するのは難しい。
だから、たとえ断られても引き下がるわけにはいかない。
「顔をあげて」
(...っ、断られてしまうのでしょうか)
「こーんなに可愛い子にお願いされたら断れないわよ。それに...それだけ覚悟を決めているなら大丈夫そうね」
認めて、もらえた...?
「ありがとうございます!」
「全く、カムイがのろけてくるのも分かるわ」
そういうとその人は資料の束を渡してくれた。
「あたしの名前を出さないでね?」
「勿論だよ」
「ありがとうございました」
私はカムイと二人で急いで帰った。
「お腹空いたでしょ?何か作るよ」
「ありがとうございます」
私はカムイが夜食を作ってくれている間に、資料に目をとおした。
(...!やっぱりです)
「メル、その顔はもしかして...何かに気づいた?」
「カムイ、これなんですけど...」
私はある場所を指さした。
カムイも頷いてくれた。
「これは...結構な切り札だね」
「本当ですか?」
ー**ー
メルはほっとした表情でこちらを見ている。
「うん。教えてくれてありがとう」
「カムイ、一つ聞いてもいいですか?」
「...?うん、俺に答えられるものなら」
「『のろける』って、何ですか?」
...彼が言っていたことだ。
俺はどう説明するべきか迷ったが、俺が思うことをそのまま話すことにした。
「『メルが可愛くて仕方ないです』っていうことを、周りに言ってまわることだよ」
「...っ」
メルの顔は太陽のように真っ赤に染まっていた。
(ああああ、すごく恥ずかしい!)
「き、今日はここまでにしよう!明日にはエリックが証拠の破片を持ってきてくれるはずだから、三人で資料を読んで、ポイントを確認しよう」
「はい!」
俺は話を逸らした。
アイリスの無実を証明する為のものが、少しずつ集まっている。
パズルのピースが一つ一つ揃っていく。
もうすぐ、全てを集められるはずだ。
ーーアイリスの裁判まで、あと四日。
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