路地裏のマッチ売りの少女

黒蝶

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Collaboration plan-One Room-

part1『夢路』-闇鍋篇・1-(black×white)

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それは、不思議な夢の中。
花に集まる蝶のように、現のように普通に話しだす夢。
その夢は道のよう。
そう、まるで夢路とでもいうような...。
ー*ー
私とカムイはエリックさんからいただいたキャンディを食べていた。
「甘くて美味しいです!」
「そうだね」
カムイと沢山おしゃべりしながらキャンディをじっくり味わっていた。
「じゃあ、おやすみ」
「はい、おやすみなさい」
そこまでは、いつもと変わらない日常だった。
眠りについてから、初めて気づいた。
...食べた甘いお菓子は、普通のキャンディではなかったことに。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(綺麗な道です...)
昔本で見た、オーロラのような道。
そこを歩いていると、カムイを見つけた。
「カムイ!」
「あれ、メル?どうしてメルが俺の夢に...」
私は疑問に思った。
私が夢の中で造りだした『カムイ』なら、そんなことは言わないはずだ。
「もしかして、さっき一緒に寝たカムイですか?」
「...不思議なこともあるものだね」
二人で手を繋いでいると、いつの間にか周りが雪で覆われていた。
「...寒いです」
「もっと側においで?」
カムイが手を繋いでくれた。
「ありがとうございます」
?「...あの」
後ろを向くと、知らない男の人が立っていた。
ー**ー
俺は少し警戒しながら、メルを後ろに隠した。
「あなたは?」
??「...おまえらもいるのか」
声がした方を向くと、そこには久しぶりに会う人たちがいた。
「渚さん、黒羽さん!」
(どういうことだ...?)
「あの、お二人も夢を見ているんですよね...?」
▼「ああ。俺と黒羽は一緒に寝たはずなんだ。だが、何故か同じ夢の中にいるようだ。それにまさか、おまえまでいるとはな...せつ
○「ああ、訳が分からない」
雪と呼ばれたその人は、俺たちに軽く頭をさげた。
○「はじめまして。白鳥雪と申します。渚の友人です」
「ご丁寧にどうも。俺はカムイ、この子はメルです」
メルは当然、眼帯をしていない。
だが、メルを見ても雪さんは気味悪がる様子はなかった。
○「驚かせてしまい、申し訳ありませんでした」
「いえ、私も驚いてしまったので...」
▼「取り敢えず、おまえらは何故こうなったのか、思いあたる節はあるか?」
埒が明かないと判断したのか、渚さんが話しはじめた。
俺はあのキャンディを思い浮かべた。
「あ、あの...みなさんはキャンディを食べましたか?」
ー*ー
私が思いきって聞いてみると、三人は成程という顔をしていた。
○「そういえば、お土産にともらったキャンディを食べました」
「私も食べたよ!」
▼「俺も食べたが...それが何か関係あるのか?」
「実は、私もカムイも食べたんです。でも、二人とも感じた味が違っていて...」
そう、同じキャンディを食べたはずなのに、私はオレンジの味だと、カムイはコーヒーの味がすると言っていたのだ。
「メロン味だったよね?」
▼「...?コーラだろ?」
○「レモンではありませんでしたか?」
(やっぱりです)
みんな感じた味が違っていたということは、何かがあるはずだ。
「...くしゅっ」
私は寒くて堪らなくなってしまい、くしゃみを一つした。
「何か体が温まるものがほしいですね」
▼「鍋料理、とかよさそうだな」
「鍋料理...?」
私もカムイも首を傾げた。
そんな私たちの様子に気づいたのか、黒羽さんが説明してくれた。
「沢山の具材を煮こむの。色々な種類があるんだけど...私も詳しくは知らないの」
○「その認識で合ってますよ。ただ、ここには鍋どころか、建物さえ...」
▼「夢ならイメージすれば出てくるんじゃないか?」
渚さんは目を閉じる。
すると突然、周りが部屋の中に変化していた。
▼「ほらな」
ー**ー
俺は突然のことで戸惑ったが、イメージしたものが出てくることはよく分かった。
「すごい...って、お鍋もあるよ!」
○「なら、具材を想像すれば何か出てくるのではないでしょうか?」
「やってみよう!二人は好き嫌いとかない?」
「苦いものは...」
メルが申し訳なさそうに言っているのを見て、気にしないでと黒羽さんは笑顔で返していた。
(取り敢えず魚以外ならいいか)
俺は何なら合うのか考えていたが、雪さんが口を開いた。
○「折角なので、闇鍋にするのはどうでしょう?」
「闇鍋?それってどうやってするんですか?」
「電気を消して誰が何を入れたか分からないようにするっていう、あれ?」
○「はい。どうせ夢なら、そちらの方が楽しめるかと」
▼「食べられないものを入れるのもありだ。その場合はその食べられないものをとった場合は明かりをつけるまで何も食べられないがな」
俺はルールがよく分からず、頭の中に疑問符が浮かんでいた。
▼「まとめるとこういうことだ」
渚さんがルールの紙をくれた。
俺はメルと一緒に読むことにした。
ー*ー
『好きな具材を入れていい』
『一度入れた具材を鍋に戻すのは禁止』
『食べられないものが入った場合は食べなくていい』
『皿を空にするまで次の具材をとることは許されない』
ルールはなんとなく分かった気がした。
「楽しそうですね!」
「そうだね。でも俺たちは鍋なんてやったこと...」
○「大丈夫です。余程おかしなものを入れなければなんとかなります」
雪さんが優しい笑顔で言っていた。
「カムイ、私はやってみたいです」
「...分かった、それならやってみよう」
「はい!」
▼「さて、それならなんでもいいから想像してみろ」
「私はどうしようかな...」
○「私は決めました」
「俺は...」
みんなが迷っているなか、私は既に決めていた。
(お肉は入れたいです。あとは人参と...食べられないものも入れていいなら、もしカムイがとったら喜んでくださるものを入れたいです)
私は頭の中でイメージした。
目の前には、いっぱいの想像したものが出てきた。
「具材は何処で切ればいいでしょうか?」
ー**ー
もしメルがとれたら喜んでくれそうなものを入れたい。
(レタスは入れよう。それからジャガイモとか...)
あとは『食べられないもの』を入れることにした。
「メル、ここに包丁があるよ」
「ありがとうございます」
メルはにこにこしていた。
○「食べられないものは、この箱に入れてください」
「ありがとうございます」
小さな箱を雪さんからもらい、その中にあるものを入れた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どれぐらいの時間がたっただろうか。
他の人たちも決まったようで、全員でテーブルを囲んで座った。
▼「それじゃあ、切るぞ」
プツン、と音がして部屋の明かりが消えた。
...こうして、恐怖の闇鍋がはじまった。
これがどれだけ恐ろしいものなのか...俺はこのあと知ることになる。



《予告》
「な、何これ...」
悶絶するカムイ。
「美味しいです!」
おおはしゃぎのメル。
「野菜かな?」
味わう黒羽。
○「今のところ、おかしなものは入っていないようですね」
安堵する雪。
▼「誰だこんなものを入れたのは...」
気絶寸前の渚。
どんな鍋になったのか、次回もお楽しみください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読者様方、こんばんは。
コラボ企画、如何でしたでしょうか?
今回はとある方のご意見を参考に、『闇鍋』をテーマにすることにしました。
ただ、メルやカムイは初めてなので少し書きづらい部分はありました。
どんな地獄鍋になったのか...お楽しみいただければと思います。
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