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Until the day when I get married.-Light of a new request-
第130話
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「アイリス、顔色が悪いぞ。具合が悪いのか?」
「...別に」
少しだけ頭痛がする。
でも、この時期はいつもだ。
「いいわけないだろう」
「...!」
エリックはすぐに私を抱きかかえて、ベッドに寝かせた。
「そのまま寝てろ」
その優しさは、私の心に沁み渡った。
エリックは耳につけている何かを触っていた。
ぼんやりとした意識の中で、声が聞こえた。
「カムイ、聞こえるか?」
ー**ー
二人で話していると、俺が耳につけている通信機が起動した。
「ごめん、メル。ちょっと待ってね...」
「はい」
「...エリック、どうしたの?」
『アイリスの体調が悪そうだ。できれば診察にきてほしい』
俺はメルの方を見た。
メルは俺が何を言いたいのか分かったらしく、大きく頷いてくれた。
「分かった、すぐ行く」
「アイリスさんに何かあったんですか?」
「どうやら体調を崩したみたい」
「それなら早く行かないとですね」
メルは少し寂しそうに笑っていて、とても申し訳なく思った。
「メル、またどこかへ出掛けようね」
「はい!」
そのときのメルは、ぱあっと明るい表情になっていた。
(どうやって埋め合わせをするか考えないと)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あのあとすぐに馬車をひろい、エリックの家に辿り着いた。
「あの...道具は必要なかったんですか?」
「普段から持ち歩いてるから全部揃ってるんだ」
「そうなんですか?全然気づきませんでした...!」
護身用のナイフの他に、いつも持ち歩いている。
誰かを助けられるなら、俺はそうしたい。
その思いがあるから持ち歩く癖がついたのだが、最近はメルが怪我をしたときにすぐに手当てできるようにと思い、常に携帯するようにしていた。
「メル、行こう」
「はい!」
ー*ー
エリックさんの家を訪ねるのは、随分久しぶりな気がする。
「エリック」
「ああ、きたか」
「どんな状態なの?」
「今は寝ているが、とにかく顔色が悪い」
アイリスさんはぐったりとしているように見えた。
「メル、ちょっと離れててね」
「はい...」
(何かお手伝いできることは...)
診察のことはよく分からない。
だが、何もできないのは落ち着かない。
「エリックさん、キッチンをお借りしてもいいですか?」
「ああ。こっちだ」
私は紅茶を淹れることにした。
私にできるのは、これだけだ。
(私にもっと知識があれば、カムイのお手伝いができるのに...)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私はできあがった紅茶を運んだ。
「カムイ、アイリスさんはどんな状態なんですか?」
「頭痛もちみたいだね。時々いるんだ、ある一定の時期だけ頭痛で寝こむ人。どうやらアイリスもそのタイプみたい」
命の危険がないのを知って、私はほっと息をついた。
エリックさんも安心しているようだ。
「取り敢えず薬を出しておくから、これで様子を見てね」
「...ああ。二人きりのところを邪魔してすまなかった」
「気にしないで」
カムイはそっと私の頭を撫でながら、エリックさんに微笑んでいた。
「あの、紅茶を淹れたんですが...」
「いただこう」
「ありがとう」
ー**ー
メルがキッチンを借りた理由がようやく分かった。
恐らく、メルなりの気遣いなのだろう。
アイリスは少し苦しそうにしていたが、熱があるわけでもない。
そして今の時期は、そういう症状の患者が出やすい。
「それにしても、本当によかった」
「季節のものなら乗り越えるしかないのだろう?」
「うん。でも、死んだりはしないから」
「よかったです!」
メルはまるで自分の家族のことのように喜んでいた。
...本当に可愛い。
「紅茶、美味しいよ。ありがとう」
メルは照れくさそうにしていた。
「これは...美味いな」
「よかったです」
俺たちが話していると、ベッドの方で小さく呻くような声がした。
「アイリス」
「...私」
「ずっと寝ていたんだ。体は平気か?」
アイリスは弱々しく頷いた。
「無理をしなくていい。俺もしばらくは休みだから、気にせず休め」
「分かった」
アイリスは再び目を閉じた。
「アイリスさん、私たちがいることにも気づいていませんでしたね...」
ー*ー
季節によっておこる頭痛というのは、どれだけ辛いものなのだろうか。
(私たちにも気づかないほどということは、とても苦しいはずです)
「痛みは人それぞれだけど、アイリスは酷い時は酷く痛むタイプみたい」
「そうですか...」
「メル、今日はお暇しようか」
「はい。エリックさん、さようなら」
「ああ」
エリックさんも少し元気がないように見える。
「あの、カムイ」
「どうしたの?」
「もしアイリスさんの調子がよくなったら...エリックさんがお休みの間に四人でお出掛けしたいです」
「それいいね」
「でも...お二人は嫌じゃないでしょうか?」
「きっと喜んでくれるよ」
今日一日あったことを思い出しながら、私たちは馬車で家まで帰った。
「少しだけ寝ようか」
「はい」
その夕方、私もカムイもぐっすりと眠った。
...アイリスさんがよくなっていますようにと願いながら。
「...別に」
少しだけ頭痛がする。
でも、この時期はいつもだ。
「いいわけないだろう」
「...!」
エリックはすぐに私を抱きかかえて、ベッドに寝かせた。
「そのまま寝てろ」
その優しさは、私の心に沁み渡った。
エリックは耳につけている何かを触っていた。
ぼんやりとした意識の中で、声が聞こえた。
「カムイ、聞こえるか?」
ー**ー
二人で話していると、俺が耳につけている通信機が起動した。
「ごめん、メル。ちょっと待ってね...」
「はい」
「...エリック、どうしたの?」
『アイリスの体調が悪そうだ。できれば診察にきてほしい』
俺はメルの方を見た。
メルは俺が何を言いたいのか分かったらしく、大きく頷いてくれた。
「分かった、すぐ行く」
「アイリスさんに何かあったんですか?」
「どうやら体調を崩したみたい」
「それなら早く行かないとですね」
メルは少し寂しそうに笑っていて、とても申し訳なく思った。
「メル、またどこかへ出掛けようね」
「はい!」
そのときのメルは、ぱあっと明るい表情になっていた。
(どうやって埋め合わせをするか考えないと)
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あのあとすぐに馬車をひろい、エリックの家に辿り着いた。
「あの...道具は必要なかったんですか?」
「普段から持ち歩いてるから全部揃ってるんだ」
「そうなんですか?全然気づきませんでした...!」
護身用のナイフの他に、いつも持ち歩いている。
誰かを助けられるなら、俺はそうしたい。
その思いがあるから持ち歩く癖がついたのだが、最近はメルが怪我をしたときにすぐに手当てできるようにと思い、常に携帯するようにしていた。
「メル、行こう」
「はい!」
ー*ー
エリックさんの家を訪ねるのは、随分久しぶりな気がする。
「エリック」
「ああ、きたか」
「どんな状態なの?」
「今は寝ているが、とにかく顔色が悪い」
アイリスさんはぐったりとしているように見えた。
「メル、ちょっと離れててね」
「はい...」
(何かお手伝いできることは...)
診察のことはよく分からない。
だが、何もできないのは落ち着かない。
「エリックさん、キッチンをお借りしてもいいですか?」
「ああ。こっちだ」
私は紅茶を淹れることにした。
私にできるのは、これだけだ。
(私にもっと知識があれば、カムイのお手伝いができるのに...)
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私はできあがった紅茶を運んだ。
「カムイ、アイリスさんはどんな状態なんですか?」
「頭痛もちみたいだね。時々いるんだ、ある一定の時期だけ頭痛で寝こむ人。どうやらアイリスもそのタイプみたい」
命の危険がないのを知って、私はほっと息をついた。
エリックさんも安心しているようだ。
「取り敢えず薬を出しておくから、これで様子を見てね」
「...ああ。二人きりのところを邪魔してすまなかった」
「気にしないで」
カムイはそっと私の頭を撫でながら、エリックさんに微笑んでいた。
「あの、紅茶を淹れたんですが...」
「いただこう」
「ありがとう」
ー**ー
メルがキッチンを借りた理由がようやく分かった。
恐らく、メルなりの気遣いなのだろう。
アイリスは少し苦しそうにしていたが、熱があるわけでもない。
そして今の時期は、そういう症状の患者が出やすい。
「それにしても、本当によかった」
「季節のものなら乗り越えるしかないのだろう?」
「うん。でも、死んだりはしないから」
「よかったです!」
メルはまるで自分の家族のことのように喜んでいた。
...本当に可愛い。
「紅茶、美味しいよ。ありがとう」
メルは照れくさそうにしていた。
「これは...美味いな」
「よかったです」
俺たちが話していると、ベッドの方で小さく呻くような声がした。
「アイリス」
「...私」
「ずっと寝ていたんだ。体は平気か?」
アイリスは弱々しく頷いた。
「無理をしなくていい。俺もしばらくは休みだから、気にせず休め」
「分かった」
アイリスは再び目を閉じた。
「アイリスさん、私たちがいることにも気づいていませんでしたね...」
ー*ー
季節によっておこる頭痛というのは、どれだけ辛いものなのだろうか。
(私たちにも気づかないほどということは、とても苦しいはずです)
「痛みは人それぞれだけど、アイリスは酷い時は酷く痛むタイプみたい」
「そうですか...」
「メル、今日はお暇しようか」
「はい。エリックさん、さようなら」
「ああ」
エリックさんも少し元気がないように見える。
「あの、カムイ」
「どうしたの?」
「もしアイリスさんの調子がよくなったら...エリックさんがお休みの間に四人でお出掛けしたいです」
「それいいね」
「でも...お二人は嫌じゃないでしょうか?」
「きっと喜んでくれるよ」
今日一日あったことを思い出しながら、私たちは馬車で家まで帰った。
「少しだけ寝ようか」
「はい」
その夕方、私もカムイもぐっすりと眠った。
...アイリスさんがよくなっていますようにと願いながら。
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