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Until the day when I get engaged. -Of light, ahead of it...-
第75話
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ー**ー
次の日。早朝に目が覚めた俺は、隣で寝ているメルをそっと見つめる。
「...」
あれは間違いなく、あいつが作った爆弾だ。
これからメルを、もっと危険なことに巻きこむことになるかもしれない。
...この恋は、間違っていないと信じたい。
だが、俺には自信がない。
メルを、守りたい。
「...俺は、メルの側を離れるべきなのかな」
「却下です!」
「え?」
いつの間に起きていたのか、メルが俺の手を掴む。
(俺、口に出てたのか?)
「離れるのは、ダメです」
「でも、」
「離れちゃイヤです。カムイはまた、一人では背負いこもうとしてます。...大丈夫です、二人一緒なら絶対負けませんから」
「メル...」
俺は何をやってるんだ。
俺よりかよわい女の子が勇気を出しているのに、俺は本当に何をやってるんだ。
俺はメルを守りたいんじゃない。
メルを、絶対に守るんだ。
「ありがとう」
「やっといつもの優しいお顔になりました...」
メルの心底安心した表情を見て、俺も安心した。
ー*ー
「二人とも、本当にありがとう」
「俺は二人を送って、それからおまえたちの家に行く。...じゃあな」
私はナタリーさんたちの馬車を見て、少し気づいたことがあった。
「あの、カムイ...」
「どうしたの?」
「あの馬車、なにか変でした」
「変...?」
「えっと、馬車の下の部分が擦れていて、あのままでは止まってしまうのではないかと思うのですが...」
車輪部分の形がおかしかった。
私とカムイが御者さんをやったときには、あんなふうに車輪は曲がっていなかったはずだ。
「大丈夫でしょうか...」
「早く伝えに行こう。今ならきっと、間に合うはずだ」
「はい!」
「メル、乗って!」
そこには、一頭の馬が用意されていた。
「...あ、待って。俺が先に乗るから」
カムイが手を差し出してくれる。
「足に負担がかからないように、先に痛む方からあげて?」
私の手をカムイがとってくれる。
「ありがとうございます」
でも、私は...こういうことに、なれていない。
馬に乗るのも二回目だ。
(それに、これだけ身体がくっつくのは緊張します!)
「メル?大丈夫...?」
前に乗った私の耳に、カムイの息がふっとかかる。
「...っ!カムイ、耳がくすぐったいです...」
「...!」
ー**ー
メルは恐らくなれていないだろうが...実は俺も、遠乗りは初めてだ。
「ごめん!」
「い、いえ...。あ、カムイ!あの馬車です!」
メルが指さしたそれは、間違いなく二人を乗せ、エリックが御者を勤めていた馬車だった。
しかし車輪は外れ、走れない状態になっている。
「みなさん...?」
「メル、降りられる?」
「はい!」
急いで駆け寄ると、馬車の近くに三人がいた。
三人とも、目立った怪我はない。
「何があったの?」
「...取り敢えず、二人を安全な場所へ運ぶぞ」
エリックはすれ違いざまに、俺にあるものを渡してきた。
『やあ。きみの邪魔なものは、僕がお片づけしてあげる!』
...それとともに、矢の欠片がついていた。
ー*ー
「カムイ...?」
カムイは怒りを露にしている。
「カムイ、落ち着いてください。まずは、その矢を調べてみますね」
「...」
「カムイ!」
私はカムイを抱きしめる。
「大丈夫です!二人一緒なら、きっと...」
「ごめん、メル。そうだね。俺は馬車の車輪を調べるよ」
私は矢の欠片を見つけた。
そして私は、眼帯を外す...。
「...この矢は、あの木から飛んできたものだと思います。毒が塗られていたわけではないということは、この馬車を止めるのが目的だったんじゃないでしょうか...?」
「うん、そうだね。それと...この車輪は、故意にここで故障するように仕組まれたようだ」
先程のカムイの様子からして、恐らくは例の人がやったのだろう。
でも私は、それを言ってはいけない気がした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それから私たちは家へ戻り、エリックさんがやってきた。
「どうだ?何か分かりそうか?」
「もう少し調べさせて」
「ああ、分かった」
「ナタリーさんたちはご無事ですか?」
「ああ、怪我はなかったようだ」
その時、エリックさんを見て違和感を覚えた。
「失礼します」
「おい⁉」
エリックさんの洋服はビリビリに破れていて...擦り傷だらけだった。
ー**ー
「医務室にきて」
「しかし、」
「いいから早く!」
俺はエリックを無理やり医務室へと連れていく。
「大丈夫だよ、痛くしないから...」
「俺は子どもか...痛っ!」
「あんまり怪我しないでね?」
「...悪かったよ」
エリックはおとなしく治療を受け、帰っていった。
そのあとふと気づいた。
「メルはどうしてエリックが怪我をしてるって分かったの?」
「馬車の近くに、お洋服の破片が落ちていたので...」
「よく分かったね」
「はい!あ、お茶飲みますか?」
「ありがとう」
俺はそう言いながら、ある疑問がわいた。
(...メルの左眼の秘密ってなんだろう?)
次の日。早朝に目が覚めた俺は、隣で寝ているメルをそっと見つめる。
「...」
あれは間違いなく、あいつが作った爆弾だ。
これからメルを、もっと危険なことに巻きこむことになるかもしれない。
...この恋は、間違っていないと信じたい。
だが、俺には自信がない。
メルを、守りたい。
「...俺は、メルの側を離れるべきなのかな」
「却下です!」
「え?」
いつの間に起きていたのか、メルが俺の手を掴む。
(俺、口に出てたのか?)
「離れるのは、ダメです」
「でも、」
「離れちゃイヤです。カムイはまた、一人では背負いこもうとしてます。...大丈夫です、二人一緒なら絶対負けませんから」
「メル...」
俺は何をやってるんだ。
俺よりかよわい女の子が勇気を出しているのに、俺は本当に何をやってるんだ。
俺はメルを守りたいんじゃない。
メルを、絶対に守るんだ。
「ありがとう」
「やっといつもの優しいお顔になりました...」
メルの心底安心した表情を見て、俺も安心した。
ー*ー
「二人とも、本当にありがとう」
「俺は二人を送って、それからおまえたちの家に行く。...じゃあな」
私はナタリーさんたちの馬車を見て、少し気づいたことがあった。
「あの、カムイ...」
「どうしたの?」
「あの馬車、なにか変でした」
「変...?」
「えっと、馬車の下の部分が擦れていて、あのままでは止まってしまうのではないかと思うのですが...」
車輪部分の形がおかしかった。
私とカムイが御者さんをやったときには、あんなふうに車輪は曲がっていなかったはずだ。
「大丈夫でしょうか...」
「早く伝えに行こう。今ならきっと、間に合うはずだ」
「はい!」
「メル、乗って!」
そこには、一頭の馬が用意されていた。
「...あ、待って。俺が先に乗るから」
カムイが手を差し出してくれる。
「足に負担がかからないように、先に痛む方からあげて?」
私の手をカムイがとってくれる。
「ありがとうございます」
でも、私は...こういうことに、なれていない。
馬に乗るのも二回目だ。
(それに、これだけ身体がくっつくのは緊張します!)
「メル?大丈夫...?」
前に乗った私の耳に、カムイの息がふっとかかる。
「...っ!カムイ、耳がくすぐったいです...」
「...!」
ー**ー
メルは恐らくなれていないだろうが...実は俺も、遠乗りは初めてだ。
「ごめん!」
「い、いえ...。あ、カムイ!あの馬車です!」
メルが指さしたそれは、間違いなく二人を乗せ、エリックが御者を勤めていた馬車だった。
しかし車輪は外れ、走れない状態になっている。
「みなさん...?」
「メル、降りられる?」
「はい!」
急いで駆け寄ると、馬車の近くに三人がいた。
三人とも、目立った怪我はない。
「何があったの?」
「...取り敢えず、二人を安全な場所へ運ぶぞ」
エリックはすれ違いざまに、俺にあるものを渡してきた。
『やあ。きみの邪魔なものは、僕がお片づけしてあげる!』
...それとともに、矢の欠片がついていた。
ー*ー
「カムイ...?」
カムイは怒りを露にしている。
「カムイ、落ち着いてください。まずは、その矢を調べてみますね」
「...」
「カムイ!」
私はカムイを抱きしめる。
「大丈夫です!二人一緒なら、きっと...」
「ごめん、メル。そうだね。俺は馬車の車輪を調べるよ」
私は矢の欠片を見つけた。
そして私は、眼帯を外す...。
「...この矢は、あの木から飛んできたものだと思います。毒が塗られていたわけではないということは、この馬車を止めるのが目的だったんじゃないでしょうか...?」
「うん、そうだね。それと...この車輪は、故意にここで故障するように仕組まれたようだ」
先程のカムイの様子からして、恐らくは例の人がやったのだろう。
でも私は、それを言ってはいけない気がした。
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それから私たちは家へ戻り、エリックさんがやってきた。
「どうだ?何か分かりそうか?」
「もう少し調べさせて」
「ああ、分かった」
「ナタリーさんたちはご無事ですか?」
「ああ、怪我はなかったようだ」
その時、エリックさんを見て違和感を覚えた。
「失礼します」
「おい⁉」
エリックさんの洋服はビリビリに破れていて...擦り傷だらけだった。
ー**ー
「医務室にきて」
「しかし、」
「いいから早く!」
俺はエリックを無理やり医務室へと連れていく。
「大丈夫だよ、痛くしないから...」
「俺は子どもか...痛っ!」
「あんまり怪我しないでね?」
「...悪かったよ」
エリックはおとなしく治療を受け、帰っていった。
そのあとふと気づいた。
「メルはどうしてエリックが怪我をしてるって分かったの?」
「馬車の近くに、お洋服の破片が落ちていたので...」
「よく分かったね」
「はい!あ、お茶飲みますか?」
「ありがとう」
俺はそう言いながら、ある疑問がわいた。
(...メルの左眼の秘密ってなんだろう?)
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