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Until the day when I get engaged.-The light which comes over darkness-
第38話
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ー*ー
それから数日後...エリックさんが隠れ家にやってきた。
「証拠は集まった。五日後に突入したいのだが...」
「なにか問題が?」
「奴等を油断させる何かがほしい。どうやらマフィアだらけのようなんだ」
マフィア。
クリスマスイブの出来事を思い出す。
あんなに乱暴な人たちが沢山いたら、死んでしまう人たちがいるかもしれない。
私も力になりたい。
「あ、あの...私が行ってもいいでしょうか?」
「メル⁉」
「それは危険だ。やめておいた方がいい。万が一きみが怖い目に遭ったら、カムイが正気でいられなくなる」
危険なのは分かっているつもりだ。
それでも、放っておくわけにはいかない。
「私が行けば、油断させることができると思うんです。私は弱いですから。でも...少しだけなら、ナイフを使うことができます。それに、あの場所のことは誰よりも詳しいはずです」
「それはそうだが...」
「分かった。それがメルの意志なら、俺は尊重するよ」
「カムイ、どれだけ危険なのか分かっているのか!」
エリックさんの言葉を遮って、カムイが私に条件を言ってきた。
「ただし、俺も一緒に連れていって。あの時みたいに、離れた場所で見ているだけなんて今回はできない」
ー**ー
本当は、行くなと言いたい。
でも俺は、メルの意志を尊重したい。
その代わり、側でちゃんと守る。
俺に今できるのは、きっとそれだけなのだ。
「カムイ...。でもそれでは、カムイが怪我をしてしまうかもしれません」
(こんなときまで人の心配か)
「大丈夫だよ、俺はそんなヘマしないから。メルは俺が守る。エリック、それでいいだろう?」
「はあ...。おまえは昔から頑固だからな。いいだろう。俺も全力でサポートする」
「ありがとうございます!」
メルは本当に喜んでいるようだった。
人の役に立ちたいという気持ちは素晴らしいものだと思う。
しかし、自らを省みず、危険に飛びこむのは今回限りにしてほしいと俺は思った。
「では作戦の日、馬車で迎えにくる。それまでは俺もなかなか手があかないかもしれないが...すまない」
「どうして謝るの?エリックは悪くないじゃないか」
エリックはバカがつくほど真面目なので、時々何も悪くないのに謝ってくることがある。
...昔からそうだった。
いつだってエリックは、俺を気遣ってくれている。
(もっと自分を労ってほしいものだ)
エリックにしてもメルにしても、俺は無事でいてほしいと願うばかりだ。
「無茶するなよ」
俺はエリックにそう言うことしかできなかった。
「ああ、おまえこそ無茶するなよ?この件が片づいたら、おまえたちの家を直さないとな。早く帰るべき場所へ帰れるよう、俺も最善を尽くす。それではな」
エリックは仕事に戻っていった。
エリックを見送ったあと、メルが小さな声で話しかけてくる。
「あの、カムイ」
「どうしたの?」
「ありがとうございます」
「!」
メルは俺の身体に抱きついてきた。
(やっぱり少し、恥ずかしいな)
メルは急に甘えてくるものだから、本当に困る。
可愛すぎて、ずっと抱きしめておきたくなる。
「メル...」
俺はメルの髪をそっと撫でる。
すると、メルの俺を抱きしめる腕の力が少しだけ強くなった。
「カムイ、また今夜はぎゅーってして寝てくれますか...?」
俺の顔を見上げながら、上目遣いで遠慮がちに言ってくる。
(...っ、すごく可愛い、離したくない)
俺もメルを抱きしめる腕の力を強めて頷く。
「いいよ」
「ありがとうございます」
「それじゃあ、そろそろ中に入ろうか」
「はい!」
ー*ー
夜、ベッドのなかで私はカムイにしがみつく。
(温かくて、とても安心できます...)
「カムイ」
「何?」
「その...大好きです」
「!」
私はいつも言いたくてもなかなか言えなかった言葉をカムイに伝えた。
恥ずかしくて、今すぐ逃げ出してしまいたいという衝動にかられる。
「うん、俺もメルを愛してる」
カムイは私にキスをする。
そのあと、私を強く抱きしめる。
「絶対に守るから、俺の側を離れないでよ」
「はい!」
私はいつもカムイに幸せにしてもらってばかりだ。
(明日は早く起きましょう)
私はそう決心して目を閉じた。
ー**ー
メルが俺より遅くまで寝ているのは、とても珍しい。
「カムイ...」
(どんな夢を見ているのかな?)
俺はメルの頭をそっと撫でる。
メルはとても気持ち良さそうにしている。
今回のことが片づいたら、こんな穏やかな日々がずっと続けばいい。
朝起きたらメルがいて、メルと一緒に食事をしたり話したり、時々一緒にお風呂に入ったり...うるさいナタリーや場の雰囲気をよむベン、それに、俺の一番の親友のエリック...たまに彼らが遊びにきて、賑やかに暮らせればいい。
俺はそんなことを考えながら、裏の仕事をベッドの上でこなす。
(違法拳銃の処分方法、か。この形式なら簡単なのに)
俺は裏の警察といえど、『便利屋』のようなものなので直接依頼がくることは少ない。
だがしかし、危険を伴うものもかなりある。
現に、マフィアを壊滅させたのだってそうだ。
(考えるのをやめよう)
俺は資料をベッドルームにあるデスクに投げつけ、もう一度寝ようか迷った。
「カムイ...おはようございます」
「うん、おはよう」
俺はあることを思いついた。
メルが気に入ってくれるかは分からない。
だが、やってみようと思った。
「メル」
「はい...」
「今日はクッキーを焼こうか」
「あれも、作れるんですか⁉」
「勿論だよ」
「はい!楽しみです!」
メルはいつも目をキラキラさせて言う。
「じゃあ準備するね」
俺は急いでキッチンへと向かった。
(お守りの意味もこめて作りたいからな...。今日はどのクッキーにしようか)
俺は少しだけ頭を悩ませた。
それから数日後...エリックさんが隠れ家にやってきた。
「証拠は集まった。五日後に突入したいのだが...」
「なにか問題が?」
「奴等を油断させる何かがほしい。どうやらマフィアだらけのようなんだ」
マフィア。
クリスマスイブの出来事を思い出す。
あんなに乱暴な人たちが沢山いたら、死んでしまう人たちがいるかもしれない。
私も力になりたい。
「あ、あの...私が行ってもいいでしょうか?」
「メル⁉」
「それは危険だ。やめておいた方がいい。万が一きみが怖い目に遭ったら、カムイが正気でいられなくなる」
危険なのは分かっているつもりだ。
それでも、放っておくわけにはいかない。
「私が行けば、油断させることができると思うんです。私は弱いですから。でも...少しだけなら、ナイフを使うことができます。それに、あの場所のことは誰よりも詳しいはずです」
「それはそうだが...」
「分かった。それがメルの意志なら、俺は尊重するよ」
「カムイ、どれだけ危険なのか分かっているのか!」
エリックさんの言葉を遮って、カムイが私に条件を言ってきた。
「ただし、俺も一緒に連れていって。あの時みたいに、離れた場所で見ているだけなんて今回はできない」
ー**ー
本当は、行くなと言いたい。
でも俺は、メルの意志を尊重したい。
その代わり、側でちゃんと守る。
俺に今できるのは、きっとそれだけなのだ。
「カムイ...。でもそれでは、カムイが怪我をしてしまうかもしれません」
(こんなときまで人の心配か)
「大丈夫だよ、俺はそんなヘマしないから。メルは俺が守る。エリック、それでいいだろう?」
「はあ...。おまえは昔から頑固だからな。いいだろう。俺も全力でサポートする」
「ありがとうございます!」
メルは本当に喜んでいるようだった。
人の役に立ちたいという気持ちは素晴らしいものだと思う。
しかし、自らを省みず、危険に飛びこむのは今回限りにしてほしいと俺は思った。
「では作戦の日、馬車で迎えにくる。それまでは俺もなかなか手があかないかもしれないが...すまない」
「どうして謝るの?エリックは悪くないじゃないか」
エリックはバカがつくほど真面目なので、時々何も悪くないのに謝ってくることがある。
...昔からそうだった。
いつだってエリックは、俺を気遣ってくれている。
(もっと自分を労ってほしいものだ)
エリックにしてもメルにしても、俺は無事でいてほしいと願うばかりだ。
「無茶するなよ」
俺はエリックにそう言うことしかできなかった。
「ああ、おまえこそ無茶するなよ?この件が片づいたら、おまえたちの家を直さないとな。早く帰るべき場所へ帰れるよう、俺も最善を尽くす。それではな」
エリックは仕事に戻っていった。
エリックを見送ったあと、メルが小さな声で話しかけてくる。
「あの、カムイ」
「どうしたの?」
「ありがとうございます」
「!」
メルは俺の身体に抱きついてきた。
(やっぱり少し、恥ずかしいな)
メルは急に甘えてくるものだから、本当に困る。
可愛すぎて、ずっと抱きしめておきたくなる。
「メル...」
俺はメルの髪をそっと撫でる。
すると、メルの俺を抱きしめる腕の力が少しだけ強くなった。
「カムイ、また今夜はぎゅーってして寝てくれますか...?」
俺の顔を見上げながら、上目遣いで遠慮がちに言ってくる。
(...っ、すごく可愛い、離したくない)
俺もメルを抱きしめる腕の力を強めて頷く。
「いいよ」
「ありがとうございます」
「それじゃあ、そろそろ中に入ろうか」
「はい!」
ー*ー
夜、ベッドのなかで私はカムイにしがみつく。
(温かくて、とても安心できます...)
「カムイ」
「何?」
「その...大好きです」
「!」
私はいつも言いたくてもなかなか言えなかった言葉をカムイに伝えた。
恥ずかしくて、今すぐ逃げ出してしまいたいという衝動にかられる。
「うん、俺もメルを愛してる」
カムイは私にキスをする。
そのあと、私を強く抱きしめる。
「絶対に守るから、俺の側を離れないでよ」
「はい!」
私はいつもカムイに幸せにしてもらってばかりだ。
(明日は早く起きましょう)
私はそう決心して目を閉じた。
ー**ー
メルが俺より遅くまで寝ているのは、とても珍しい。
「カムイ...」
(どんな夢を見ているのかな?)
俺はメルの頭をそっと撫でる。
メルはとても気持ち良さそうにしている。
今回のことが片づいたら、こんな穏やかな日々がずっと続けばいい。
朝起きたらメルがいて、メルと一緒に食事をしたり話したり、時々一緒にお風呂に入ったり...うるさいナタリーや場の雰囲気をよむベン、それに、俺の一番の親友のエリック...たまに彼らが遊びにきて、賑やかに暮らせればいい。
俺はそんなことを考えながら、裏の仕事をベッドの上でこなす。
(違法拳銃の処分方法、か。この形式なら簡単なのに)
俺は裏の警察といえど、『便利屋』のようなものなので直接依頼がくることは少ない。
だがしかし、危険を伴うものもかなりある。
現に、マフィアを壊滅させたのだってそうだ。
(考えるのをやめよう)
俺は資料をベッドルームにあるデスクに投げつけ、もう一度寝ようか迷った。
「カムイ...おはようございます」
「うん、おはよう」
俺はあることを思いついた。
メルが気に入ってくれるかは分からない。
だが、やってみようと思った。
「メル」
「はい...」
「今日はクッキーを焼こうか」
「あれも、作れるんですか⁉」
「勿論だよ」
「はい!楽しみです!」
メルはいつも目をキラキラさせて言う。
「じゃあ準備するね」
俺は急いでキッチンへと向かった。
(お守りの意味もこめて作りたいからな...。今日はどのクッキーにしようか)
俺は少しだけ頭を悩ませた。
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