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Until the day when Christmas comes.
第11話
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ー**ー
「メル...?」
二人掛けのソファーの上で、メルに抱きつかれている。
「カムイは偉いですね」
「俺が、偉い?」
「はい。私はそうやって、立ち上がることができませんでしたから。おばあさまが死んだ時、どうしても吹っ切れなくて...。今だってそうです。カムイの方が辛いはずなのに、頑張ってます。カムイは私のことばかりですが、私だってカムイの力になりたいんです」
「メル...」
すると、頭を撫でられた。
「よしよし、偉いです。でも...私の前でくらいは肩の力を抜いてください」
「メル...」
なんて優しい女の子なのだろう。
俺と二つしか変わらないのに、メルの方が年上みたいだ。
「ごめんね、メル...っ」
もしも願いが叶うなら、俺はこの温もりをずっとそばで守りたい。
ー*ー
カムイの瞳から一筋の涙が溢れおちる。
「私にも頼ってください」
「ごめんね、男なのにカッコ悪いよね」
「いえ、そんなことありません。男の方だからとか、関係ないと思います。悲しいときは、泣いてもいいと思います」
「ごめんね、ごめん...」
次々と流れ落ちる涙をぬぐうことしか、私にはできなかった。
それが悔しかった。
「ありがとう、メル」
(お礼を言われると、とっても恥ずかしいです)
片方の手でしばらく頭を撫でて、片方の手で涙をぬぐってあげていると、突然頭が重くなる。
「カムイ...?」
「くーくー」
(寝てしまいました...)
そのまま寝かせてしまうわけにはいかないと思い、私の下にあったブランケットをかけてやる。
気持ち良さそうに寝ているカムイを見て、私もいつの間にか眠ってしまっていた。
ー**ー
「...」
俺は寝起きであまり働いていない頭で昨夜の出来事を整理する。
(たしか、メルに重い話をしてしまってそれから泣いて...いつ寝たんだ、俺)
頭に枕よりも柔らかい感触がある。
「メルっ」
そこまで言って、気持ち良さそうに寝ているメルを起こしたくないと思った。
(...無邪気な寝顔)
「うう、ん...カムイ...」
寝言で自分の名前が優しい声音で呼ばれているのを聞いて、俺は恥ずかしくなってしまった。
そっと手を握り、もう一度寝ようとしたとき...
「ごめんくださいだよ!」
「カムイ、いるんでしょ!」
(...タイミングが悪い)
ー*ー
(今、誰かに呼ばれていたような...)
「おはよう、メル」
「カムイ!おはようございます!」
「昨日はありがとう。でも俺は、メルにも無理はしてほしくないんだ。だから困ったことがあったら言ってね」
いつの間にかしっかりと握られていた手は温かくて、離したくないと思った。
「今日はお休みだし、このまま二度寝して...」
「カームーイ!」
(ナタリーさん?)
「あの、」
「このまま二度寝してしまおうか」
「いえ、でもナタリーさんが」
扉が乱暴に開かれた。
「カムイ!何度も呼んで...」
ナタリーさんが固まった。
「...何の用事できたの?」
「椅子を届けにきたの。あたし、タイミング悪かった?」
「いえ、そんなことは...」
「どこに置くだか?」
「ベン!空気をよみなさい!」
そんな二人を見て、つい羨ましくなった。
「お二人は本当に仲がいいご夫婦なんですね」
「メル、恥ずかしいからっ!メルとカムイこそ仲いいじゃない!」
「そう。俺たち仲良しなの。だから邪魔しないでくれる?」
ナタリーさんは顔を赤くして出ていってしまった。
「ナタリーは照れ屋だから、すまねえだよ」
「いえ、ベンさんもお気をつけて」
二人が帰ったあと、部屋に並べられた二つのベッドまで行く。
(二度寝なんて、初めてです)
ー**ー
せっかくいい雰囲気だったのに台無しだ。
でもメルは、しっかりと二度寝するらしい。
「メル、二度寝好きなの?」
「いえ、初めてなのでドキドキしているんです」
二度寝も許されない生活。
メルはどれだけ辛いものを抱えているのだろう。
俺が一緒にいることで、和らいでいるのだろうか?
安心してくれているのだろうか。
「カムイ」
「どうしたの?」
「...手、繋いでもらってもいいですか?」
僅かにあいた隙間を見ると、メルの左手が伸ばされている。
恥ずかしそうにしているところがものすごく可愛くて。
「カムイ...?」
俺は自分のベッドに引き寄せて、メルを抱きしめた。
「今日はこうして寝てもいい?」
「ええ⁉このままですか?」
「うん。...ダメ?」
嫌がられてしまうだろう。そう思っていた。
しかし...
「...はい。カムイにぎゅーってされるの、嫌じゃないから...」
顔を真っ赤にして言うところがまた可愛くて、離したくなくなってしまう。
「じゃあ、おやすみなさい...」
「うん、おやすみ」
柔らかなまどろみに誘われて、俺はいつの間にか再び寝てしまっていた。
「メル...?」
二人掛けのソファーの上で、メルに抱きつかれている。
「カムイは偉いですね」
「俺が、偉い?」
「はい。私はそうやって、立ち上がることができませんでしたから。おばあさまが死んだ時、どうしても吹っ切れなくて...。今だってそうです。カムイの方が辛いはずなのに、頑張ってます。カムイは私のことばかりですが、私だってカムイの力になりたいんです」
「メル...」
すると、頭を撫でられた。
「よしよし、偉いです。でも...私の前でくらいは肩の力を抜いてください」
「メル...」
なんて優しい女の子なのだろう。
俺と二つしか変わらないのに、メルの方が年上みたいだ。
「ごめんね、メル...っ」
もしも願いが叶うなら、俺はこの温もりをずっとそばで守りたい。
ー*ー
カムイの瞳から一筋の涙が溢れおちる。
「私にも頼ってください」
「ごめんね、男なのにカッコ悪いよね」
「いえ、そんなことありません。男の方だからとか、関係ないと思います。悲しいときは、泣いてもいいと思います」
「ごめんね、ごめん...」
次々と流れ落ちる涙をぬぐうことしか、私にはできなかった。
それが悔しかった。
「ありがとう、メル」
(お礼を言われると、とっても恥ずかしいです)
片方の手でしばらく頭を撫でて、片方の手で涙をぬぐってあげていると、突然頭が重くなる。
「カムイ...?」
「くーくー」
(寝てしまいました...)
そのまま寝かせてしまうわけにはいかないと思い、私の下にあったブランケットをかけてやる。
気持ち良さそうに寝ているカムイを見て、私もいつの間にか眠ってしまっていた。
ー**ー
「...」
俺は寝起きであまり働いていない頭で昨夜の出来事を整理する。
(たしか、メルに重い話をしてしまってそれから泣いて...いつ寝たんだ、俺)
頭に枕よりも柔らかい感触がある。
「メルっ」
そこまで言って、気持ち良さそうに寝ているメルを起こしたくないと思った。
(...無邪気な寝顔)
「うう、ん...カムイ...」
寝言で自分の名前が優しい声音で呼ばれているのを聞いて、俺は恥ずかしくなってしまった。
そっと手を握り、もう一度寝ようとしたとき...
「ごめんくださいだよ!」
「カムイ、いるんでしょ!」
(...タイミングが悪い)
ー*ー
(今、誰かに呼ばれていたような...)
「おはよう、メル」
「カムイ!おはようございます!」
「昨日はありがとう。でも俺は、メルにも無理はしてほしくないんだ。だから困ったことがあったら言ってね」
いつの間にかしっかりと握られていた手は温かくて、離したくないと思った。
「今日はお休みだし、このまま二度寝して...」
「カームーイ!」
(ナタリーさん?)
「あの、」
「このまま二度寝してしまおうか」
「いえ、でもナタリーさんが」
扉が乱暴に開かれた。
「カムイ!何度も呼んで...」
ナタリーさんが固まった。
「...何の用事できたの?」
「椅子を届けにきたの。あたし、タイミング悪かった?」
「いえ、そんなことは...」
「どこに置くだか?」
「ベン!空気をよみなさい!」
そんな二人を見て、つい羨ましくなった。
「お二人は本当に仲がいいご夫婦なんですね」
「メル、恥ずかしいからっ!メルとカムイこそ仲いいじゃない!」
「そう。俺たち仲良しなの。だから邪魔しないでくれる?」
ナタリーさんは顔を赤くして出ていってしまった。
「ナタリーは照れ屋だから、すまねえだよ」
「いえ、ベンさんもお気をつけて」
二人が帰ったあと、部屋に並べられた二つのベッドまで行く。
(二度寝なんて、初めてです)
ー**ー
せっかくいい雰囲気だったのに台無しだ。
でもメルは、しっかりと二度寝するらしい。
「メル、二度寝好きなの?」
「いえ、初めてなのでドキドキしているんです」
二度寝も許されない生活。
メルはどれだけ辛いものを抱えているのだろう。
俺が一緒にいることで、和らいでいるのだろうか?
安心してくれているのだろうか。
「カムイ」
「どうしたの?」
「...手、繋いでもらってもいいですか?」
僅かにあいた隙間を見ると、メルの左手が伸ばされている。
恥ずかしそうにしているところがものすごく可愛くて。
「カムイ...?」
俺は自分のベッドに引き寄せて、メルを抱きしめた。
「今日はこうして寝てもいい?」
「ええ⁉このままですか?」
「うん。...ダメ?」
嫌がられてしまうだろう。そう思っていた。
しかし...
「...はい。カムイにぎゅーってされるの、嫌じゃないから...」
顔を真っ赤にして言うところがまた可愛くて、離したくなくなってしまう。
「じゃあ、おやすみなさい...」
「うん、おやすみ」
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