30 / 50
その他
涙とアイスと・2
しおりを挟む
「柚」
「おはよう、おじいちゃん」
おじいちゃんとの暮らしは平和だ。
勿論家事は全部自分でやっているし料理は当番制だけど、全く苦にならない。
宿題だって終わらせたし、なによりあの言葉を言われずにすむのはとてもいい。
「柚はよく手伝ってくれるんだな」
「おじいちゃんと色々するの、楽しい」
「そうか」
おじいちゃんはあまり口数が多い方ではないけど、私が嫌がっていないか必ず確認してくれる。
──だからか。ここにいていいんだって安心できるのは。
「今日は買い物行くか」
「いいの?」
「みっつまでなら好きなもの買っていいぞ」
「ありがとう」
本当は疲れているだろうに、今日もこうして私を連れ出してくれる。
何を買おうかと化粧品や雑貨を見ていると、おじいちゃんが店員さんに何かを尋ねていた。
私に聞かれたくないことかもしれないからと離れていたけど、用が済んだのかかごを持ってこっちに歩いてくる。
「決まったか?」
「こっちは自分で買うから、この本とシャーペン買ってもいい?」
「これだけでいいのか?」
「あとは使っているものがあるから」
すると、おじいちゃんは私が持っていた化粧品もかごに入れるよう言い、そのまま買ってくれた。
「よかったの?」
「みっつまでと言っただろう」
「ありがとう」
食材が入った買い物袋を持つと、おじいちゃんは私のために買ったものを持ってくれた。
こんなふうに誰かと一緒に歩くのは久しぶりで、心まで温まる気がした。
「ほれ」
「開けていいの?」
「ああ」
もらった箱から出てきたのは、クローバーの鍵がついたネックレス。
「綺麗……」
「こういうのが流行りなんだろ?」
店員さんに聞いていたのはこれのことだったのか。
「ありがとう」
自分のためだけの贈り物なんていつ以来だろう。
早速ネックレスを付けて台所に立った。
「おはよう、おじいちゃん」
おじいちゃんとの暮らしは平和だ。
勿論家事は全部自分でやっているし料理は当番制だけど、全く苦にならない。
宿題だって終わらせたし、なによりあの言葉を言われずにすむのはとてもいい。
「柚はよく手伝ってくれるんだな」
「おじいちゃんと色々するの、楽しい」
「そうか」
おじいちゃんはあまり口数が多い方ではないけど、私が嫌がっていないか必ず確認してくれる。
──だからか。ここにいていいんだって安心できるのは。
「今日は買い物行くか」
「いいの?」
「みっつまでなら好きなもの買っていいぞ」
「ありがとう」
本当は疲れているだろうに、今日もこうして私を連れ出してくれる。
何を買おうかと化粧品や雑貨を見ていると、おじいちゃんが店員さんに何かを尋ねていた。
私に聞かれたくないことかもしれないからと離れていたけど、用が済んだのかかごを持ってこっちに歩いてくる。
「決まったか?」
「こっちは自分で買うから、この本とシャーペン買ってもいい?」
「これだけでいいのか?」
「あとは使っているものがあるから」
すると、おじいちゃんは私が持っていた化粧品もかごに入れるよう言い、そのまま買ってくれた。
「よかったの?」
「みっつまでと言っただろう」
「ありがとう」
食材が入った買い物袋を持つと、おじいちゃんは私のために買ったものを持ってくれた。
こんなふうに誰かと一緒に歩くのは久しぶりで、心まで温まる気がした。
「ほれ」
「開けていいの?」
「ああ」
もらった箱から出てきたのは、クローバーの鍵がついたネックレス。
「綺麗……」
「こういうのが流行りなんだろ?」
店員さんに聞いていたのはこれのことだったのか。
「ありがとう」
自分のためだけの贈り物なんていつ以来だろう。
早速ネックレスを付けて台所に立った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる