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第22章『死者の案内人』
第197話
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「白露が怪我!?そんな相手がいるとか、ちょっとやばいですね…」
穂乃を桜良に頼み、陽向たちに話をした。
「その死霊はどうしたんだ?」
「祓っていいものかも分からないから、取り敢えずやり過ごしたって」
「……成程」
先生は納得したように呟く。
「盆の時期が近いだろう?死者の大移動があってもおかしくない。…ただ、案内人が誰もいないのは不自然だな」
「案内人、ですか?」
『死者が迷わないように、死者の国から現世の家まで案内する人たちのこと。
色々な仕事と兼務している人が多いみたいだけど、大半が死者や半妖だと云われているわ』
「流石桜良、詳しい!」
『……別に。穂乃さんにはスープを作ってもらっているので、今なら少し話せます』
「ありがとう」
桜良の細かな気遣いに感謝しつつ、一般生徒がいない時期でよかったと安堵する。
「今夜は夜仕事になりそうだな」
「ですね…。ちび、穂乃ちゃんと一緒にいてくれるか?」
「僕、一応男だけどいいの?」
「おまえは相手が嫌がることをしないだろ?…私からも頼む」
「分かった、任せて」
どこかに電話していた先生がこちらに視線を向け、渋い顔でスピーカーをオンにした。
『お久しぶりです』
「車掌か?」
『はい』
死者を終着駅まで送り届ける黄泉行列車。
それに乗っているのが車掌だ。
何度か事件を解決するうえで若干仲はよくなった…と、思いたい。
「岡副は校内の見回り、折原は俺と一緒に来てくれ」
「どういうことだ?」
『恥ずかしながら、人手が足りないのです。調査にまわれるのは現状私だけで……』
「珍しいな」
『この時期は列車の行き来がさかんになる。便数を増やさないと足りないから。
実は、何名か車内から脱走を図ったようでして…。こちらが把握しているのは3名ですが、そのうち1名がそちらの校舎にいるようです』
相変わらず先生相手には砕けた口調で話し、私たちには敬語で話す。
「分かった。絶対行くよ」
『ありがとうございます。それでは、また後ほど』
陽向はぽかんとした顔をしていたが、肩をたたくとはっとしたようにこちらを向いた。
「すみません。どれだけ多忙なんだろうって思ったら地獄だなって思って…」
日本中の死者を運ぶとなるとどうなるんだろう。
大変な仕事であることは間違いない。
「夕飯はゆっくり食べられそうだな」
「そうだな」
「ふたりとも体力もちます?」
「大丈夫だ。どのみち陽向と合流することになるだろうから」
「どういうことですか?」
「…俺に連絡してきたのは、ここにいる奴が1番厄介だからだろう」
「え、何それ、それを俺が相手…?」
「危なくなったらすぐ逃げろ。いいな?」
真っ青な陽向にそれだけ伝え、みんなで調理室へ向かう。
…満面の笑みで料理を用意してくれた穂乃と桜良に感謝だ。
穂乃を桜良に頼み、陽向たちに話をした。
「その死霊はどうしたんだ?」
「祓っていいものかも分からないから、取り敢えずやり過ごしたって」
「……成程」
先生は納得したように呟く。
「盆の時期が近いだろう?死者の大移動があってもおかしくない。…ただ、案内人が誰もいないのは不自然だな」
「案内人、ですか?」
『死者が迷わないように、死者の国から現世の家まで案内する人たちのこと。
色々な仕事と兼務している人が多いみたいだけど、大半が死者や半妖だと云われているわ』
「流石桜良、詳しい!」
『……別に。穂乃さんにはスープを作ってもらっているので、今なら少し話せます』
「ありがとう」
桜良の細かな気遣いに感謝しつつ、一般生徒がいない時期でよかったと安堵する。
「今夜は夜仕事になりそうだな」
「ですね…。ちび、穂乃ちゃんと一緒にいてくれるか?」
「僕、一応男だけどいいの?」
「おまえは相手が嫌がることをしないだろ?…私からも頼む」
「分かった、任せて」
どこかに電話していた先生がこちらに視線を向け、渋い顔でスピーカーをオンにした。
『お久しぶりです』
「車掌か?」
『はい』
死者を終着駅まで送り届ける黄泉行列車。
それに乗っているのが車掌だ。
何度か事件を解決するうえで若干仲はよくなった…と、思いたい。
「岡副は校内の見回り、折原は俺と一緒に来てくれ」
「どういうことだ?」
『恥ずかしながら、人手が足りないのです。調査にまわれるのは現状私だけで……』
「珍しいな」
『この時期は列車の行き来がさかんになる。便数を増やさないと足りないから。
実は、何名か車内から脱走を図ったようでして…。こちらが把握しているのは3名ですが、そのうち1名がそちらの校舎にいるようです』
相変わらず先生相手には砕けた口調で話し、私たちには敬語で話す。
「分かった。絶対行くよ」
『ありがとうございます。それでは、また後ほど』
陽向はぽかんとした顔をしていたが、肩をたたくとはっとしたようにこちらを向いた。
「すみません。どれだけ多忙なんだろうって思ったら地獄だなって思って…」
日本中の死者を運ぶとなるとどうなるんだろう。
大変な仕事であることは間違いない。
「夕飯はゆっくり食べられそうだな」
「そうだな」
「ふたりとも体力もちます?」
「大丈夫だ。どのみち陽向と合流することになるだろうから」
「どういうことですか?」
「…俺に連絡してきたのは、ここにいる奴が1番厄介だからだろう」
「え、何それ、それを俺が相手…?」
「危なくなったらすぐ逃げろ。いいな?」
真っ青な陽向にそれだけ伝え、みんなで調理室へ向かう。
…満面の笑みで料理を用意してくれた穂乃と桜良に感謝だ。
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