未熟な蕾ですが

黒蝶

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第2話

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夕方、部活動というものに向かう少女の後を追う。
「桜良先輩、お疲れ様です」
「ごめんなさい。忙しいのに顔を出してもらって…」
「いえ。私も放送するの、楽しいですから」
見たことがない機会が大量に動きはじめ、ざざざ、と音がする。
『時刻は午後5時になりました。生徒の皆さんは速やかに下校しましょう。
部活時間の延長を申請していない場合は、片づけが終わり次第下校するようにしてください』
2度同じことを言い、そのまま電源を落とす。
「あ、あの…」
「大丈夫。ちゃんとできていたわ」
「ありがとうございます」
「紅茶を淹れたの。…よかったらあなたも飲んでみて」
「ありがとうございます。白露も飲んでいいって」
《だから俺は、》
「もしかして、紅茶苦手?本当は和食以外体が受け付けないとか…」
ふたりが頭をかかえるのを見てしまうと、飲まないわけにはいかない。
別に意味などないのに、なぜ俺の分まで用意されるのか。
「どうかしら?今日はオレンジティーにしてみたのだけれど…」
「美味しいです!カップケーキもふんわりしてて好きです」
「そう。喜んでもらえてよかった」
放送というものが終わった後は、大抵こうして茶菓子を食べながら日常会話をしている。
どんな顔をすればいいか分からず立ち尽くしていると、はっとした顔で主が立ちあがった。
「今日は金曜日だから、夜仕事のお手伝いをさせてもらえる…!」
「そんなに楽しみなの?」
「はい。お姉ちゃんにお願いして勝ち取った枠なので、もっと強くなりたいんです」
今の主の思考の根底には、強くならなければならないという強い意志がある。
そこまでしなくていいと夜紅に言われてもやめようとしない。
「今のままでも強いと思うけど、まだ足りないと思っているの?」
「はい。みんなみたいに上手に力を使いこなせないから…」
「霊力のコントロールなら室星先生に訊くのがいいと思う。私たちのなかで1番物知りだから」
「そうします。ありがとうございます」
そそくさと部屋を出る主を追いかけようとすると、放送少女に呼び止められる。
「穂乃さんが無茶しないように見ていてほしい。…勿論あなたも」
《…?》
この少女は何を言っている?
式は主の命令に逆らえず、何かあれば即刻処分されてしまうのはずだ。
…少なくとも、前の人間はそうだった。
「今は分からなくても、いつか分かる日がくるはずよ」
《…覚えておく》
主の気配を辿っていると、何やら見知らぬ気配がはりついているのを感知する。
急いで向かった先には、最早人とすら呼べなくなってしまった存在と対話を試みる主の姿があった。
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