王子と内緒の人魚姫

彼目線のストーリー

事件と告白(錬・第５話)

玲音や美音が考えてくれて、遊園地へ行くことになった。
(やっぱり、観覧車がいいかな...)
色々考えつつ、黒羽が足をさすっていることに気づく。
♪「足、痛む？」
「ごめんなさい...」
ゆっくりと歩くことにした。
(よし、なんかフライングな感じだけど...)
♪「僕は、黒羽のことが」
そこで邪魔が入った。
(あいつら、このまえの...)
いわゆる、不良だ。
しかし数が多い...。
(黒羽には公安の話はしてなかったな...)
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
いつも錬はナイフで戦うのだが、休みのため持っていなかった。美音もいつもはリボルバーを使っているので接近戦は不利である。
ただ、玲音や王間は手甲が武器のため有利なはず。
(数が多いな...)
目の前に五人。
どうしようかと考えていると...
「危ない！錬！」
ザシュッ。
「黒羽!?」
肩を切られている。
僕がもっと強ければ、彼女を...。
♪「おまえらあああああああああ！」
この先はどうなったのか覚えていない。
殴るのを美音に止められてやっと目が覚めた感じだった。
♪「黒羽！大丈夫!?」
「平気、だよ？」
黒羽は笑っていた。
(なんでそんなに笑っていられるんだよ...)
僕は、休みをもらえた。
♪「帰ろう」
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
♪「本当にごめん！」
「気にしないで...。錬が無事でよかった」
♪「どうして僕なんかを...」
「僕なんかなんて言わないで...。だって私は、錬のことが」
...ん？
♪「ちょっと待って。そういうのは、男から言うものだよ」
「？」
♪「僕は、黒羽のことが好きだよ」
「...！う、そ」
♪「...愛してる」
(ずっとこの笑顔を守るよ)
キスってこんなに恥ずかしいことなんて...なんて思いつつ、僕はとんでもないことを聞いてしまった。
♪「怪我が治ったら...この続き、してもいい？」
黒羽は恥ずかしそうに頷いてくれた。
♪「ありがとう」
おやすみ！と言いつつ、
(ダメだ、心臓がもたない...)
実はこの夜、錬はほとんど眠れなかった...。