398 / 732
黄乃本遥 編
第5話
しおりを挟む
その日の夜。
激しい雷に、黒羽はどうしても耳を塞がずにはいられなかった。
「...っ」
☆「大丈夫か?」
「べ、別に...」
☆「嘘つけ。顔に出てる」
「えっ...」
ぐい、と引かれる手。
「やめて...」
☆「いいからこい!」
どんどん引っ張られて...
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
☆「答えろ」
「何を?」
☆「食事の時、何故急に機嫌が悪くなった?」
「別に、機嫌が悪くなった訳じゃないよ」
☆「...また嘘をついている」
「遥、彼女さんいるんでしょ?」
☆「...はぁ?」
「だったら、私に優しくしないで。雷なんて怖くなっ」
ゴロゴロ、と音がする。
その拍子につい遥に抱きついてしまった。
「ご、ごめんなさい」
☆「やっぱり怖いんだろ...」
手を握ってくれる。
☆「今日はこうしておいてやる。だから寝ろ。それと、俺に彼女はいない」
「ありが...ちょっと待って。だってさっき、嬉しそうに電話を...」
☆「明日になったら説明してやる。とにかく今日は寝ろ」
「...分かった」
この日はこのまま寝てしまった。
明日になれば何かが分かる。
そんな恐怖を感じながら...。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ごめんなさい、私、寝坊...?」
★「あなたがお姫様?」
突然目の前に少女がいる。
☆「こら!...すまない、なにぶん友だちが少なくてな。こいつは禊。...妹だ」
「妹、さん...?」
(彼女じゃなかったんだ...)
★「お部屋にいるね。これ、私の番号とメールアドレス。暇なとき、連絡をくれると嬉しい...」
「えっと、禊ちゃんって呼んでもいいかな?」
☆「...禊って呼んでほしい。その代わり、私は黒羽と呼ぶ」
(いつ名乗ったっけ...?)
「分かった。これからよろしくね、禊」
★「私は離れて住んでいる。でも...また会おう」
禊は去っていった...。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ごめんなさい、本当に彼女さんじゃなかったんだね...」
☆「何故そんなに嬉しそうなんだ」
「だって...私は遥が好きだから」
☆「...はぁ?」
「ごめんなさい!なんでもない!忘れて!」
☆「おい!」
「?」
☆「声なら聞こえた。だが...それなら、俺の過去の話を聞いてから決めてくれないか?」
「遥の、過去?」
☆「未だに思い出す過去だ。それでも気が変わらなかったら...真剣に恋人になってほしい」
「...!うん、分かった」
遥の過去は、そんなに重いものなのだろうか。
☆「次の休みが三日後にとれそうだ。...その時に話そう」
「うん」
そういうときは、どうすればいいのだろう。
(言葉の勉強に集中しよう)
遥の過去を一緒に背負って生きていたい。
たとえ遥が、
私が探していた王子様じゃなかったとしても...
黒羽はそう心に誓った。
激しい雷に、黒羽はどうしても耳を塞がずにはいられなかった。
「...っ」
☆「大丈夫か?」
「べ、別に...」
☆「嘘つけ。顔に出てる」
「えっ...」
ぐい、と引かれる手。
「やめて...」
☆「いいからこい!」
どんどん引っ張られて...
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
☆「答えろ」
「何を?」
☆「食事の時、何故急に機嫌が悪くなった?」
「別に、機嫌が悪くなった訳じゃないよ」
☆「...また嘘をついている」
「遥、彼女さんいるんでしょ?」
☆「...はぁ?」
「だったら、私に優しくしないで。雷なんて怖くなっ」
ゴロゴロ、と音がする。
その拍子につい遥に抱きついてしまった。
「ご、ごめんなさい」
☆「やっぱり怖いんだろ...」
手を握ってくれる。
☆「今日はこうしておいてやる。だから寝ろ。それと、俺に彼女はいない」
「ありが...ちょっと待って。だってさっき、嬉しそうに電話を...」
☆「明日になったら説明してやる。とにかく今日は寝ろ」
「...分かった」
この日はこのまま寝てしまった。
明日になれば何かが分かる。
そんな恐怖を感じながら...。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ごめんなさい、私、寝坊...?」
★「あなたがお姫様?」
突然目の前に少女がいる。
☆「こら!...すまない、なにぶん友だちが少なくてな。こいつは禊。...妹だ」
「妹、さん...?」
(彼女じゃなかったんだ...)
★「お部屋にいるね。これ、私の番号とメールアドレス。暇なとき、連絡をくれると嬉しい...」
「えっと、禊ちゃんって呼んでもいいかな?」
☆「...禊って呼んでほしい。その代わり、私は黒羽と呼ぶ」
(いつ名乗ったっけ...?)
「分かった。これからよろしくね、禊」
★「私は離れて住んでいる。でも...また会おう」
禊は去っていった...。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ごめんなさい、本当に彼女さんじゃなかったんだね...」
☆「何故そんなに嬉しそうなんだ」
「だって...私は遥が好きだから」
☆「...はぁ?」
「ごめんなさい!なんでもない!忘れて!」
☆「おい!」
「?」
☆「声なら聞こえた。だが...それなら、俺の過去の話を聞いてから決めてくれないか?」
「遥の、過去?」
☆「未だに思い出す過去だ。それでも気が変わらなかったら...真剣に恋人になってほしい」
「...!うん、分かった」
遥の過去は、そんなに重いものなのだろうか。
☆「次の休みが三日後にとれそうだ。...その時に話そう」
「うん」
そういうときは、どうすればいいのだろう。
(言葉の勉強に集中しよう)
遥の過去を一緒に背負って生きていたい。
たとえ遥が、
私が探していた王子様じゃなかったとしても...
黒羽はそう心に誓った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
92
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる