王子と内緒の人魚姫

黒蝶

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コラボストーリー

6滴目『スリーペア』・参(White×Black)

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《黒羽目線》
「メルちゃん!」
ー*ー「黒羽さん...白玉さんは大丈夫でしたか?」
「うん。きっと渚とも仲直りできるよ」
ふわり。
私が笑うと、メルちゃんは安心した様子で私を見ていた。
ー*ー「黒羽さん」
「どうしたの?」
ー*ー「聞きたいことがあるんですけど...」
「私に答えられることなら、なんでもどうぞ」
ー*ー「黒羽さんは、渚さんのどこが好きになったんですか?」
私はしばらく沈黙した。
メルちゃんがからかう為に聞いてきたわけではないことが分かるから、答えようと思った。
だが、なんて言えばいいのか分からなくなった。
ー*ー「ごめんなさい!」
「ううん。でも、考えをまとめるのに時間がかかるから...もしよければ、メルちゃんのことから教えてくれないかな?」
メルちゃんはきょとんとしている。
「メルちゃんは、カムイくんのどこが好きなの?」
「えっ...」
メルちゃんは頬を赤らめた。
(メルちゃんも照れてるのかな)
私はメルちゃんが黙ってしまっている間に、言いたいことがまとまった。
「やっぱり、私から言うね。...最初は、渚は怖い人だと思ってた」
ー*ー「そうなんですか?」
「うん。でも、話してみるとそうでもなくて。ただ不器用で、優しい人なんだって分かった。...助けてもらったから、というのも勿論あるけど、でもそれより...一緒にいて、支えたいって思った。渚の好きなところは沢山あるけど、やっぱり優しい所が好き」
ー*ー「とっても素敵なお話ですね!」
私は話し終わってから、恥ずかしくなってきてしまった。
「メルちゃんは?」
ー*ー「私も助けてもらったというのもありますが...優しくて強くて、正義の味方みたいな所が好きです!」
「正義の味方?」
ー*ー「いつも悪い人をやっつけているので、私は正義の正義の味方みたいだな...と思っています」
そうカムイくんのことを話すメルちゃんは、なんだかとってもキラキラして見えた。
「...私は渚が心配になることがあるんだけど、メルちゃんもある?」
ー*ー「カムイはいつも1人で無理ばかりしているので、それがとっても心配です」
「私も渚が無理をするから、心配になる。...2人で対策を考えてみようか。2人が無理をしないように」
ー*ー「はい!」
それから私たちの会話ははずんで、眠くなるまで色々な話をした。
これからもっとメルちゃんとも仲良くなりたいと、心からそう願いながら。
《渚目線》
▼「じゃあ、勝負の続きをするか」
ー**ー「はい」
俺はトランプを配った。
(負ければ何を聞かれるか分からないからな)
▼「3枚交換だ」
ー**ー「俺はこのままいきます」
▼「...ショウ・ダウン」
俺はフルハウス、カムイはフラッシュ...。
▼「では俺が質問する。...おまえはメルのどこが好きになった?」
ー**ー「いきなりですか?」
カムイはとても驚いたような顔をしたあと、はっとしたように表情を隠した。
(仕事柄、感情を押し殺さなければならないからな。顔にあまり出さないようにしているんだろう。こいつも...俺も)
ー**ー「勿論全部好きなのですが...メルには、俺がもっていないものがあります。俺はあんなに人に優しくできない。それに、放っておけなくて...俺が守りたいと思ったんです。この温もりを手離したくないと。...かっこ悪いので本人には言えませんが」
カムイはまた笑みを作っていた。
こういうとき、俺はなんと言えばいいのか分からない。
...もっと器用に言えるスキルを身につけておくべきだったと後悔する。
そうこうしているうちに、次の勝負がはじまった。
▼「...フラッシュだ」
ー**ー「スペードのストレート...俺の勝ちですね」
▼「質問は?」
ー**ー「渚さんは、黒羽さんのどこを好きになったんですか?」
自分が聞かれると、とてつもなく居たたまれない気持ちになった。
▼「...俺も、強いて言うなら全部だ。だが、あいつの勇気や度胸には敵わない。黒羽の明るさには、いつも救われている」
黒羽は俺がもういいと諦めてしまったものを全て取り戻してくれた。
取り戻す勇気をくれた。
...側にいてほしいと思った。
ー**ー「女性って強いですよね」
▼「同感だ」
俺たちは顔を見あわせ笑いあった。
一頻り笑ったあと、俺は白玉を連れ、ベッドに潜りこんだ。
『なぎ ごめんなさい』
▼「おまえが謝ることではないだろう」
俺は白玉の頭をそっと撫でた。
そんな俺の様子を見ながらカムイはくすっと笑い、もう1つのベッドへ入った。
ー**ー「俺も寝ます」
▼「寝るまで話すのも悪くないだろう」
ー**ー「そうですね」
俺たちはそれぞれのベッドで寝返りをうちながら、色々な話をした。
...もう少し距離を縮められればいいのにと、そう祈りながら。








【次回予告】
エリックと雪の部屋では...?
○「無茶な友人を持つと、苦労しますね」
「全く以て同感だ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読者様方、こんばんは。
今回も少し短めです、申し訳ありません...。
次回で終わりにできればと思っていますが、もし終わらなければごめんなさい。
個人的にはカムイと渚、エリックと雪は似ている部分があると思うので、話をさせるのがとても楽しいです。
読んでいただきありがとうございました。
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