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白鳥 雪 続篇
第5話
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そこには、満天の星空が広がっていた。
○「ここは...」
▼「おまえ、何かあるといつもここでこうやって俺ときてただろ」
それは、渚の部屋から見えるもの。
黒羽から相談を受けた渚は、必死に考えた。
その結果出した答えが、この場所だ。
「ここは、二人の思い出の場所なの?」
▼「ああ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それは、二人がまだ学生だった頃。
○「...」
花を失い、遥に出会い...渚とも出会ったばかりの頃。
▼「おまえ、また黙りか?」
○「...」
その頃の雪の瞳は、どこか寂しそうだった。
▼「今日はノートか」
この頃はまだいじめの加害者が学校を辞めていなかったので、雪に対する酷い仕打ちは続いていた。
▼「...俺の家こいよ」
○「?」
▼「俺は独りで暮らしてるから」
雪の手を強引に引っ張り、渚は自宅へと連れてきた。
○「遅くなりすぎたら、迷惑になる」
▼「おまえの家になら、電話しておいてやる」
○「でも、ノートを探さないと、」
▼「俺が取り返してやる。それに、俺のを使えばいい」
渚はぶっきらぼうにノートを渡した。
▼「...世界は、見方を変えれば少しだけ広く見える」
そう言って雪をバルコニーへと連れ出した。
○「...綺麗だ」
その日は流星群。
綺麗な星々が流れていた。
▼「俺の、とっておきの場所だ」
○「...俺は、周りを傷つけずに生きられるか?」
▼「おまえならできる」
雪の目からは、ひとすじの涙が流れていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「雪が、自分をあまり大切に思ってなかった頃のお話なんだね」
▼「ああ。それから俺とこいつはそこそこ仲良くなっていった」
○「そこそこ、なのか?」
▼「真面目にとりすぎだ」
二人が話しているのを見て、黒羽はふわりと微笑んだ。
黒羽の足元に、白いもふもふしたものがいる。
「...?」
それは、ぱっと顔をあげ、足にすり寄ってきた。
「可愛い...」
▼「おい、白玉」
「白玉っていうの?」
黒羽が撫でてやると、白玉はとても嬉しそうに跳ねていた。
「うさぎさんなんだね」
ふわり。
▼「初めて会うやつにそんなになつくのは、おまえで二人目だ」
「二人目?」
▼「一人目は、そこで星見て微笑んでるやつ」
「そうなんだ...」
○「...」
雪は星に魅了されていて、二人が話していることに全く気づいていない。
「渚、ありがとう」
▼「...あいつの為だからな」
そのあとも、穏やかな時間を過ごした。
○「ここは...」
▼「おまえ、何かあるといつもここでこうやって俺ときてただろ」
それは、渚の部屋から見えるもの。
黒羽から相談を受けた渚は、必死に考えた。
その結果出した答えが、この場所だ。
「ここは、二人の思い出の場所なの?」
▼「ああ」
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それは、二人がまだ学生だった頃。
○「...」
花を失い、遥に出会い...渚とも出会ったばかりの頃。
▼「おまえ、また黙りか?」
○「...」
その頃の雪の瞳は、どこか寂しそうだった。
▼「今日はノートか」
この頃はまだいじめの加害者が学校を辞めていなかったので、雪に対する酷い仕打ちは続いていた。
▼「...俺の家こいよ」
○「?」
▼「俺は独りで暮らしてるから」
雪の手を強引に引っ張り、渚は自宅へと連れてきた。
○「遅くなりすぎたら、迷惑になる」
▼「おまえの家になら、電話しておいてやる」
○「でも、ノートを探さないと、」
▼「俺が取り返してやる。それに、俺のを使えばいい」
渚はぶっきらぼうにノートを渡した。
▼「...世界は、見方を変えれば少しだけ広く見える」
そう言って雪をバルコニーへと連れ出した。
○「...綺麗だ」
その日は流星群。
綺麗な星々が流れていた。
▼「俺の、とっておきの場所だ」
○「...俺は、周りを傷つけずに生きられるか?」
▼「おまえならできる」
雪の目からは、ひとすじの涙が流れていた。
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「雪が、自分をあまり大切に思ってなかった頃のお話なんだね」
▼「ああ。それから俺とこいつはそこそこ仲良くなっていった」
○「そこそこ、なのか?」
▼「真面目にとりすぎだ」
二人が話しているのを見て、黒羽はふわりと微笑んだ。
黒羽の足元に、白いもふもふしたものがいる。
「...?」
それは、ぱっと顔をあげ、足にすり寄ってきた。
「可愛い...」
▼「おい、白玉」
「白玉っていうの?」
黒羽が撫でてやると、白玉はとても嬉しそうに跳ねていた。
「うさぎさんなんだね」
ふわり。
▼「初めて会うやつにそんなになつくのは、おまえで二人目だ」
「二人目?」
▼「一人目は、そこで星見て微笑んでるやつ」
「そうなんだ...」
○「...」
雪は星に魅了されていて、二人が話していることに全く気づいていない。
「渚、ありがとう」
▼「...あいつの為だからな」
そのあとも、穏やかな時間を過ごした。
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