王子と内緒の人魚姫

黒蝶

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黄乃本 遥 続篇

第3話

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○「私に分かるのは、ほんの少しだけなのですが...」
雪が分かっていることは、遥と意見があわなかった派閥の人間たちや、叔父に有利な人物を起用すること。
そして、遥が強制退陣させられた理事の座には、叔父自身がつこうとしていることだ。
*「それってさ、酷いにも程があるんじゃない?要は、依怙贔屓ってことだよね?」
☆「そうともとれるな」
「え、依怙贔屓...?」
★「単純にいうと、自分の意見に賛成の人ばかりを集めること」
「ありがとう、禊ちゃん」
黒羽がそう言っていると遥はため息をつき、席を立つ。
▲「どこ行くの?」
☆「...少しな」
遥は部屋の奥へと消えてしまった。
▲「ねえ黒羽ちゃん。最近の遥、いつもあんな感じなの?」
「うん。何かあるとすぐに部屋に籠ってしまって...」
○「遥様には、計画があったんです」
「計画?」
○「はい。ある地域のまちおこしをするつもりで、テーマパークを建てる予定でした。ただ、その地域にはそれを反対する方もいらっしゃいまして...。それでも遥様は、『説得する。もし全員が無理でも、賛成でも反対でもそこに住んでいるやつらが全員満足するものを作る』と仰られていたのです」
「遥らしいね」
★「...でも叔父さんは、そういう人じゃない。無理矢理にでもいうことを聞かせるつもりだと思う」
▲「そんな!」
*「じゃあ、遥の対話の努力も、会社の信用も...全部泡になるってこと?」
雪が小さく頷いた。
「遥が大切にしてきたものが、全部壊されちゃうってこと?」
★「そんなこと、させない」
禊は占いはじめた。
★「...叔父さんに会ってくる。これ、見せつけてくる」
彼女の手には、死神のカードがしっかりと握られていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「遥」
禊が出ていったあと声をかけてみたが、部屋から出てくる気配が一向にない。
「遥、みんな心配してるよ」
☆「頼む、今は一人にしてくれ...」
「禊ちゃんが、叔父さんに行くって」
☆「...!」
開かないドアに向かって話していると、勢いよく扉が開いた。
☆「禊を止めなければ」
*「...確執?」
遥は強く頷く。
「遥、遥の叔父さんってどこにいるの?」
☆「恐らくだが...会社だろう」
「じゃあ、遥は行っちゃ駄目だよ。...私が行く」
*「黒羽⁉」
○「しかし、」
「何ができるかなんて、分からない。でも...何もしないなんて嫌」
▲「黒羽ちゃんが言いたいことは分かるけど...」
*「私が、責任もって連れていく」
○「私も行きます」
「お願い、遥。私を信じて...」
☆「...分かった。但し、無理はするな」
遥は黒羽にインカムを渡した。
☆「禊をたのむ」
「うん!」
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