王子と内緒の人魚姫

黒蝶

文字の大きさ
上 下
518 / 732
白鳥 雪 続篇

第3話

しおりを挟む
ついにその日がやってきた。
「うまくいくかな...?」
○「大丈夫だと思います」
雪と黒羽は二人で心配していた。
●「ここに、新しいプールを作るの?」
☆「ああ」
そこは、噴水がある少し派手めの広い公園だ。
だが、ここに無料解放のプールを作る計画が持ちあがっている。
ただ、ここは『口づけをすると想い人と一生一緒にいられる』と言われている、カップルの聖地なのだとか。
それもあって、反対意見も出ているのだという。
○「私たちはこちらからまわってみます。行きましょう、黒羽」
「うん」
(遥と真緒さん、息抜きになるといいな...)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「私たちは何をすればいいの?」
○「プールに向くかどうか、地質調査をすることだと思います」
「地質...?」
○「水でいうところの、透明度です。綺麗な水かどうか、人魚の頃に色々とご存じだったのではないですか?」
「それは...うん」
○「それは水質です。そして地面がやわらかすぎてはここにプールを建てた途端、決壊してしまいます」
「成る程!つまり、地面がどのくらい固いかを見ればいいんだね」
○「そういうことです。あとは有害なものがないかとか...。ただ、ここに噴水がある時点で、大丈夫だとは思いますが」
「そうだね」
二人は顔を見あわせ笑った。
○「一応検査はしましょうか」
「うん!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
○「やはり特に異常はありませんね...」
「そうだね」
黒羽も雪も、安心していた。
だが、雪が噴水を見てあることに気づく。
○「あの材質は...」
「雪?」
○「いえ、ヒビが入っているなと思っただけです。あんなに手抜きでは壊れてしまうのも時間の問題かと」
「そんな...!」
○「あれを作った会社には聞いてみる必要がありそうです」
「そうだね...」
もしも壊れてしまったら...それを考えるだけで恐ろしかった。
遥にも報告しなければならないと、二人で話した。
その後遥たちの姿を見つけ、声をかけようとしたところ...
「...!」
○「...」
目の前には、口づけを交わす遥と真緒の姿があった。
○「行きましょう」
「え、ちょっと...」
雪は公園の隅の方へ黒羽を押しやり...
「んっ」
短くキスをおとした。
○「俺たちも、ジンクスとやらを試してみようと思いまして」
(今、『俺』って言ってくれた)
心のなかで喜びを感じながら、黒羽はついつい笑ってしまった。
「ふふ、雪はジンクスを信じるんだね」
○「今までなら信じなかったでしょう。あなたがいるからかもしれません」
夕陽の下、二人でしばらく微笑みあっていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

【R18】隣のデスクの歳下後輩君にオカズに使われているらしいので、望み通りにシてあげました。

雪村 里帆
恋愛
お陰様でHOT女性向け33位、人気ランキング146位達成※隣のデスクに座る陰キャの歳下後輩君から、ある日私の卑猥なアイコラ画像を誤送信されてしまい!?彼にオカズに使われていると知り満更でもない私は彼を部屋に招き入れてお望み通りの行為をする事に…。強気な先輩ちゃん×弱気な後輩くん。でもエッチな下着を身に付けて恥ずかしくなった私は、彼に攻められてすっかり形成逆転されてしまう。 ——全話ほぼ濡れ場で小難しいストーリーの設定などが無いのでストレス無く集中できます(はしがき・あとがきは含まない) ※完結直後のものです。

【R18】散らされて

月島れいわ
恋愛
風邪を引いて寝ていた夜。 いきなり黒い袋を頭に被せられ四肢を拘束された。 抵抗する間もなく躰を開かされた鞠花。 絶望の果てに待っていたのは更なる絶望だった……

王太子の子を孕まされてました

杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。 ※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。

先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…

ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。 しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。 気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

【完結】お義父様と義弟の溺愛が凄すぎる件

百合蝶
恋愛
お母様の再婚でロバーニ・サクチュアリ伯爵の義娘になったアリサ(8歳)。 そこには2歳年下のアレク(6歳)がいた。 いつもツンツンしていて、愛想が悪いが(実話・・・アリサをーーー。) それに引き替え、ロバーニ義父様はとても、いや異常にアリサに構いたがる! いいんだけど触りすぎ。 お母様も呆れからの憎しみも・・・ 溺愛義父様とツンツンアレクに愛されるアリサ。 デビュタントからアリサを気になる、アイザック殿下が現れーーーーー。 アリサはの気持ちは・・・。

辺境騎士の夫婦の危機

世羅
恋愛
絶倫すぎる夫と愛らしい妻の話。

処理中です...