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白鳥 雪 続篇
第1話
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じっと顔をのぞかれ、黒羽は恥ずかしさのあまり下を向いてしまった。
(黙っているだけじゃ、伝わらないよね)
「雪が...」
○「?」
「雪が、沢山笑ってるなって思って...。それで、嬉しいなって思ったの」
黒羽は言うつもりはなかったけれど、おもいきって言ってみた。
○「私が笑うと、嬉しい?」
「うん」
○「本当に不思議な方ですね、あなたは...」
黒羽は雪に優しく髪を梳かれ、くすぐったそうに笑っている。
「もう...」
ふわり。
黒羽はいつものように微笑んでいた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
屋上から業務部屋に戻ると、真緒さんが駆け寄ってきた。
●「二人とも!大変申し訳ないんだけど...」
○「資料整理の手伝いですね。私たちだけでやっておくので、真緒さんは遥様のところに行ってきてください」
●「ありがとう!」
ドタバタと走り去っていく真緒の背中を見送りながら、黒羽は問いかけた。
「どうして遥の所に行くって分かったの?」
○「新しいアクセサリーをつけていました。それに、いつもと化粧が違いましたし...服装も、スーツのスカートをはくなんて、滅多にありませんから」
「...雪はすごいね」
雪の観察力。
それは、人並み以上のものだ。
誰かのちょっとしたことにすぐに気づき、あっという間に対処してしまう。
黒羽が雪の尊敬する所の一つだ。
○「私など、まだまだです」
「そんなことないよ...。お仕事、早く終わらせないとね!」
○「そうですね」
ようやく片づいた仕事だったが、真緒からの書類整理に追われた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夕方。
結局若干の残業をこなすことになったものの、なんとか終わらせることができた。
○「黒羽。次の休みに行きたいところはありますか?」
「うーん...」
黒羽は考えたものの、行き先が思い浮かばない。
「雪が行きたいところはないの?」
○「そうですね...考えていませんでした」
「そうなの?」
○「はい」
赤信号で車を止める。
雪は助手席の方を向き...
「んっ!」
黒羽の首筋に紅い痕をつけた。
○「帰宅してから決めましょう」
「雪...たまに意地悪」
○「あなたが可愛いからです」
雪はにやりとしていた。
帰宅後、黒羽は首筋の痕に気づき、雪にうるうるとした目で恥ずかしいと告げた。
雪がドキドキさせられたというのは、恐らく黒羽は知らない...。
(黙っているだけじゃ、伝わらないよね)
「雪が...」
○「?」
「雪が、沢山笑ってるなって思って...。それで、嬉しいなって思ったの」
黒羽は言うつもりはなかったけれど、おもいきって言ってみた。
○「私が笑うと、嬉しい?」
「うん」
○「本当に不思議な方ですね、あなたは...」
黒羽は雪に優しく髪を梳かれ、くすぐったそうに笑っている。
「もう...」
ふわり。
黒羽はいつものように微笑んでいた。
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屋上から業務部屋に戻ると、真緒さんが駆け寄ってきた。
●「二人とも!大変申し訳ないんだけど...」
○「資料整理の手伝いですね。私たちだけでやっておくので、真緒さんは遥様のところに行ってきてください」
●「ありがとう!」
ドタバタと走り去っていく真緒の背中を見送りながら、黒羽は問いかけた。
「どうして遥の所に行くって分かったの?」
○「新しいアクセサリーをつけていました。それに、いつもと化粧が違いましたし...服装も、スーツのスカートをはくなんて、滅多にありませんから」
「...雪はすごいね」
雪の観察力。
それは、人並み以上のものだ。
誰かのちょっとしたことにすぐに気づき、あっという間に対処してしまう。
黒羽が雪の尊敬する所の一つだ。
○「私など、まだまだです」
「そんなことないよ...。お仕事、早く終わらせないとね!」
○「そうですね」
ようやく片づいた仕事だったが、真緒からの書類整理に追われた。
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夕方。
結局若干の残業をこなすことになったものの、なんとか終わらせることができた。
○「黒羽。次の休みに行きたいところはありますか?」
「うーん...」
黒羽は考えたものの、行き先が思い浮かばない。
「雪が行きたいところはないの?」
○「そうですね...考えていませんでした」
「そうなの?」
○「はい」
赤信号で車を止める。
雪は助手席の方を向き...
「んっ!」
黒羽の首筋に紅い痕をつけた。
○「帰宅してから決めましょう」
「雪...たまに意地悪」
○「あなたが可愛いからです」
雪はにやりとしていた。
帰宅後、黒羽は首筋の痕に気づき、雪にうるうるとした目で恥ずかしいと告げた。
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