王子と内緒の人魚姫

黒蝶

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茶園 渚篇

第45話

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それから三日後、錬からの連絡がきた。
▼「少し出てくる。試しに店番を頼めるか?」
「うん!」
渚はひたすら走る。
(大丈夫かな...)
白玉が駆け寄ってくる。
「白玉も一緒に店番しようか」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
▼「こいつか?」
▲「うん、間違いない」
ー「...」
男は何も喋らない。
▼「言え。あいつはどこにいる?」
ー「言ったら何か俺に得があるのか?」
▼「金がほしいのか?奴が払った倍払ってやる。話したあとはとっとと失せろ」
ー「あの男なら市役所近くの別荘にいるはずだ。女を狙えと言われたが、行方がつかめなかった。だからあんたらを消すことにした。...俺が知っているのはこれで全部だ。...で、俺は見逃してもらえるんだよな?」
▼「...ああ」
渚は拳に力をこめ、思いきり殴った。
▼「おまえのせいで傷ついた奴がいる。...これは奴が傷ついた度合いの倍の痛みだ。受け取っておけ」
♪「さすが渚、仕事が早いね」
「あとは任せる。作戦はまた後日だ」
渚は家路を急ぐ...。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
▼「おい、何もなかったか⁉」
「渚?大丈夫だよ、お客さんは誰もこなかったし...。ただ、お薬の材料が間違ってたから整理していれなおしただけだよ」
ふわり。
黒羽は笑ってそう言うが、渚は青ざめた。
▼「どれが間違ってた?」
「海の薬品だから大丈夫!売ってないみたいだったし...」
▼「そうか、それならいい」
「居場所、分かったの?」
▼「...ああ」
渚は明後日に作戦会議をすることを黒羽に伝えた。
「そっか、次こそ捕まえられるように頑張るね!」
▼「おまえは俺のそばから離れるな。いいな?」
「うん!」
▼「今日はもう、店を閉める。飯作るぞ」
「うん」
白玉が渚に飛びつく。
▼「うわっ⁉いきなり飛びつくな白玉」
「白玉は渚が帰ってこないから寂しがってたんだよ」
▼「...そうか。おまえはどうなんだ?」
「え?」
▼「おまえは寂しくなかったのかよ」
「...早く会いたかった」
店の前で、二人は抱きしめあった。
まるで二人の時間が止まってしまったように、周りは静かだった。
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