680 / 732
茶園 渚篇
第27話
しおりを挟む
「えっと、みんな...?」
◯「渚の口から、出たこともないような言葉が出たので...」
♪「あ、雪でも聞いたことなかったんだ」
◯「長い付き合いのなかで二、三度しか聞いたことがありません」
▲「だよね、やっぱりレアなんだよね」
☆「俺ははじめて聞いたぞ...」
◆「あの意地悪しか言わない渚が...」
◇「お礼を言った。しかも、ありがとうって...」
どうやら渚が礼を言うというのは、ものすごく珍しいことのようだ。
▼「うるせー。...黒羽、取り敢えず先にシャワー浴びてこい」
「う、うん...。白玉、行こうか」
白玉は珍しく腕の中でおとなしくしている。
(そんなに珍しいことなのかな...)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
他の人たちが準備している間、雪は渚と話していた。
◯「おまえ、変わったな」
▼「何がだ?」
◯「『人は守るものができると変わる』というが、本当にそうらしいな」
▼「意味が分からねえ。何が変わったんだ?」
◯「...色々だよ」
雪は渚の肩の上にそっと手をおく。
▼「...?」
◯「まあ、よかった」
▼「全然分からねえよ」
お風呂場の方から飛び回る音がする。
「白玉、おとなしくして...。綺麗にできないでしょう?」
▼「...まったく、賑やかになったもんだ」
渚はため息をつき、お風呂をノックする。
▼「黒羽、服着てるか?」
「え⁉渚⁉」
▼「何をそんなに驚く必要がある?着てるなら、中に入ってもいいか?」
「うん、ごめんなさい...なんだか白玉が落ち着いてくれなくて...」
渚と黒羽の何か言っている声を聞きながら、雪はぽつりと呟いた。
◯「...よかったな、渚」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そのあと渚も入浴を済ませ、ビーフシチューを食べようとなったとき、玲音が言った。
◆「二人とも恋人同士なら、こういう時は隣に座るもんなんじゃない?」
▼「...おい、その情報どこで掴んだ?」
黒羽は顔を真っ赤にして動かなくなってしまった。
◇「馬鹿玲音」
▼「まさか...錬、おまえだな」
♪「ギクッ」
▼「後を追ってきてる足音が聞こえたから、もしかするととは思っていたが...」
♪「この近くで寄るところがある、なんて言われて気にならない奴なんていないでしょ?渚のことだから、危ないことをしていてはいけないし...そう思って追いかけたんだよ。そうしたらなんか、ハグしたりキスしたり、イチャイチャっぷりを見せつけられて...。次の日行ったら渚が車イス押してあげてたし、これは間違いないと思って...」
▼「それ以上喋ったら舌斬るぞ」
♪「すいません...。...あとで覚悟しろよ、玲音」
◆「え?え?...ぎゃああああ...」
この日はとても賑やかな食事になった。
◯「渚の口から、出たこともないような言葉が出たので...」
♪「あ、雪でも聞いたことなかったんだ」
◯「長い付き合いのなかで二、三度しか聞いたことがありません」
▲「だよね、やっぱりレアなんだよね」
☆「俺ははじめて聞いたぞ...」
◆「あの意地悪しか言わない渚が...」
◇「お礼を言った。しかも、ありがとうって...」
どうやら渚が礼を言うというのは、ものすごく珍しいことのようだ。
▼「うるせー。...黒羽、取り敢えず先にシャワー浴びてこい」
「う、うん...。白玉、行こうか」
白玉は珍しく腕の中でおとなしくしている。
(そんなに珍しいことなのかな...)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
他の人たちが準備している間、雪は渚と話していた。
◯「おまえ、変わったな」
▼「何がだ?」
◯「『人は守るものができると変わる』というが、本当にそうらしいな」
▼「意味が分からねえ。何が変わったんだ?」
◯「...色々だよ」
雪は渚の肩の上にそっと手をおく。
▼「...?」
◯「まあ、よかった」
▼「全然分からねえよ」
お風呂場の方から飛び回る音がする。
「白玉、おとなしくして...。綺麗にできないでしょう?」
▼「...まったく、賑やかになったもんだ」
渚はため息をつき、お風呂をノックする。
▼「黒羽、服着てるか?」
「え⁉渚⁉」
▼「何をそんなに驚く必要がある?着てるなら、中に入ってもいいか?」
「うん、ごめんなさい...なんだか白玉が落ち着いてくれなくて...」
渚と黒羽の何か言っている声を聞きながら、雪はぽつりと呟いた。
◯「...よかったな、渚」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そのあと渚も入浴を済ませ、ビーフシチューを食べようとなったとき、玲音が言った。
◆「二人とも恋人同士なら、こういう時は隣に座るもんなんじゃない?」
▼「...おい、その情報どこで掴んだ?」
黒羽は顔を真っ赤にして動かなくなってしまった。
◇「馬鹿玲音」
▼「まさか...錬、おまえだな」
♪「ギクッ」
▼「後を追ってきてる足音が聞こえたから、もしかするととは思っていたが...」
♪「この近くで寄るところがある、なんて言われて気にならない奴なんていないでしょ?渚のことだから、危ないことをしていてはいけないし...そう思って追いかけたんだよ。そうしたらなんか、ハグしたりキスしたり、イチャイチャっぷりを見せつけられて...。次の日行ったら渚が車イス押してあげてたし、これは間違いないと思って...」
▼「それ以上喋ったら舌斬るぞ」
♪「すいません...。...あとで覚悟しろよ、玲音」
◆「え?え?...ぎゃああああ...」
この日はとても賑やかな食事になった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
92
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる