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茶園 渚篇
第22話
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▼「おい、起きろ」
「...ヤダ、まだ起きない...」
▼「このねぼすけめ...」
渚の腕を掴んで離さない黒羽を、渚はため息混じりで見ていた。
▼「...」
「...ぅ」
少し苦しそうにうめいたのを渚は聞き逃さなかった。
▼「おい、起きろ!おい!」
「うう...」
▼「黒羽!」
「...!はあ、はあ...ごめんなさい、渚...おはよう」
▼「顔色が優れないようだが?それに、何に魘されてたんだ...」
渚は黒羽を抱きしめる。
「渚?本当に平気だから...」
▼「平気なわけないだろ?強がるな、いいから言え」
「...昔の夢を、見ただけだよ。ちょっと嫌な夢なの」
▼「...そういうことは、ちゃんと言え」
「ごめんなさっ」
バタバタ、と部屋の外から音が聞こえてくる。
▼「...あいつ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
部屋の外へ行くと、白玉が遊んでいた。
▼「おい白玉、暴れんなっ...」
渚の腕のなかでじたばたする白玉の頭を、黒羽はそっと撫でた。
「ごめんね白玉、一人にして...ご飯食べようか」
黒羽に言われると白玉はおとなしくなった。
▼「...くそっ」
渚は少し、悔しく思っていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「渚...?」
(渚の様子がおかしい...)
▼「なんだよ」
「あの、私...渚が嫌な思いすること、したかな?」
▼「はあ?」
渚はよく分からないといった顔をしている。
「だって、渚...こっち向いてくれないんだもん」
渚は自分の方に抱きよせた。
▼「ちげえよ。...白玉とばかり仲良くしてるのが気に入らなかっただけだ」
「え...?」
▼「だから、その...」
「よしよし、渚はカッコいいね」
▼「...!」
渚はそっと頭を撫でられ、顔が真っ赤に染まっていく。
▼「そ、そういう意味じゃなくてだな...」
「え?違うの?」
▼「...待て、部屋のなかでまた暴れてるみたいだ」
「あの、今度は私にやらせてくれないかな?」
▼「...?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「白玉、おいで!」
白玉は勢いよく黒羽に突進する。
「わあっ⁉」
そのあまりの勢いに転んでしまった。
▼「おい、大丈夫か⁉...白玉、」
「いいの。こういう時はね...」
すう、と息を吸う。
「~♪」
▼「...!」
頭を撫でながら美しい音色を奏でる。
すると...
「最近、興奮して寝てくれないときはこうして歌っていたから...」
白玉は目を閉じ、大人しくしている。
「誰だって、怒ったり怒られたりするのは嫌だもん。だから...」
▼「...足診せろ」
渚は黒羽の膝の上にいる白玉をソファーの上に寝かせ、少し腫れてしまった黒羽の左足の治療をする。
治療しながら、渚は黒羽にこう切り出した。
▼「...なあ、黒羽。おまえは...人魚だったのか?」
「...ヤダ、まだ起きない...」
▼「このねぼすけめ...」
渚の腕を掴んで離さない黒羽を、渚はため息混じりで見ていた。
▼「...」
「...ぅ」
少し苦しそうにうめいたのを渚は聞き逃さなかった。
▼「おい、起きろ!おい!」
「うう...」
▼「黒羽!」
「...!はあ、はあ...ごめんなさい、渚...おはよう」
▼「顔色が優れないようだが?それに、何に魘されてたんだ...」
渚は黒羽を抱きしめる。
「渚?本当に平気だから...」
▼「平気なわけないだろ?強がるな、いいから言え」
「...昔の夢を、見ただけだよ。ちょっと嫌な夢なの」
▼「...そういうことは、ちゃんと言え」
「ごめんなさっ」
バタバタ、と部屋の外から音が聞こえてくる。
▼「...あいつ」
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部屋の外へ行くと、白玉が遊んでいた。
▼「おい白玉、暴れんなっ...」
渚の腕のなかでじたばたする白玉の頭を、黒羽はそっと撫でた。
「ごめんね白玉、一人にして...ご飯食べようか」
黒羽に言われると白玉はおとなしくなった。
▼「...くそっ」
渚は少し、悔しく思っていた。
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「渚...?」
(渚の様子がおかしい...)
▼「なんだよ」
「あの、私...渚が嫌な思いすること、したかな?」
▼「はあ?」
渚はよく分からないといった顔をしている。
「だって、渚...こっち向いてくれないんだもん」
渚は自分の方に抱きよせた。
▼「ちげえよ。...白玉とばかり仲良くしてるのが気に入らなかっただけだ」
「え...?」
▼「だから、その...」
「よしよし、渚はカッコいいね」
▼「...!」
渚はそっと頭を撫でられ、顔が真っ赤に染まっていく。
▼「そ、そういう意味じゃなくてだな...」
「え?違うの?」
▼「...待て、部屋のなかでまた暴れてるみたいだ」
「あの、今度は私にやらせてくれないかな?」
▼「...?」
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「白玉、おいで!」
白玉は勢いよく黒羽に突進する。
「わあっ⁉」
そのあまりの勢いに転んでしまった。
▼「おい、大丈夫か⁉...白玉、」
「いいの。こういう時はね...」
すう、と息を吸う。
「~♪」
▼「...!」
頭を撫でながら美しい音色を奏でる。
すると...
「最近、興奮して寝てくれないときはこうして歌っていたから...」
白玉は目を閉じ、大人しくしている。
「誰だって、怒ったり怒られたりするのは嫌だもん。だから...」
▼「...足診せろ」
渚は黒羽の膝の上にいる白玉をソファーの上に寝かせ、少し腫れてしまった黒羽の左足の治療をする。
治療しながら、渚は黒羽にこう切り出した。
▼「...なあ、黒羽。おまえは...人魚だったのか?」
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